2014年03月01日
船乗りの情報源。内航船の航海計画
内航船では運航の計画に以下のような情報を収集する。
航路上の海流で黒潮は本流では最大で2ktほどの影響を受ける。それに伴い到着予定が前後したり、蛇行が大きい時には針路が変わったりする。他にも親潮や本流からの支流や反流、潮汐による干満もあるのでそれも考慮する。
続いて天気図により気圧の傾きの大きさを見る。等圧線が広く離れている時は穏やかな天気。逆に狭く何本も走っている時は気圧傾度が急になると言う。そんな時は風が強く吹き時化るというわけだ。
そうなるとうねりがどの程度か波浪予報を見て出すか留まるかを船長が判断する。予想天気図を見れば何時頃の任意地点での状況がある程度予想でき、風向がわかるので波浪の来る向きが予想できる。それに間に合って逃げ切れるかを判断するのだ。船によっては有料の詳細な地点ごとのポイント予想なども参考にしている。
船体の動揺が、叩く(船体に衝撃が加わり破損する)か、揺れる(大きいと眠れない(笑))のか、積載貨物の内容(フナガタ、荷役プラン)によって重心の位置を調整(オモテ脚、トモ脚、バラストタンクに海水を張るなど)したり、厳重な固縛を要するかの判断をしたり積み地に着くまでに決めて行く。
最近は発生期間が長くなっている台風の進路予想はその時期になると最も重要な情報だ。
又、同時期には気温と海水温の差が濃霧を発生させる。天気図にはFOGと記載されているエリアである。濃い霧は船首マストどころか中央部すら見えない場合もある。
そんな風に順次決めて行きながら運航予定を段取って行く。決定されると横浜港バース情報などに寄港予定が組まれるわけだ。
他には仲間の船の動静を見たりするのにライブ船舶マップなどでマニアックなストーキングをしてみたり(笑)

航路上の海流で黒潮は本流では最大で2ktほどの影響を受ける。それに伴い到着予定が前後したり、蛇行が大きい時には針路が変わったりする。他にも親潮や本流からの支流や反流、潮汐による干満もあるのでそれも考慮する。
続いて天気図により気圧の傾きの大きさを見る。等圧線が広く離れている時は穏やかな天気。逆に狭く何本も走っている時は気圧傾度が急になると言う。そんな時は風が強く吹き時化るというわけだ。
そうなるとうねりがどの程度か波浪予報を見て出すか留まるかを船長が判断する。予想天気図を見れば何時頃の任意地点での状況がある程度予想でき、風向がわかるので波浪の来る向きが予想できる。それに間に合って逃げ切れるかを判断するのだ。船によっては有料の詳細な地点ごとのポイント予想なども参考にしている。
船体の動揺が、叩く(船体に衝撃が加わり破損する)か、揺れる(大きいと眠れない(笑))のか、積載貨物の内容(フナガタ、荷役プラン)によって重心の位置を調整(オモテ脚、トモ脚、バラストタンクに海水を張るなど)したり、厳重な固縛を要するかの判断をしたり積み地に着くまでに決めて行く。
最近は発生期間が長くなっている台風の進路予想はその時期になると最も重要な情報だ。
又、同時期には気温と海水温の差が濃霧を発生させる。天気図にはFOGと記載されているエリアである。濃い霧は船首マストどころか中央部すら見えない場合もある。
そんな風に順次決めて行きながら運航予定を段取って行く。決定されると横浜港バース情報などに寄港予定が組まれるわけだ。
他には仲間の船の動静を見たりするのにライブ船舶マップなどでマニアックなストーキングをしてみたり(笑)

