2020年12月08日
船乗りの仕事。気づき考え行動する。総論。

2012年に計画し、上手い具合に2013年から『船員』という職場にありつけた、現在48歳のオッサンの戯れ言ですが、大きな主語で暴論を騙ってみようと思います。
業界としてある、内航船の世界。
仕事としては、日本の隠れた動脈であると意識の高い自負を持って乗られている諸兄も多い。
なるほど、船舶交通が著しく混雑する特定港のうち、京浜や阪神、名古屋など居住人口密度の高い都会に至っては、港湾施設があるのは知っているが、それほど身近に船舶を感じたことはなく、海上物流の存在を知らないという方が大半であります。
況してや、身近に『船員』を職業としている知り合いでもいない限り、特に深く知ること無く日々を過ごして行くことでしょう。
以前、国土交通省が公開している統計資料を調べたところ、1億2000万の日本国民に対して『船員』は免許されている人口凡そ65,000人、実際に登録して船舶に乗務している人口凡そ30,000人ほどしかいない世界であることがわかりました。
非常に希少な人口比です。
それで且つ、高齢化。但し高齢化は船舶職員に限らず、凡ゆる業界で言えることで、年齢層別人口比とも関わっています。
さてさて、大枠の話はこれくらいに、実態としての感想を騙って参ります。
SNSなどの発達で、所謂「嗜好」として船舶や艦船、それに付随するモノへの興味で、または乗務員の一部の方々の投稿を見るにつけ、業界の存在については少しずつ認知度の広がりを見せていると感じます。
最近では、不名誉的ではありますが、大きな海難事故について全国ニュースで報じられることも多くなりました。
この、「海難事故」については状況から何とも言えないものもありますが、もちろん周囲の地形海況を確実に認識できていて「余裕のある時期に、躊躇わずに」対応し判断している限り、大抵のことは防ぐことができます。自動車と違いこれは断言できます。
次に、デキル若い者に立場を譲らない高齢船員の存在が悪習と思えます。
しかしながら、「教える」ための言語化が著しく不得意な世代が圧倒的に多いままここまで来てしまった『船員』の世界。
もちろんマニュアル(教科書)通りの世界ではないのですが、高齢世代は「見て盗め」を真理として学んできた化石みたいな人が多く、言語化を放棄しているが故、伝わらないことばかりで「わからない」とも言えます。
もっと言うならば、現状では盗むほどの技術を持っている先輩すら少なくなってきています。
海技免状では、試験に合格するための言語化された勉強をしますが、最も効率的な《基礎知識》として身につけるべきものでしかありません。
現場での『船員』の仕事はその実務として簡素化されていたり、またはもっと複雑に確認すべきことがあったりと、地球規模の自然な感覚でも物理法則との兼ね合いで判断していくことが多くあります。
幸い、どんな内容(時には後付けの都合の良い理屈)であれ言語化して伝えようとしてくれる先輩(高齢者)と仕事ができたなら、理屈や関連する業務的繋がりに至る、物質的物事や人間関係、自然法則性などの“考え方”を伝授してくれることでしょう。
そういう先輩船員と組めるかどうかは、ある意味で天文学的確率ではあります。
小うるさい小言ばかり言う先輩ってのは、ただ自分の好みに従えようとしているだけで、一定の理論以上に大して学ぶことはないので、疑問に思う内容を詰めてみればわかります。
「この船ではこのやり方なのだ」
みたいな答えが返ってくるから。
きちんと言語化して教えられる人は違います。
「この船ではこのやり方なのだけど他にもこんな考え方があって、それぞれの好みとか納得できる理屈でこうしてる」
という回答を得られると思います。
単にその人の好みでしかないのか、理にかなっている考え方の一つなのかスタンダードな正解が一つではなく存在するうち、知ることにも労力が必要です。
それが、この『船員』という世界で、内航船の実情であります。
暴論を述べていますが、大体合ってると思います。
最後に、(能力のことでなく)生きているやつは皆んなエライ。
生きていくための手段としてこの仕事を選んだのみで、海の様に広く世の中を眺めて、常に世の中の多様性を楽しく面白く感じる教養を持って生きていきたいと思います。
ご安航をお祈りしています。
2018年09月10日
最終目標を達成
長らく放置しておりましたが、最後に更新してから色々なことがありました。
とりあえずの区切りとして《三級海技士(航海)》を最終目標と掲げてやってきましたが、遂に取得(限定付き)に至りました。
勉強はもうしばらくいいです(笑)
2016年12月14日
船乗りの資格。海技士免許
2016年も残すところあと僅か。年の瀬迫る師走の候、いかがお過ごしでしょうか。
このブログを始めてから長いようであっという間だった乗船履歴、三年分。
やっと海技士4級(航海)免状(限定付き及び一部解除。後述)を取得できました。
免許取得講習では、ある意味レアな“ドルフィン”乗りな方たちとも話す機会もあったりで、
これまた有意義な時間でありました。※機密が多くてゴニョゴニョ(貝になる)
また、航海英語講習を受けて、もっと英語が話せるようになりたいなぁなんて気持ちにもなりました。(そんな気持ちは直ぐに忘れるのでしょうが(笑))
ただ、憶えているうちにまた次の勉強へ進めないと身につかないということもあります。
来年の予定として
次のステップは最終目標の海技士3級(航海)
上級航海英語講習
ECDIS講習
について煮詰めるため、運輸局で小一時間問い詰めて色々教えてもらいました(笑)
履歴について(自分の3級受験資格まで)備忘録的に要約
近海区域(限定近海含む)の乗船履歴で甲板員として
総トン数1,600tを超える船舶(運行に従事、3級海技士資格必須トン数船舶)及び、
総トン数500t未満の船舶(運行に従事、近海区域を航行する船舶が履歴を認められる)
で2年弱の期間(3年必要)あったため、残り1年とちょっとの履歴が必要とのこと。
を踏まえて、4級(航海)を取得して今後乗船した場合にどうなるのかについては、
総トン数1,600t未満の船舶(沿海区域)で一航士として1年以上。
※限定付きのため1,600t以上では一航士はできない
または航海士(職員履歴)として2年以上。
の履歴を積めば、3級受験資格となることが判明しました。
が!
