オオサカジン

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Posted by オオサカジン運営事務局  at 
休暇も明けて間も無く乗船という頃。
日程も決まり、最後の休暇を満喫しようと予定を色々詰め込み、そのまま乗船予定で荷物をまとめて大阪を出た。
その日の夜、日程確認を本船に取ったところ変更なしとの回答。
が、しかし!
夜中になって、本船からの電話。
転船の下命がありそうだと。

いや、もう予定組んで出てるんですが…

休暇を少し延長するから他の船に行ってくれという内容。帰れと。戻れと。
翌日、慌てて会社と連絡を取り合い、現時点での状況を説明。
転船先の船の動静も確認でき、上手い具合に船が変わるが予定通りしっかり遊んだ後、乗船することができた。

しかし、荷物も持って出てるのに一旦帰るとか、んなアホな!殺生な話になるところだった。
急遽変更になったのには、職員が一人急に退職したため、人員のはめ込みがバランスを崩した模様。

自分はまだまだ修行中の身だが、この業界、技術を習得していれば引く手数多である。
そして今回バタバタした転船先の船は新しく環境も非常に良い。
初心で勉強に励みたいところだ。




  

Posted by 大阪の海人  at 21:44Comments(2)仕事
内航船では日本中の色々な地域の人が一緒に乗り合わせて仕事をする。
若い世代は割と標準語を使い熟せるので通じ合わないということは殆どない。
年配の世代でも陸上とのやりとりを頻繁にしている方は言葉が丁寧。

そりゃ何か指示するにしても、相手に伝わらなければ意味がない。
微妙なニュアンスで通じないなんてことも多々ある中で、方言上等で話し、それで押し切る人との会話は殆ど外国語(笑)

細い鎖を渡されて「オラエレ!」
「オラエレ???」
鎖で何をしようとしているのか当時は解らなかったのだが先ず言葉の意味が理解できない。
すると「オラエレーっ!!€@&/k☆!!」と激怒。
鎖は商船ではあまり見かけないチェーンストッパーというもの。
繋留索の取回しが悪くボラードをかわすためにオフセットするのが目的だった。
おらえる…語源は長崎県の五島列島の方言で結ぶ、縛る、舫うの意。この言葉は船乗りなら通じる。

他にも、作業中「セットばヤレ!」
ん?何のセットをすればいいの?
違う。セットはセットハンマー。ヤレは取ってこい。ばは知らん。
わかるか、んなもん!!(笑)

とうほぐの方はボソボソと話す感じ。方言はともかく何回も聞き直してたら怒鳴りだす。
なんや、ちゃんと大きい声で喋れるやん(笑)

日常のコトバあれこれでは独特のものがある。
飲食物のおかわり→もう一航海、○航海目
冷凍庫にいれる→凍結に入れておいた
小便→消火訓練行ってくる
陸→おかに上がる
稀だが、前→おもて(船首をオモテと言うのを日常的に使う人も)
後→とも(船尾をトモと言う以下同文)
車の運転でバック→アスタンしてくれ

他にもいろいろあるけど忘れた(笑)
思い出したら更新します。

自船→俺たちの船
履き物の向き→出船、入船


  

Posted by 大阪の海人  at 14:45Comments(0)仕事
船内の規律というか、細かい決まり事というのは、それぞれの船による。
キッチリ縦割りの船もあれば、和気藹々の船もある。この二つのパターンで仕事は大きく変わる。

そして、甲板(航海士の担当)作業の直接的な監督職員が誰かによって、やり方がいちいち変わる(笑)

「この船では」から始まる標準化されていない船舶運用の慣行例の幾つかをご紹介します。

例えば、アンカーの扱いで航海中のクラッチを入れるか入れないか。入れる方が良いと思うのだが…。諸説あって人による。
ホールドハッチの開閉。クレーンなどが積荷を吊って頭上通過している時に出るか待つか。待たないと重大事故の元やん。陸上では下手すれば出入り禁止処分なるレベル。人による(笑)
甲板の保守作業。ペンキ塗りやグリスアップなど少人数船では二等または三等航海士が、一等航海士に確認をしながら作業を進めていく。内容はさておき、丁寧で綺麗に仕上げる人もいれば、ただ早くやっつけ仕事な人、思い付きで彼方此方中途半端の人もいるし、ハナから作業嫌いで無関心な人などがいる。
こういう作業で一番理想的だったのは、できる限り時間と範囲を決めて、頭数が揃うタイミングで一気にチームで進めていくことだ。メリハリつけて確認し合いながら、担当を割り振ることで効率が良くイイ仕事ができ予定より早く終わる。
和気藹々とした船では皆が声を出し合って、確認もフォローもお互い様でスムーズ。