2014年02月28日
船乗りの仕事。本音と建前
船の上では、縦割り社会である。
絶対的決定権は船長(キャプテン)なのは言わずもがなであるが、その範囲は広く責任も重い。
大きくは甲板部(デッキ)と機関部(エンジニア)で別れていてそれぞれの頂点に船・機長。
甲板部にはその下に
一航士(チーフオフィサーでチョッサーと呼ぶ)
次席一航士
二航士(セカンドオフィサー)
次席二航士
三航士(以下略)
次席三航士←ここまでが船舶職員
甲板長(ボースン)
甲板手
甲板員←ここまでは船舶部員
などのランクがある。
機関部にも同様にあるが
機関長(チーフエンジニアでチェンジャーと呼ぶ)
一機士(ファーストエンジニア)
二機士(以下略)
三機士
操機手など
内航船ではこの全てが乗り合わせているわけではないし、船によってはもっと細かくランクがある場合もある。
それぞれの立場で分をわきまえて分担していれば、船の運行は通常通りスムーズである。
総トン数749型の船舶までは上記のうち5人しかおらず、更に小さい船では3人で運行しているものもある。
そして人間が乗っている以上、立場を越えた考えや意見を出すこともあれば逆に意見を求めたり、相談することもある。
天候に左右されて変更になったり、故障のため人手が必要になったり当然の臨機応変な対応をしていく。
ここまではあくまで建前上のおキレイなお話。(笑)
中には自分の立場を守るため、コントロールできる上司を据える輩がいたり、その立場を利用して下に理不尽を押し付ける輩がいる。
良い人ばかりじゃないのである。
仕事がたいしたことないという人は見ているとわかる。
二度手間というか先を見てないというか、目先だけで仕事をつくる人。意味なく仕事をしているふりをする又は全くしない。
でもできる人だとちょっと厄介。皆がその人に振り回されることになったりする。
たった一人、変な職員がいると船内は大きく変わる。
そのことを本人だけは知らないのだ。
皆がその人の休暇を待っているのを(笑)
※ノンフィクションではあるが、すべてがそうではありません。良い人ばかりの船もありますよ!それに乗れるかは運です。

絶対的決定権は船長(キャプテン)なのは言わずもがなであるが、その範囲は広く責任も重い。
大きくは甲板部(デッキ)と機関部(エンジニア)で別れていてそれぞれの頂点に船・機長。
甲板部にはその下に
一航士(チーフオフィサーでチョッサーと呼ぶ)
次席一航士
二航士(セカンドオフィサー)
次席二航士
三航士(以下略)
次席三航士←ここまでが船舶職員
甲板長(ボースン)
甲板手
甲板員←ここまでは船舶部員
などのランクがある。
機関部にも同様にあるが
機関長(チーフエンジニアでチェンジャーと呼ぶ)
一機士(ファーストエンジニア)
二機士(以下略)
三機士
操機手など
内航船ではこの全てが乗り合わせているわけではないし、船によってはもっと細かくランクがある場合もある。
それぞれの立場で分をわきまえて分担していれば、船の運行は通常通りスムーズである。
総トン数749型の船舶までは上記のうち5人しかおらず、更に小さい船では3人で運行しているものもある。
そして人間が乗っている以上、立場を越えた考えや意見を出すこともあれば逆に意見を求めたり、相談することもある。
天候に左右されて変更になったり、故障のため人手が必要になったり当然の臨機応変な対応をしていく。
ここまではあくまで建前上のおキレイなお話。(笑)
中には自分の立場を守るため、コントロールできる上司を据える輩がいたり、その立場を利用して下に理不尽を押し付ける輩がいる。
良い人ばかりじゃないのである。
仕事がたいしたことないという人は見ているとわかる。
二度手間というか先を見てないというか、目先だけで仕事をつくる人。意味なく仕事をしているふりをする又は全くしない。
でもできる人だとちょっと厄介。皆がその人に振り回されることになったりする。
たった一人、変な職員がいると船内は大きく変わる。
そのことを本人だけは知らないのだ。
皆がその人の休暇を待っているのを(笑)
※ノンフィクションではあるが、すべてがそうではありません。良い人ばかりの船もありますよ!それに乗れるかは運です。

2014年02月23日
船乗りの仕事。骨折り儲け
仕事の段取りは、陸と海とに関わらず計画的に効率良く進めるのが理想である。
その仕事を完了させるための一連の流れに沿って下準備(根回し)がどこまでされているかがカギとなる。
スマートに時間通りに、そしてその進捗を点検までできる余裕を持って。
但し!
海上は自然を相手に仕事をするため度々天候に左右される。
大きく影響するものとして低気圧の接近。
風向と風力、波やうねりの向き、雨や雪、気温や湿度などによって下準備がなかったことになる。(笑)
思ったより険悪な天候に見舞われる場合はすべての仕事がキャンセルされることも。
それでもその変化が緩い場合に備えて下準備が必要なのだ。
海上での風、波は天気予報で報道されている。
低気圧が日本列島を通過しない場合にはそれほど騒がないが、陸上での影響が少ないからであろう。
しかし、日本海や太平洋の洋上を通過して行く低気圧は、海上での影響が非常に大きいことを知っていただきたい(笑)
安全を預かり輸送するという大義名分は絶対。
それに直接的に関わる人の健康も絶対。
無理を通して大事が起きる時は命に関わるのがこの仕事である。
ご安航を!!