一航士での1年。と、
航海士としての2年。は上記の
甲板員(として雇入、船舶の運行に従事)必要履歴期間3年。
に対し比例して計算することができる!
つまり、
これまでの乗船で該当船舶における甲板員履歴が2年あるとすれば、必要3年のうち2/3を現時点でクリアしたとみなす。
残りは1/3であることから、
一航士で履歴1年のうち1/3=4ヶ月が1年分に該当。
※法律的には乗船期間を3倍として計算される
航海士で2年のうち1/3=8ヶ月が(ry
※法律的には1.5倍として(ry
という計算になるというのだ!
ここいらへんの計算には多少の誤差が生じるので多めに履歴が必要で、運輸局に船員手帳を持って行き、計算してもらうのが確実です(推奨)
※海事六法に詳細がありますが、難解です
限定付き免許
海技士4級(航海)を免許されても幾つか限定(初心運転者期間みたいな)が付きます。
航海区域による船舶の総トン数で、就ける職級が限定されます。
免許(※進級の場合)されるまでに「航海士」履歴(二航士、次席二航士、三航士、次席三航士)が1年以上あれば、この限定は解除される様です。
自分の場合はあと約2ヶ月の職員(航海士)履歴で解除されると教えてもらいました。
例外
一発で3級、4級、5級を取得される場合は航海士履歴がつけにくいと思います。
また、航海当直部員(6級海技士同等扱い)での雇入なども、細かくは計算が変わるかもしれません。
手持ちの免状や、乗船する船の条件によって、又は船員手帳の有無で、手続きや計算が変わる様なので、これも運輸局に出向いて調べて(問い詰めて)もらったり、教えてもらうのが良いと思います。
※電話でも聞いてもらえる様ですが、実際の手帳などを見ながら調べてもらうのが確実です。
それでは良いお年をお迎えください。ご安航を"UW"

船乗りの仕事 コンテナ船 内航船 Full Ver.
http://t.co/RR3pGajY43
船乗りの仕事。第2弾-749型コンテナ船の一週間。荷役 船上生活 離着桟
http://t.co/yqvPkRfhy2
このブログを始めてから長いようであっという間だった乗船履歴、三年分。
やっと海技士4級(航海)免状(限定付き及び一部解除。後述)を取得できました。
免許取得講習では、ある意味レアな“ドルフィン”乗りな方たちとも話す機会もあったりで、
これまた有意義な時間でありました。※機密が多くてゴニョゴニョ(貝になる)
また、航海英語講習を受けて、もっと英語が話せるようになりたいなぁなんて気持ちにもなりました。(そんな気持ちは直ぐに忘れるのでしょうが(笑))
ただ、憶えているうちにまた次の勉強へ進めないと身につかないということもあります。
来年の予定として
次のステップは最終目標の海技士3級(航海)
上級航海英語講習
ECDIS講習
について煮詰めるため、運輸局で小一時間問い詰めて色々教えてもらいました(笑)
履歴について(自分の3級受験資格まで)備忘録的に要約
近海区域(限定近海含む)の乗船履歴で甲板員として
総トン数1,600tを超える船舶(運行に従事、3級海技士資格必須トン数船舶)及び、
総トン数500t未満の船舶(運行に従事、近海区域を航行する船舶が履歴を認められる)
で2年弱の期間(3年必要)あったため、残り1年とちょっとの履歴が必要とのこと。
を踏まえて、4級(航海)を取得して今後乗船した場合にどうなるのかについては、
総トン数1,600t未満の船舶(沿海区域)で一航士として1年以上。
※限定付きのため1,600t以上では一航士はできない
または航海士(職員履歴)として2年以上。
の履歴を積めば、3級受験資格となることが判明しました。
が!
一航士での1年。と、
航海士としての2年。は上記の
甲板員(として雇入、船舶の運行に従事)必要履歴期間3年。
に対し比例して計算することができる!
つまり、
これまでの乗船で該当船舶における甲板員履歴が2年あるとすれば、必要3年のうち2/3を現時点でクリアしたとみなす。
残りは1/3であることから、
一航士で履歴1年のうち1/3=4ヶ月が1年分に該当。
※法律的には乗船期間を3倍として計算される
航海士で2年のうち1/3=8ヶ月が(ry
※法律的には1.5倍として(ry
という計算になるというのだ!
