オオサカジン

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Posted by オオサカジン運営事務局  at 
船乗りになるためには、先ず資格取得が必須である。
航海術、法規、運用、機関、電気などがそれであるが、資格を取るための学習であって実務での内容には乏しい。

実際に一年生船員は、全居住区内の清掃から始まり、船によっては米や調味料などの食料管理、洗剤や食器など生活用具を含む在庫の管理、当直、作業全般に関わって非常に多忙になる。
早く要領をつかんで憶えてしまえば簡単なルーティーンであるが、変則的で不規則な環境で流動的に熟さねばならない。
これらによる効果は、きめ細かく気遣うことを培うという大義名分だ。

修行中の身であると言っても、全般に関わる中で、作業中の危険というとこれは即いのちに関わることが多い。
死なずとも重傷を負うと思って間違いない。
しかし気を張っていれば予測は可能なことばかりである。
主にデッキでの仕事で重要なところを少しだけ抽出すると以下がある。

入出港時、係船時に使用するロープ(ホーサー)は破断しそれが当たると人の身体は簡単に叩き潰され吹き飛ぶ。
延長線上は特に必要以上に近寄らないこと。マメにロープの擦れや傷を点検し見つけたら直ぐに手当てする。
追記:ホーサードラムを作動中停止中に関わらず、甲板上にコイルされているホーサーの中に足を入れない。繰り出しや巻き込み時、足に巻きつき引き込まれ死亡事故が発生している!

ウインドラス(油圧式、電動式巻き取り機)は何かの拍子に手足が巻き込まれたりした場合停止できなければ圧死することがある。
レバー操作は十分注意すること。クラッチの状態やブレーキを確実に確認する。

貨物、ロープ、道具などで手足を挟んで断裂することがある。
動くものの隙間などに安易に手足を入れないこと。船が揺れて、重みで傾いて、何かの拍子に動く場合がある。

他にも不慮の事態が起こり得ると常に予測ができれば、何が危険か、どこは危ないか、どんな時にどうすればいいかと気を配れるようになる。
そんなこと言ってたら仕事にならない。という先輩も中にはいるが、自分の身を守れるのは自分しかいない。
逆らってそれは危険だからできないというのではなくて、対策や措置を施して安全に作業、運航できるよう、常に気を張って仕事に励むしかない。

それが身についてくると、危険な行動をとる他人にも目が行くようになり、いつもと違う違和感を感じ取れるようになる。
ホンマ、なめたらあかん。しかしそのうち第六感まで感じられるようになるかも?

  

Posted by 大阪の海人  at 22:21Comments(6)仕事
いつもご覧頂き有難うございます。

このブログに来られる方が、どういう検索でヒットして見ているかというところに今回はスポットを当ててみる。

船乗り ブログ
40代 海技士
船の運転の仕事
甲板員 仕事

などの興味を持って来られる方が多い中、

コンテナ ラッシング
ラッシング コーン
ツイストロック
ブリッジフィッティング

というマニアックな検索の方がチラホラ。

ということで!
ご紹介します。
船は波で揺れるため、コンテナを船体に固定する必要がある。
そのための道具達だ。





コンテナをラッシングするターンバックル


ラッシングバー(2段用)


クロスにラッシングする


2段目の足元から船体のピースへ。(因みに2段目は冷凍コンテナでリーファコンテナという。今回の荷物はアズドライで常温のためコードを繋いでいない。)


こんな風に固定する。



ツイストロック(マニュアル式)


ベースにセット。右はロックした状態。コンテナを置くときは左の様にフリーにしておく。


コンテナを置いて同じ状態。中の爪がロックになる


ツイストロック(オート式)


コーン。ホールド内のコンテナがズレない様に縦に繋ぐもの。ツイストと同様足元に付ける。





ブリッジフィッティング。デッキの上3段以上に積み上げる時に横にコンテナ上面を繋ぐ。

時化た海を航行する上で絶対に積荷を落とさない様に守るためにする大切な道具達だ。

  

Posted by 大阪の海人  at 23:48Comments(2)仕事
船乗りを職として自分も1年が過ぎた。
実に内容の濃い、良いこともしんどいことも咄嗟の出来事も豊富な1年。

