オオサカジン

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Posted by オオサカジン運営事務局  at 
船乗りの仕事 コンテナ船 内航船 Full Ver.
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船乗りの仕事。第2弾-749型コンテナ船の一週間。荷役 船上生活 離着桟
http://t.co/yqvPkRfhy2

今や国産よりも海外で企画生産、OEM生産する方がコストは桁違いに抑えられ、利益率の高い商品を高価な材料を使って作るモノ作りとして常識的である。

誰が言ったのか「客は水と仕様変更はタダだと思っている」という言葉に現されるのだが、生産管理担当者はリードタイムに頭を抱えながらもバイヤー(デザイナーや中間業者、商社)からの希望(命令)に沿った品質で且つコストに抑えられるように、少ロットの生産をコントロールしながら日々奮闘されている。

十分余裕のある時期に決定、契約された大量製品ならば良いが、特に少ロット生産の商品は中々順調なことばかりではない。生産ラインが動き出してからの仕様変更などは呆れるほどにザラにある。(笑)
国内の販売時期はあらゆる方面へのタイアップなどがあり、リードタイムはズラせない!と言いながらも細々したコダワリをブン投げてくる(命令)のだ。
生産国によっては、旧正月、国慶節、気候や工員確保の不安定な時期などもあり、その時期が絡むと大幅な遅れが発生することがある。
小さく軽いものなら航空便という手があるが、使えばその物流コストは壮絶に跳ね上がる。
概ね世間一般に輸入と言えば"SHIP"である。

ここからは少しうろ覚え。
国内外の拠点から乙仲さんが工場から港渡し、輸出入通関、さらには検品などを担当し、例えばどのコンテナに何をどれだけで税が幾らです(円建てまたはドル建て)という風に積み込んだ船(または積む予定VESSEL〜)の情報と共にinvoice書類を作成して知らせてきてくれる。
当該国に混乱や気象の変化が無ければ、ある程度予定通りに(この時点で生産管理担当者は若干さばを読んでいることが多い)輸出通関されてshippingとなるわけだ。
※お金の流れは取引形態により、対会社や対銀行によるL/Cなど契約タイミングで遣り取りする。

輸出された商品を積んだコンテナは巨大な船(母船)でおよそ20ktの速度で数日から数週間をかけて日本国内へと運ばれる。
そういった母船は先ず国内の指定港に入港し、輸入通関されてから更に各地の港へ内航船により(或いは直接トレーラーで)ばら撒かれていく。

よくバイヤーさんは工場出荷=納期の様に考えておられ、検品を含む物流の物理的なリードタイムを読み違える。(笑)
じゃあAIR飛ばしますか?でもその物流コストは出して下さいよ!と言って通じるバイヤーさんはほぼいない。散々仕様変更して納期が変わる旨を伝えていてもだ。
※一部、タイアップに合わせて店頭に幾つかだけ用意してと言って条件を飲むバイヤーもいる。

そうなると乙仲さんに生産管理担当者は、納期(通関、shippingなど)を詰めることを依頼するが…変わるわけもなく。

何度も通関日程を聞いてくる担当者いませんか?その裏側には鯖読みが外れて追い詰められたそんな遣り取りがあるのです(笑)

何より、仕様変更は物流コストも含めてタダじゃないってことである。
だから「上がった時が納期だ!」なんて言いたくなるのだ(笑)



  

Posted by 大阪の海人  at 18:31Comments(0)仕事人生の航海
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船乗りの仕事。第2弾-749型コンテナ船の一週間。荷役 船上生活 離着桟
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それなりに船乗りとしてのノウハウを身につけてきた今日この頃。少し具体的な内容をシリーズ化して書いてみたいと思う。

先ずは船が岸壁等に係船されていなければ乗船できない!ということで、係船ロープ(以下ホーサー)について。

コンテナ船の場合、なるべく岸壁に固定して船が離れたり前後に動揺しないようにガッチリと係船する。
弛みがほとんど無くてもどうしても動揺して、陸上のガントリークレーンなどがコンテナを積みにくくなってしまうからだ。

岸壁の係船ビットに対して、ホーサーが障害物に接触しない様に係船することも重要だ。



岸壁には車止めが海側の縁に設置されているので、この様に接触しているときにホーサーを巻き締めると車止めを損傷してしまう。(壊したら弁償うん十万円)



そして損傷させるほどの力が懸かるということはホーサーも当然痛む。
ホーサーは何千トンもの船の動揺により張ったり弛んだりを繰り返している。しかし少しの傷で破断の許容が著しく下がり、最悪は一瞬にして切れる。そして切れたホーサーは吹っ飛ぶこともあり人が当たれば即死となる。

そうならないために、接岸時の綱取りをしてくれる人にあらかじめ、なるべくスプライン部を(ツボと言うこともある)上げておいてもらうことで障害物に接触させない様にしておく。それができない場合は荷役の前に本船の船員で一旦弛ませて巻き締め直すなどして取り直すのだ。※荷役開始後では船が岸壁から離れることになり荷役作業員に危険を及ぼすのでやむを得ない場合は荷役を止める。



増しロープを取る時には、ホーサー同士が擦れないようにビットに掛ける。これ自体はそれほど重要視する必要は無いが、やはり動揺により長時間係船しておく場合には少しのことにも気を配る。ホーサーは一本毎に弛みと張りのタイミングが異なり、接触部を少しずつ傷ませてしまう。







大抵の船ではホーサーを傷めないために、必ず何かに接触する部分(ビット、フェアリーダー等)には擦れ止めを施しておく。毎回同じ位置に来るわけではないので極力長い範囲を頑丈なテープで巻き刺して、長持ちさせる様に工夫している。

ホーサーは係船中、特にウネリが入る港では注意が必要。
切れた場合には、船が離れて大きく動揺し、荷役中なら積荷が作業員に当たる他、挟まれてしまう危険が。
跳ね飛んだホーサーが綱取りや荷役作業員、また監視中の本船船員にも当たる危険がある。

しかし常日頃からホーサーを手当てしておけば、未然に防ぐことができる事故なのだ。

但し、船のサイズとホーサーの種類や新旧に大きく関わっているので、一つの例として頭の片隅に留めておいて損は無い。

と言うことで今回はここまで。
次回はそのホーサーの手当てについて更新します。  

Posted by 大阪の海人  at 23:38Comments(2)仕事船上生活考察