ここいらへんの計算には多少の誤差が生じるので多めに履歴が必要で、運輸局に船員手帳を持って行き、計算してもらうのが確実です(推奨)
※海事六法に詳細がありますが、難解です
限定付き免許
海技士4級(航海)を免許されても幾つか限定(初心運転者期間みたいな)が付きます。
航海区域による船舶の総トン数で、就ける職級が限定されます。
免許(※進級の場合)されるまでに「航海士」履歴(二航士、次席二航士、三航士、次席三航士)が1年以上あれば、この限定は解除される様です。
自分の場合はあと約2ヶ月の職員(航海士)履歴で解除されると教えてもらいました。
例外
一発で3級、4級、5級を取得される場合は航海士履歴がつけにくいと思います。
また、航海当直部員(6級海技士同等扱い)での雇入なども、細かくは計算が変わるかもしれません。
手持ちの免状や、乗船する船の条件によって、又は船員手帳の有無で、手続きや計算が変わる様なので、これも運輸局に出向いて調べて(問い詰めて)もらったり、教えてもらうのが良いと思います。
※電話でも聞いてもらえる様ですが、実際の手帳などを見ながら調べてもらうのが確実です。
それでは良いお年をお迎えください。ご安航を"UW"
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船乗りの仕事。第2弾-749型コンテナ船の一週間。荷役 船上生活 離着桟
http://t.co/yqvPkRfhy2
2016年04月06日
船乗りの仕事。新入り船員に告ぐ
いやいや、自分も偉そうなことを言えるほどまだ船乗りやって長くはないので、これまで感じたことをちょっと要約して列挙してみる。
海運会社によっては、新人研修でビジネスライクな人との接し方や基本的な挨拶の仕方、電話の受け答えなんかを習ったりするかもしれない。それとは別に船乗りとしての箇条書。
挨拶は基本。
朝起きて最初に会った相手には挨拶する。
上司、同僚はもちろん、港湾荷役関係者などにも「おはようございます」。
船橋に上がって入る時、「(安全航海)ありがとうございました!」と言って入る。
先ず最初の仕事は「掃除」
卒業校などの違いで、職員か部員で多少違うかもしれないが、「掃除」を仰せつかまつった際には…
船橋やトイレ、居住区、共同区画やレクルームなどの清掃を「仕事」として与えられる。つまりそれが給料をもらうための労働となる。ダラダラしたり手を抜くのはもう少し慣れてからにして、先ずは一生懸命に「掃除」をしてほしい。汗かくよ〜本気で掃除したら。
船橋に上がって当直
当直の際、挨拶して入った後には、先ず全ての確認。
いきなりレーダーや電子海図などを絶対に触らない。
周りをよく見て、天候、現在地、針路、エンジン回転数、同反航船や横切り船、漁船の有無などを確認する。特に風はウイングに出ないと実際にはわからない。
全て確認してから「交代します」と申し出て引き継ぎする。
当直の要は「海図」にあり
これは今時なら、電子海図がアナログな紙の海図に取って代わりつつある。が!紙の海図があるならその都度見て「浅瀬」「ブイ」「灯標」「目標物」「海苔や養殖漁具」の存在や見える景色と海図との整合性の確認を推奨する。
さらには船によって海図に重要な情報を書き込まれていたりもする。通報位置や燃料切り替え位置、変針点と針路、距離などなど。
作業は見て盗め。
いや、道具盗んでどうすんねん。ちゃうやんか…
細かく教えてくれる先輩なら良いが、年配者などで言葉も発せず黙々と作業を進めていく。初めは使い走りで仕方なし。使い走りしながらどこにどんな道具があるか、その作業には何が必要か、どんな風に使うか、進めていく手順などを覚えていく。
片付け方も、元の場所に、先ずは基本の片付け方をキチンと覚える。
疑問や不確かなことはその都度聞く。
当たり前田のクラッカー。
勘違いは誰でもあるがそのまま突っ走らない。
確実に一つ一つをこなして、間違わないように。
一度聞いたら忘れない。
一度言われたら忘れない。
注意されたら二度としない。※理不尽なのもあり(笑)
して良い失敗とダメな失敗がある。
新人船員の諸兄には上記を留意されたい。
気張って頑張り、船乗りを続け、また次に来る人に教えられる立場になって行ってもらいたい。
細か〜いことをいろいろ言われると思うけど、めげずに頑張りましょう。
追記
そうやって頑張ってくれる新人諸兄に対し、当たり前と目上からの目線でなく
「おつかれさん」
「ありがとう」
と労い、鼓舞して差し上げるほか、ちょっとした差し入れなんかを渡して一服させてやるのは、先輩の役目である。

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海運会社によっては、新人研修でビジネスライクな人との接し方や基本的な挨拶の仕方、電話の受け答えなんかを習ったりするかもしれない。それとは別に船乗りとしての箇条書。
挨拶は基本。
朝起きて最初に会った相手には挨拶する。
上司、同僚はもちろん、港湾荷役関係者などにも「おはようございます」。
船橋に上がって入る時、「(安全航海)ありがとうございました!」と言って入る。
先ず最初の仕事は「掃除」
卒業校などの違いで、職員か部員で多少違うかもしれないが、「掃除」を仰せつかまつった際には…
船橋やトイレ、居住区、共同区画やレクルームなどの清掃を「仕事」として与えられる。つまりそれが給料をもらうための労働となる。ダラダラしたり手を抜くのはもう少し慣れてからにして、先ずは一生懸命に「掃除」をしてほしい。汗かくよ〜本気で掃除したら。
船橋に上がって当直
当直の際、挨拶して入った後には、先ず全ての確認。
いきなりレーダーや電子海図などを絶対に触らない。
周りをよく見て、天候、現在地、針路、エンジン回転数、同反航船や横切り船、漁船の有無などを確認する。特に風はウイングに出ないと実際にはわからない。
全て確認してから「交代します」と申し出て引き継ぎする。
当直の要は「海図」にあり
これは今時なら、電子海図がアナログな紙の海図に取って代わりつつある。が!紙の海図があるならその都度見て「浅瀬」「ブイ」「灯標」「目標物」「海苔や養殖漁具」の存在や見える景色と海図との整合性の確認を推奨する。