しかしこの船乗りという仕事。

真面目にやっても簡単になんでもできるようになるものでは無い。
ケースバイケースの処理がそれほど頻繁にないために、ひと航海毎に一度か二度ずつしか学べないからだ。
手元の作業の一つでロープワークがあるが、これだけは時間を作って自分で練習できる。が、それ以外は練習ができる緩い世界では無い。
やりながら手順を確認して確実に身体に覚えさせるのにしても、いつでも真剣勝負の本番である。
寛大に認めて、意味や要領良く熟す方法を近道で教えてくれた船長や上司には本当に感謝である。
中には黙って仕事を見せることで自分で学べというスタンスの人もあれば、ただ人を貶したり、自分の思い通りにすることだけに拘る人もあり、先ずは結局のところ人間同士の関係に終始対応に追われる日々もあった。
大の大人が乗り合わせる船の世界だが、仕事はチームワークが重要なファクターとなる。
そのチームワークがこなし切れるかどうかは、もちろん理解力も必要で、そのポジションでの臨機応変な対応は個々の力量も計られる。
ただ言われるオーダーを熟す立場から一段高く、言われる前にそこへ辿り着く。
そうできなければ、大袈裟ではなく、大事に至ることもある。
表面上の見える仕事から、意味のある仕事にするためには、視野を広く眺め、自分で分析して先に気づくことが肝要だ。
効率、時間、設備、トラブル、人。
優先順位と何よりも、船の運行。

しかし精度を高めるためにはまだまだ時間がかかりそうだ。





  

Posted by 大阪の海人  at 04:46Comments(0)仕事人生の航海
多分に漏れず、自分の会社にも新入社員が入ってきた。
ピカピカの社会人1年生の純粋培養となる船員が船に乗ってきたわけである。
学校を出てきて最初に乗る船であり、教育される諸先輩方。
緊張と不安を胸いっぱい抱えて大きな荷物と大きなガタイで乗り込んできた。
それぞれの船員とサロンで自己紹介を終え、船長からの一言。

メシは腹いっぱい食えよ!

実際にはその一言で終わったわけではないが(笑)
しかしインパクトのある、そして一番わかりやすく大事なことである。
とにかく初めは厳しい指導もあるだろうが、メシは必ず食べられる。

自分たちの乗る船には司厨長がおり、毎日3食の献立がちゃんと日替わりで出てくる。
全員同じメニューで11人。
米は一応食べ放題!!
でも自分のような40代以上の中年は食べ切れない量なのだ。(笑)
(食べようと思えば食べられるけど運動不足で慢性的に肥る!)
若い衆に半分おすそ分けなんかをしながら毎日美味しく頂いています。

今日の夕飯は何かなぁ?(笑)





  

Posted by 大阪の海人  at 22:07Comments(4)仕事人生の航海
内航船では運航の計画に以下のような情報を収集する。

航路上の海流で黒潮は本流では最大で2ktほどの影響を受ける。それに伴い到着予定が前後したり、蛇行が大きい時には針路が変わったりする。他にも親潮や本流からの支流や反流、潮汐による干満もあるのでそれも考慮する。
続いて天気図により気圧の傾きの大きさを見る。等圧線が広く離れている時は穏やかな天気。逆に狭く何本も走っている時は気圧傾度が急になると言う。そんな時は風が強く吹き時化るというわけだ。
そうなるとうねりがどの程度か波浪予報を見て出すか留まるかを船長が判断する。予想天気図を見れば何時頃の任意地点での状況がある程度予想でき、風向がわかるので波浪の来る向きが予想できる。それに間に合って逃げ切れるかを判断するのだ。船によっては有料の詳細な地点ごとのポイント予想なども参考にしている。
船体の動揺が、叩く(船体に衝撃が加わり破損する)か、揺れる(大きいと眠れない(笑))のか、積載貨物の内容(フナガタ、荷役プラン)によって重心の位置を調整(オモテ脚、トモ脚、バラストタンクに海水を張るなど)したり、厳重な固縛を要するかの判断をしたり積み地に着くまでに決めて行く。
最近は発生期間が長くなっている台風の進路予想はその時期になると最も重要な情報だ。
又、同時期には気温と海水温の差が濃霧を発生させる。天気図にはFOGと記載されているエリアである。濃い霧は船首マストどころか中央部すら見えない場合もある。

そんな風に順次決めて行きながら運航予定を段取って行く。決定されると横浜港バース情報などに寄港予定が組まれるわけだ。

他には仲間の船の動静を見たりするのにライブ船舶マップなどでマニアックなストーキングをしてみたり(笑)



  

Posted by 大阪の海人  at 08:00Comments(0)仕事
船の上では、縦割り社会である。
絶対的決定権は船長(キャプテン)なのは言わずもがなであるが、その範囲は広く責任も重い。

大きくは甲板部(デッキ)と機関部(エンジニア)で別れていてそれぞれの頂点に船・機長。
甲板部にはその下に
一航士(チーフオフィサーでチョッサーと呼ぶ)
次席一航士
二航士(セカンドオフィサー)
次席二航士
三航士(以下略)
次席三航士←ここまでが船舶職員
甲板長(ボースン)
甲板手
甲板員←ここまでは船舶部員
などのランクがある。