陸上も海上も、まぁ人それぞれで色々なのは変わらないことですね。そして同じく残念ながら現場の上司は選べない(笑)
しかし、いつか上に立つのは間違いない。その時、どんなやり方が良いのかは今学んでおく修行の身。

自分の常識、他人の非常識がまかり通る標準化途上の業界である。



  

Posted by 大阪の海人  at 11:39Comments(4)仕事
海技士資格のうち航海を担当するのが航海士の仕事だ。エンジンや関連する機械を担当するのは機関士の仕事。
職位などもいろいろあるが、それはまた別の機会に紹介することとして、今回は自分の担当する航海士について。

航海当直の時間割りについては以前に少し書いたが、当直ってどんな仕事か。

簡単に言うと、船の運転手である。
積載した貨物をオペレーターの指定する港へ計画した航路で安全に航行すること。

船は港から出てしまえば広い海をどう走っても良いというわけではない。
国際法である海上衝突予防法、国内法である海上交通安全法、港則法などによって定められた航法によって航海するのであるが、細かいことは省いて…

一番の基本、船は右側通行!

これが陸上の車と違う。
そして、自船の右舷側(うげんがわ)から接近して来る他船は避ける。

それを見張り操船することが当直者の主な仕事。

目視と双眼鏡で船や障害物、漂流物を見つける。そしてレーダーで距離、方位、動きを解析(プロット)する。
夜間は特に見え難い場合がある。他船は単に水平線上に並んでいる様に見えるが実際は近いものと遠くにいるものがいる。

レーダーがなかった時代はもっと大変やったんやろなぁ。


  

Posted by 大阪の海人  at 10:19Comments(0)仕事

2013年10月23日

台風避難。

台風により被災された地域、被災者さまには謹んでお見舞い申し上げます。

今年の台風は、日本列島を縦断して行くコースをとることが多く、陸上でも大変な被害が発生している。海上では接近の数日前から大きなうねりが遠く彼方から沿岸にやってくることとなる。

海上にいる船舶は適宜、気象庁や海上保安庁による警報発令、テレビニュースにより天候はもちろん風や波、潮の情報を集めている。
波が高くなると横揺れや縦揺れの動揺が起き、船体が波を叩く衝撃で積荷や船体自体が損害を受ける場合もあり、船長はその判断において責任重大である。

台風や爆弾低気圧など、広い範囲に渡って大時化となることが予め分かっている場合には湾内にアンカー(錨)を打って避難することがある。
先日の台風26号が接近した時には本船も東京湾内で避難していた。
こういう荒天避難のときは東京湾内にはビッシリと船舶がひしめき合っている。もう笑ってしまうほどである。

夜が更けたころ徐々に風が強く吹き、雨が横に降って来る。風速35m…船体を動揺し始め風が鳴り雨がバチバチと激しく叩きはじめた。

朝方、東京マーチスからVHFで呼出された。
マーチス「貴船走錨していますよ!」
本船「はい、現在エンジンで支えています」
マーチス「了解しました。気をつけてください!」

そこかしこで走錨しているらしくマーチスも何時もに増して早口だった(笑)
本船は既に暴風により数百m押されて走錨しており、エンジンを使って船体を風に立てる操船をしているところだった。
幸い、後方には船舶がいなかったのでまだ良かったが浅瀬を示すブイが近くなっていた。
この時はアンカーを2つ使って双錨泊としていたが、それでもやはり自然の猛威は凄まじく、打った場所から大きくズレて揚錨にかなり手こずった。

台風通過後、凪待ちのため借りバース(仮?誰か教えて)で一晩の泊まりとなり翌日の出航だったが、台風一過とはよく言ったもんで、嘘のような快晴でベタ凪の航海となった。


  

Posted by 大阪の海人  at 11:30Comments(0)仕事