さらには船によって海図に重要な情報を書き込まれていたりもする。通報位置や燃料切り替え位置、変針点と針路、距離などなど。
作業は見て盗め。
いや、道具盗んでどうすんねん。ちゃうやんか…
細かく教えてくれる先輩なら良いが、年配者などで言葉も発せず黙々と作業を進めていく。初めは使い走りで仕方なし。使い走りしながらどこにどんな道具があるか、その作業には何が必要か、どんな風に使うか、進めていく手順などを覚えていく。
片付け方も、元の場所に、先ずは基本の片付け方をキチンと覚える。
疑問や不確かなことはその都度聞く。
当たり前田のクラッカー。
勘違いは誰でもあるがそのまま突っ走らない。
確実に一つ一つをこなして、間違わないように。
一度聞いたら忘れない。
一度言われたら忘れない。
注意されたら二度としない。※理不尽なのもあり(笑)
して良い失敗とダメな失敗がある。
新人船員の諸兄には上記を留意されたい。
気張って頑張り、船乗りを続け、また次に来る人に教えられる立場になって行ってもらいたい。
細か〜いことをいろいろ言われると思うけど、めげずに頑張りましょう。
追記
そうやって頑張ってくれる新人諸兄に対し、当たり前と目上からの目線でなく
「おつかれさん」
「ありがとう」
と労い、鼓舞して差し上げるほか、ちょっとした差し入れなんかを渡して一服させてやるのは、先輩の役目である。
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2016年02月06日
船乗りの仕事。今後に活かす業界情報のまとめ
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今回の休暇中に知りえた情報源は、
尾道の新6級海技士取得講座の同期生達。
個人での海員組合員としての相談窓口。
その他、友人伝いや偶然的に知り合う船乗りの仲間。である。
第一にみんな口を揃えて言うことは、人手不足。
これはもう、物流業界全体のと言うよりも、日本国内における社会問題の一端である。
特に土方、馬方、船方などと言われ、昨今ではIT土方なんて揶揄される造語まであるくらいの底辺民の象徴となる職である。にも関わらず人手不足。そして高齢化。
つまり引く手数多である。
船乗りにとって人手不足ということは、過酷な労働環境の中で休みが取れ難くなるわけで、休暇を一巡させるため派遣船員を迎える必要が出てくる。
新たな人が加わると言うのは手がかかる上に、気を回すという意味で気疲れもする。
先ず、期間限定なため任せて仕事を進めることはない。
結局、負担が増えて疲弊することとなり危険にも繋がるのである。
次にはやはり、給与待遇面。
一言に貨物船と言っても、その扱う積荷による船種は数多ある。
タンカー、RORO、コンテナ、ばら積み、鋼材、ガット、などが大まかにあり細かくはもっと色々な積荷に応じた専用船も多数存在する。もちろん貨物船以外にも様々ある。
船種による船自体のサイズ、雇用船員の頭数、資格の有無、定期航路か否か、職級など様々な要件で給与の高低も会社または雇用側の考え方次第。高低については貰う側の価値観による各自の感想もあるわけだ。
大阪人は現在船乗り3年になろうとする時点で、職級は二航士。年収500万。月手取り35万。年間休日は実質100日といったところ。
船乗りになったばかりの頃は年収360万。たった3年で約150万上がった。
陸上での年収が約400万前後だったことを考えると、安定して少しは落ち着ける様になってきたところだ。乗船中、船員法では食費が出ることで約+40万あるので陸上勤務時よりは凡そ150万収入が増えた計算だ。
そしてこれは、船乗りの世界なので職人給。年齢は関係無い。
できる様になれば勝手に上がっていく。もっと早く船乗りになりたかったなぁ(笑)
最後に、待遇面として乗りたい船。
大阪人は元々の志望していた船種としてタグがあった。できればほぼ毎日帰ることができる船ということでの志望動機。
ま、その志望は免状が甲機両要という壁で最初の段階に打ち砕かれたものの、縁に恵まれ今の会社でコンテナ船ばかりに乗っているわけだ。
その中で、少数精鋭の船もあればもう皆んなが諦めた緩い船もあり、でもそれを経て自分がやるべきことは何か、どうしておく必要があるかなどの基本は学んだ。
コンテナ船ばかりであるが、少し大きい船も経験したことでその志望としての広がりは自分の中で拡張された。基本は全て応用なので、知識は基本から学ぶことが肝要。
そして船員生活をする中で出会う人達によって、自分に足りないものが浮き出され、今後においてどうするべきかを考えるキッカケとなっている。
履歴は船員手帳に記載されることから、職級の経験も明らかになる。この記載内容はある意味デタラメでもあるので、その履歴の職級が付く以上の実力がある方が望ましい。
まとめ
人手不足については今後、若い方も興味を示していたり、大阪人と同年代の世代も多く転職編入してきている。あとは船乗りってどんな仕事かを鋭意拡販し、島国日本の知られざる動脈をさらに活性化させられればと思う次第。高齢化に伴うポストの空洞化もチャンス。
給与面などは業界の活性化により、升が大きくなれば良いのだが内需外需ともこれだけは爆発的な増加は不可能。ならば職人の世界でもあり職級を上げることと、クライアントとの信頼関係による傭船増加くらいしか無い。安全は全ての作業に優先されるべきで、安全第一。ご安航を祈る。
大阪人はこの先、出来るだけ大きな船に乗ってみたい。バラ積みの経験もしたい。
必要なものは、最低3級の資格。一航士ないし船長代行の履歴または履歴はなくとも同等の知識と実力。応用力を養う経験。年齢が40代なのでのんびりしている余裕は無いという結論である。
あと3年以内で針路を最終的かつ確実な方向へ向ける。その間に業界及び会社の変化も見極めて準備を進める。※辞めるとは言ってない
船乗りで押し通す予定!笑
2016年01月15日
船乗りの仕事。息切れ燃え尽きそうなとき
船乗りの仕事 コンテナ船 内航船 Full Ver.