機関部にも同様にあるが
機関長(チーフエンジニアでチェンジャーと呼ぶ)
一機士(ファーストエンジニア)
二機士(以下略)
三機士
操機手など

内航船ではこの全てが乗り合わせているわけではないし、船によってはもっと細かくランクがある場合もある。
それぞれの立場で分をわきまえて分担していれば、船の運行は通常通りスムーズである。
総トン数749型の船舶までは上記のうち5人しかおらず、更に小さい船では3人で運行しているものもある。
そして人間が乗っている以上、立場を越えた考えや意見を出すこともあれば逆に意見を求めたり、相談することもある。
天候に左右されて変更になったり、故障のため人手が必要になったり当然の臨機応変な対応をしていく。

ここまではあくまで建前上のおキレイなお話。(笑)

中には自分の立場を守るため、コントロールできる上司を据える輩がいたり、その立場を利用して下に理不尽を押し付ける輩がいる。
良い人ばかりじゃないのである。
仕事がたいしたことないという人は見ているとわかる。
二度手間というか先を見てないというか、目先だけで仕事をつくる人。意味なく仕事をしているふりをする又は全くしない。
でもできる人だとちょっと厄介。皆がその人に振り回されることになったりする。

たった一人、変な職員がいると船内は大きく変わる。
そのことを本人だけは知らないのだ。
皆がその人の休暇を待っているのを(笑)

※ノンフィクションではあるが、すべてがそうではありません。良い人ばかりの船もありますよ!それに乗れるかは運です。




  

Posted by 大阪の海人  at 04:34Comments(2)仕事
仕事の段取りは、陸と海とに関わらず計画的に効率良く進めるのが理想である。
その仕事を完了させるための一連の流れに沿って下準備(根回し)がどこまでされているかがカギとなる。
スマートに時間通りに、そしてその進捗を点検までできる余裕を持って。

但し!
海上は自然を相手に仕事をするため度々天候に左右される。
大きく影響するものとして低気圧の接近。
風向と風力、波やうねりの向き、雨や雪、気温や湿度などによって下準備がなかったことになる。(笑)
思ったより険悪な天候に見舞われる場合はすべての仕事がキャンセルされることも。
それでもその変化が緩い場合に備えて下準備が必要なのだ。

海上での風、波は天気予報で報道されている。
低気圧が日本列島を通過しない場合にはそれほど騒がないが、陸上での影響が少ないからであろう。
しかし、日本海や太平洋の洋上を通過して行く低気圧は、海上での影響が非常に大きいことを知っていただきたい(笑)

安全を預かり輸送するという大義名分は絶対。
それに直接的に関わる人の健康も絶対。
無理を通して大事が起きる時は命に関わるのがこの仕事である。

ご安航を!!







  

Posted by 大阪の海人  at 19:00Comments(0)仕事人生の航海
船には様々な用途に応じた専用船がある。
自分は現在、内航コンテナ船に乗っているのだが、ホールド内だけでなくハッチの上にも積荷があり、航海輸送時のトリムに加えGMと言われる重心の高さにより安定化を図る。
コンテナを置く場所はベイと呼びホールド内はセルガイドという柱で区画されている。
何段にも重ねて積むため、スタッカーやツイストロック、コーンと言うジョイントで各コンテナを繋ぎ、更にラッシングバーやブリッジフィッティングで船体に固縛させておく。
荷役時間が短く早いので、京浜や大阪湾などではシフト接岸がある。一日に数ポートの離接岸を繰り返すこともある。
しかしそれだけ回数を繰り返せば、体が憶えるし、咄嗟のイレギュラーに遭遇する確率も高く経験値は上がりやすい。
最近は書類の作成やレッド振りもさせてもらいながら日々精進している。

やっぱり船の仕事は楽しいと改めて思う今日この頃である。





  

Posted by 大阪の海人  at 20:24Comments(0)仕事
船の上での仕事というのは、大きく分けて
航海に関すること。
積載貨物に関すること。
船のメンテナンスに関すること。
の三つ。

特に海岸線や水深、瀬の所在、他船の行き先や内容についての知識を蓄積していくことは海難防止に役立つ情報。
日頃の点検と整備を滞りなく実施していれば、急な故障をある程度未然に防ぐことができる。

「前と違う状態」は変化を発見して原因を調べるのが一連の流れだが、小さな気づきは日頃からどれだけ見ているか、唯それだけなのだ。

簡単なことに見えて、これは結構経験が必要。見渡した海上にある何かの発見から、歩いて通る瞬間で違和感を感じる感覚。

遠く離れた水平線から目の前にあるものまでを感じる習慣は、視力とは関係無いということも付け加えておきたい。

なんでそんなもん見つけられるんですか先輩!!(笑)


  

Posted by 大阪の海人  at 15:12Comments(2)仕事
2014年は横浜港での汽笛吹鳴からスタートしました。

本年もよろしくお願い致します。




  

Posted by 大阪の海人  at 00:29Comments(2)仕事人生の航海