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船乗りの仕事。第2弾-749型コンテナ船の一週間。荷役 船上生活 離着桟
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歳も歳ということもあって、また船長や機関長、または周りの仲間に支えられて、突っ走って色々急ごしらえにやってきた船乗りの仕事。
何度も繰り返し言うが、一度で理屈を全て理解できるほど甘い仕事では無い。
でも常に本番で、練習だからという扱いを受けることも無く、緊張感を持ってアレもコレもと何よりも安全に気を配る。
そんな仕事ではあるが、やはりある程度覚えてできる様になると余裕も出てきてさらには、少し頭打ち的な、てっぺんに辿り着いた様な錯覚に陥る。
錯覚に本人が気付いていて、更にモチベーションを上げて維持できるならそれは素晴らしいことだが、自分はそれほど意識を高く維持するのは難しい…と言うより無理(笑)
そんなこんなで、次にどんな仕事ができれば良いのか?という壁にぶち当たり、それが内心で燻りに変わりつつあった。現状で満足してはいけないことは承知のうえでモチベーションが停滞していた。
職務としてはもう二航士になってしまい、もうコレはできない、アレは知らないなんてことも通用しなくなってからの今回の転船。知らなくても応用できないとという段階である。
転船先の船ではもちろんまだまだ知らないこともたくさんあり、それは知ったかぶりなどせずもちろんいちから教えてもらい、現場で処理しながら確実にモノにしていく姿勢は示す。
しかしそこは40代、要領で熟す作法を心得ている!
これまでやってきたことは、船に関しては基本が共通していて、全て応用が効く。
この船ではこういう事があるからここは気をつけておけば良いんやなぁ。ここは構造的にこんな風にしてるのか。と直ぐに理解できるほどにはなったな〜と実感している。
そのおかげで、先回りして動けるのでかなり仕事が捗るし、後回しにできることとのメリハリもつけて楽に要領を使える様になっているのである。
実はかなり息切れして限界みたいなものを感じていたので、心機一転して他の船に来たのはタイミングも良かったと感じている。
瀬戸内が怖いと思ってた部分と、自分の実力を確認して足りないものを見極めるのに今はまた、充実して打ち込める様になった。
新たな仕事の部分をなるだけ楽しみながら熟す、という面倒な壁を乗り越えて、また少し船乗りとして深めたいと思う毎日になった。
まぁこんな対応ができる会社の環境は、望もうと望むまいとに関わらず、
焦っても何も得せぇへん。ぼちぼち行こやぁ。
と気持ちの切り替え(開き直り)ができる良いところなのである。
あとは休暇がだいたい予定通り回ること…
2015年12月23日
船乗りの仕事。潮流転流順中逆西

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ついに念願?!悲願?叶ってというべきか瀬戸内の船に転船してきたわけだが、神戸から関門辺りの港を転々と寄りながらこれがまた中々の強行軍である。
しかしまぁ、内航船乗りにとって瀬戸内の一人ワッチができるかというところは、非常に重要なファクターである。
特に明石、備讃瀬戸の東北南、来島、関門に至る主要航路とその特色は、浅瀬の存在、干満に関わる潮流、季節ごとの漁船や漁具の種類を含めて、東北や日本海、東京湾や伊勢湾に比して最も賑やかな海域となる。
さて、先ずは。
航路の優先航行順位として、各種船舶間の航法が定められ細かいところは省略するが主に、
①200m以上の巨大船
喫水と水深との関係で航路を離れる(逸れる)ことが困難なため
②漁船
何せ生活が懸かっているため航路内外関わらず魚がいるところに縦横無尽。季節ごと、漁具ごとの特徴がある
③その他の船
機関を用いて航行する動力船
となる。
巨大船にはエスコートボートというタグや水先船が途中(入港バース手前の航路内など)で合流して他の船舶への警戒業務に当たり、
航行関係性によってVHFで呼び出して協力を呼びかけたりする。
備讃瀬戸の各航路内では備讃マーチスからの情報が随時あり、漁船の集中しているエリアなどが警戒されていて、付近航行の船舶に直接呼びかけたりもしてくれる。
特殊な航法
来島海峡については、連れ潮(風で言うところの追い風)は中水道を通り、逆潮(同じく向かい風)では西水道を通るという特殊な航法(順中逆西と言う)となり、潮流を通航時刻に合わせて事前に調べておき、転流時刻1時間前ごろには位置通報ラインから来島マーチスに確認して通るというなんともややこしい難所となっている。
※AIS搭載船は転流時のみ位置通報確認が必要で、タンカー、巨大船などは他にも規定有り。
※風で例を挙げたが、潮の流れであり、実際の風が向かい風や追い風でも関係無いので御注意を。
潮流や転流というのは、潮の満ち引きと関係していて、瀬戸内は狭い水道になっているために満潮時に向けて、又は干潮時に向けて流れ込んだり流れ出る時に潮の流れが起きる。
一番早く流れている時を最強(MAX)として潮汐表にその時刻が書かれていて、流れ出る時と入る時とのちょうど合間が転流時刻(slack)となる。いやいやしかし自然ってスゴイな〜(笑)
今は乗ったばかりなので、そんな全てが物珍しく、ほー!へー!などと思いながら調べたり見たりしながら航海しているが、そんなことも当たり前になった時、やっと一人前になれるのかなと少しワクワクしながら楽しく過ごしている。
本当は滅茶苦茶、瀬戸内に来るのにビビってたのは内緒の話です。(笑)
2015年11月29日
船乗りの仕事。転船転船アンド転船
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8月のある日、次のスキルアップのための転船先が大方決まり、1年半ほど乗って慣れた船を離れることになった。
休暇を取る前に、一旦転船してからとのことだったので、早目に部屋の片付けを始めたのだが…。
さすがに1年半も過ごすと、荷物が増えていて夏物冬物の服から生活用品、娯楽品に至るまで110サイズの段ボールが6個!
北海道航路だったのと、部屋が多くて広いこともあり、完全に自室となっていたので持ち帰らず、特に冬のインナーとアウターがかさ張ってしまった。
転船先で必要なものを仕分けて会社へ送り、後は自宅へ。
と、そこまでは良かったのだが。
さぁ明後日は転船!という時になって"待った"がかかった。
他の船で船長が休暇を取れないために代行が必要となり、先に本船の代行がそっちへ応援に行くことになったのだ。
…まぁ、仕方ないね。ということでそのまま休暇を取るまで残留し、休暇明けの転船となった。
そして休暇中。
そろそろ乗船時期となり準備を始めたその日!
「ちょっと緊急で別の船へ応援行ってください。今日行けますか?」
との電話が。
乗船するだけの準備なら直ぐに出来るので承諾したら、
「じゃ、すぐ向かってもらえますか」
てな訳で、縁が無いのかただの人員不足か未だに転船予定の船には辿り着けていない。
冬支度の作業着、他の荷物はもうとっくの前、9月の始めには送っているのに(笑)
年末に転船予定だがどうなることやら。。。

空から見た世界有数の難所来島海峡。
これを通れなきゃ商売になんねぇ!
http://t.co/RR3pGajY43
船乗りの仕事。第2弾-749型コンテナ船の一週間。荷役 船上生活 離着桟
http://t.co/yqvPkRfhy2
8月のある日、次のスキルアップのための転船先が大方決まり、1年半ほど乗って慣れた船を離れることになった。
休暇を取る前に、一旦転船してからとのことだったので、早目に部屋の片付けを始めたのだが…。
さすがに1年半も過ごすと、荷物が増えていて夏物冬物の服から生活用品、娯楽品に至るまで110サイズの段ボールが6個!
北海道航路だったのと、部屋が多くて広いこともあり、完全に自室となっていたので持ち帰らず、特に冬のインナーとアウターがかさ張ってしまった。
転船先で必要なものを仕分けて会社へ送り、後は自宅へ。
と、そこまでは良かったのだが。
さぁ明後日は転船!という時になって"待った"がかかった。
他の船で船長が休暇を取れないために代行が必要となり、先に本船の代行がそっちへ応援に行くことになったのだ。
…まぁ、仕方ないね。ということでそのまま休暇を取るまで残留し、休暇明けの転船となった。
そして休暇中。
そろそろ乗船時期となり準備を始めたその日!
「ちょっと緊急で別の船へ応援行ってください。今日行けますか?」
との電話が。
乗船するだけの準備なら直ぐに出来るので承諾したら、
「じゃ、すぐ向かってもらえますか」
てな訳で、縁が無いのかただの人員不足か未だに転船予定の船には辿り着けていない。
冬支度の作業着、他の荷物はもうとっくの前、9月の始めには送っているのに(笑)
年末に転船予定だがどうなることやら。。。
空から見た世界有数の難所来島海峡。
これを通れなきゃ商売になんねぇ!
2015年10月19日
船乗りの仕事。世代交代。
船乗りの仕事 コンテナ船 内航船 Full Ver.
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船乗りの仕事。第2弾-749型コンテナ船の一週間。荷役 船上生活 離着桟
http://t.co/yqvPkRfhy2
昨今の船員不足は、現実として世代の分布が高齢化の逆ピラミッドとなっている。
定年を過ぎてもまだ需要は絶えずあり、隠居するより仕事している方が退屈しないなんて言いながら、船員生活を続けるおじさん達。
その裏で運輸局の船員課には二次元化されたイマドキなキャラクターが「船員になろう!」と啓発ポスターが掲示されているほど若年層の育成は危急を要している。
事実、商船では二次元ファンには最高の環境を作ることも出来るようだ。某船員によれば個室で光熱費不要というだけで、メリットが充分だそうだ。
話を戻して高齢化。
何よりも懸念事項は、もう引退間近な高齢層がいつまでも退かずにそのポジション、ポストにしがみつく。何故なのか?
大手の船社などは年功序列がため、またはキッチリと段階を踏んでからの職位チェンジとなるため、ある程度は仕方のないところであるかもしれない。
しかし小さな内航船の少人数制で、誰もが何でもやらなきゃって環境の中ではもちろん各自に責任も付きまとう。
立場や発言力の強い者がいい加減にしたり、あれこれ理由を付けて下の誰かに責任をなすりつける様な者もいるのだ。
流石に入ったばかりの新人にイキナリ、お前がチョッサー(C/O)をやれ!
と言われても何が何だか訳も分からない。
しかし長年それを熟してきた熟練の年長者がしっかりとバックアップしてノウハウを叩き込めば、1年から2年でやる気があるならば若年層はある程度習熟する。
もちろん、誰も彼もがそんな高い意識で仕事に向き合ってはいない。しかしできる様になりたい!と思っている人は勝手に努力してどんどん吸収していく。数年のアドバンテージなどあっと言う間に追いつかれてしまう。
50代〜60代の船員の皆さんにお願いしたいのは、スムーズに世代交代をする為、若い世代に任せてやらせる。でもちゃんとそれを見ててやる。間違えたらまた教える。何でそうするかという意味までを教えればそこからまた若いなりの発想で変えていくところもあるわけで。
「もうあんたら若いもんが作っていく時代や」そういう太っ腹な貫禄を期待したいところである。
それが上手くいっている船では20代の船長というのも生まれてきている。
船長という職についてはこれまた仕事だけではなく全くの別物で、人柄や乗員総てに応じながらという大役もあるしその発言や決定は絶対。逆に決めて言うならその言葉の責任も負うこととなる。中途半端な指示は乗員みんなが困るからだ。
しかしそれまでの努力が認められ、乗員を含む周りからも推薦されてそうなるのだろう。
自分はまだそれとは程遠い下々の船員である。少しでも上の負担を軽くできればと任されるように精進あるのみである。
それがしかし仕事を覚える近道で、将来自分がその立場になった時、皮肉にもこういうやり方はせんとこって勉強もできるのだ!

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船乗りの仕事。第2弾-749型コンテナ船の一週間。荷役 船上生活 離着桟
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昨今の船員不足は、現実として世代の分布が高齢化の逆ピラミッドとなっている。
定年を過ぎてもまだ需要は絶えずあり、隠居するより仕事している方が退屈しないなんて言いながら、船員生活を続けるおじさん達。
その裏で運輸局の船員課には二次元化されたイマドキなキャラクターが「船員になろう!」と啓発ポスターが掲示されているほど若年層の育成は危急を要している。
事実、商船では二次元ファンには最高の環境を作ることも出来るようだ。某船員によれば個室で光熱費不要というだけで、メリットが充分だそうだ。
話を戻して高齢化。
何よりも懸念事項は、もう引退間近な高齢層がいつまでも退かずにそのポジション、ポストにしがみつく。何故なのか?
大手の船社などは年功序列がため、またはキッチリと段階を踏んでからの職位チェンジとなるため、ある程度は仕方のないところであるかもしれない。
しかし小さな内航船の少人数制で、誰もが何でもやらなきゃって環境の中ではもちろん各自に責任も付きまとう。
立場や発言力の強い者がいい加減にしたり、あれこれ理由を付けて下の誰かに責任をなすりつける様な者もいるのだ。
流石に入ったばかりの新人にイキナリ、お前がチョッサー(C/O)をやれ!
と言われても何が何だか訳も分からない。
しかし長年それを熟してきた熟練の年長者がしっかりとバックアップしてノウハウを叩き込めば、1年から2年でやる気があるならば若年層はある程度習熟する。
もちろん、誰も彼もがそんな高い意識で仕事に向き合ってはいない。しかしできる様になりたい!と思っている人は勝手に努力してどんどん吸収していく。数年のアドバンテージなどあっと言う間に追いつかれてしまう。
50代〜60代の船員の皆さんにお願いしたいのは、スムーズに世代交代をする為、若い世代に任せてやらせる。でもちゃんとそれを見ててやる。間違えたらまた教える。何でそうするかという意味までを教えればそこからまた若いなりの発想で変えていくところもあるわけで。
「もうあんたら若いもんが作っていく時代や」そういう太っ腹な貫禄を期待したいところである。
それが上手くいっている船では20代の船長というのも生まれてきている。
船長という職についてはこれまた仕事だけではなく全くの別物で、人柄や乗員総てに応じながらという大役もあるしその発言や決定は絶対。逆に決めて言うならその言葉の責任も負うこととなる。中途半端な指示は乗員みんなが困るからだ。
しかしそれまでの努力が認められ、乗員を含む周りからも推薦されてそうなるのだろう。
自分はまだそれとは程遠い下々の船員である。少しでも上の負担を軽くできればと任されるように精進あるのみである。
それがしかし仕事を覚える近道で、将来自分がその立場になった時、皮肉にもこういうやり方はせんとこって勉強もできるのだ!
2015年08月26日
船乗りの仕事。物流業界の前と後ろ
船乗りの仕事 コンテナ船 内航船 Full Ver.
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船乗りの仕事。第2弾-749型コンテナ船の一週間。荷役 船上生活 離着桟
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今や国産よりも海外で企画生産、OEM生産する方がコストは桁違いに抑えられ、利益率の高い商品を高価な材料を使って作るモノ作りとして常識的である。
誰が言ったのか「客は水と仕様変更はタダだと思っている」という言葉に現されるのだが、生産管理担当者はリードタイムに頭を抱えながらもバイヤー(デザイナーや中間業者、商社)からの希望(命令)に沿った品質で且つコストに抑えられるように、少ロットの生産をコントロールしながら日々奮闘されている。
十分余裕のある時期に決定、契約された大量製品ならば良いが、特に少ロット生産の商品は中々順調なことばかりではない。生産ラインが動き出してからの仕様変更などは呆れるほどにザラにある。(笑)
国内の販売時期はあらゆる方面へのタイアップなどがあり、リードタイムはズラせない!と言いながらも細々したコダワリをブン投げてくる(命令)のだ。
生産国によっては、旧正月、国慶節、気候や工員確保の不安定な時期などもあり、その時期が絡むと大幅な遅れが発生することがある。
小さく軽いものなら航空便という手があるが、使えばその物流コストは壮絶に跳ね上がる。
概ね世間一般に輸入と言えば"SHIP"である。
ここからは少しうろ覚え。
国内外の拠点から乙仲さんが工場から港渡し、輸出入通関、さらには検品などを担当し、例えばどのコンテナに何をどれだけで税が幾らです(円建てまたはドル建て)という風に積み込んだ船(または積む予定VESSEL〜)の情報と共にinvoice書類を作成して知らせてきてくれる。
当該国に混乱や気象の変化が無ければ、ある程度予定通りに(この時点で生産管理担当者は若干さばを読んでいることが多い)輸出通関されてshippingとなるわけだ。
※お金の流れは取引形態により、対会社や対銀行によるL/Cなど契約タイミングで遣り取りする。
輸出された商品を積んだコンテナは巨大な船(母船)でおよそ20ktの速度で数日から数週間をかけて日本国内へと運ばれる。
そういった母船は先ず国内の指定港に入港し、輸入通関されてから更に各地の港へ内航船により(或いは直接トレーラーで)ばら撒かれていく。
よくバイヤーさんは工場出荷=納期の様に考えておられ、検品を含む物流の物理的なリードタイムを読み違える。(笑)
じゃあAIR飛ばしますか?でもその物流コストは出して下さいよ!と言って通じるバイヤーさんはほぼいない。散々仕様変更して納期が変わる旨を伝えていてもだ。
※一部、タイアップに合わせて店頭に幾つかだけ用意してと言って条件を飲むバイヤーもいる。
そうなると乙仲さんに生産管理担当者は、納期(通関、shippingなど)を詰めることを依頼するが…変わるわけもなく。
何度も通関日程を聞いてくる担当者いませんか?その裏側には鯖読みが外れて追い詰められたそんな遣り取りがあるのです(笑)
何より、仕様変更は物流コストも含めてタダじゃないってことである。
だから「上がった時が納期だ!」なんて言いたくなるのだ(笑)

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船乗りの仕事。第2弾-749型コンテナ船の一週間。荷役 船上生活 離着桟
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今や国産よりも海外で企画生産、OEM生産する方がコストは桁違いに抑えられ、利益率の高い商品を高価な材料を使って作るモノ作りとして常識的である。
誰が言ったのか「客は水と仕様変更はタダだと思っている」という言葉に現されるのだが、生産管理担当者はリードタイムに頭を抱えながらもバイヤー(デザイナーや中間業者、商社)からの希望(命令)に沿った品質で且つコストに抑えられるように、少ロットの生産をコントロールしながら日々奮闘されている。
十分余裕のある時期に決定、契約された大量製品ならば良いが、特に少ロット生産の商品は中々順調なことばかりではない。生産ラインが動き出してからの仕様変更などは呆れるほどにザラにある。(笑)
国内の販売時期はあらゆる方面へのタイアップなどがあり、リードタイムはズラせない!と言いながらも細々したコダワリをブン投げてくる(命令)のだ。
生産国によっては、旧正月、国慶節、気候や工員確保の不安定な時期などもあり、その時期が絡むと大幅な遅れが発生することがある。
小さく軽いものなら航空便という手があるが、使えばその物流コストは壮絶に跳ね上がる。
概ね世間一般に輸入と言えば"SHIP"である。
ここからは少しうろ覚え。
国内外の拠点から乙仲さんが工場から港渡し、輸出入通関、さらには検品などを担当し、例えばどのコンテナに何をどれだけで税が幾らです(円建てまたはドル建て)という風に積み込んだ船(または積む予定VESSEL〜)の情報と共にinvoice書類を作成して知らせてきてくれる。
当該国に混乱や気象の変化が無ければ、ある程度予定通りに(この時点で生産管理担当者は若干さばを読んでいることが多い)輸出通関されてshippingとなるわけだ。
※お金の流れは取引形態により、対会社や対銀行によるL/Cなど契約タイミングで遣り取りする。
輸出された商品を積んだコンテナは巨大な船(母船)でおよそ20ktの速度で数日から数週間をかけて日本国内へと運ばれる。
そういった母船は先ず国内の指定港に入港し、輸入通関されてから更に各地の港へ内航船により(或いは直接トレーラーで)ばら撒かれていく。
よくバイヤーさんは工場出荷=納期の様に考えておられ、検品を含む物流の物理的なリードタイムを読み違える。(笑)
じゃあAIR飛ばしますか?でもその物流コストは出して下さいよ!と言って通じるバイヤーさんはほぼいない。散々仕様変更して納期が変わる旨を伝えていてもだ。
※一部、タイアップに合わせて店頭に幾つかだけ用意してと言って条件を飲むバイヤーもいる。
そうなると乙仲さんに生産管理担当者は、納期(通関、shippingなど)を詰めることを依頼するが…変わるわけもなく。
何度も通関日程を聞いてくる担当者いませんか?その裏側には鯖読みが外れて追い詰められたそんな遣り取りがあるのです(笑)
何より、仕様変更は物流コストも含めてタダじゃないってことである。
だから「上がった時が納期だ!」なんて言いたくなるのだ(笑)