その仕事を完了させるための一連の流れに沿って下準備(根回し)がどこまでされているかがカギとなる。
スマートに時間通りに、そしてその進捗を点検までできる余裕を持って。
但し!
海上は自然を相手に仕事をするため度々天候に左右される。
大きく影響するものとして低気圧の接近。
風向と風力、波やうねりの向き、雨や雪、気温や湿度などによって下準備がなかったことになる。(笑)
思ったより険悪な天候に見舞われる場合はすべての仕事がキャンセルされることも。
それでもその変化が緩い場合に備えて下準備が必要なのだ。
海上での風、波は天気予報で報道されている。
低気圧が日本列島を通過しない場合にはそれほど騒がないが、陸上での影響が少ないからであろう。
しかし、日本海や太平洋の洋上を通過して行く低気圧は、海上での影響が非常に大きいことを知っていただきたい(笑)
安全を預かり輸送するという大義名分は絶対。
それに直接的に関わる人の健康も絶対。
無理を通して大事が起きる時は命に関わるのがこの仕事である。
ご安航を!!


2014年01月01日
新年明けましておめでとうございます。
2014年は横浜港での汽笛吹鳴からスタートしました。
本年もよろしくお願い致します。

本年もよろしくお願い致します。

2013年12月18日
船乗りの仕事。突然の転船
休暇も明けて間も無く乗船という頃。
日程も決まり、最後の休暇を満喫しようと予定を色々詰め込み、そのまま乗船予定で荷物をまとめて大阪を出た。
その日の夜、日程確認を本船に取ったところ変更なしとの回答。
が、しかし!
夜中になって、本船からの電話。
転船の下命がありそうだと。
いや、もう予定組んで出てるんですが…
休暇を少し延長するから他の船に行ってくれという内容。帰れと。戻れと。
翌日、慌てて会社と連絡を取り合い、現時点での状況を説明。
転船先の船の動静も確認でき、上手い具合に船が変わるが予定通りしっかり遊んだ後、乗船することができた。
しかし、荷物も持って出てるのに一旦帰るとか、んなアホな!殺生な話になるところだった。
急遽変更になったのには、職員が一人急に退職したため、人員のはめ込みがバランスを崩した模様。
自分はまだまだ修行中の身だが、この業界、技術を習得していれば引く手数多である。
そして今回バタバタした転船先の船は新しく環境も非常に良い。
初心で勉強に励みたいところだ。

日程も決まり、最後の休暇を満喫しようと予定を色々詰め込み、そのまま乗船予定で荷物をまとめて大阪を出た。
その日の夜、日程確認を本船に取ったところ変更なしとの回答。
が、しかし!
夜中になって、本船からの電話。
転船の下命がありそうだと。
いや、もう予定組んで出てるんですが…
休暇を少し延長するから他の船に行ってくれという内容。帰れと。戻れと。
翌日、慌てて会社と連絡を取り合い、現時点での状況を説明。
転船先の船の動静も確認でき、上手い具合に船が変わるが予定通りしっかり遊んだ後、乗船することができた。
しかし、荷物も持って出てるのに一旦帰るとか、んなアホな!殺生な話になるところだった。
急遽変更になったのには、職員が一人急に退職したため、人員のはめ込みがバランスを崩した模様。
自分はまだまだ修行中の身だが、この業界、技術を習得していれば引く手数多である。
そして今回バタバタした転船先の船は新しく環境も非常に良い。
初心で勉強に励みたいところだ。

2013年11月15日
船上生活。食料費は余る?
司厨長がいない内航船上では、自炊して食事をする。中には当番でみんなの分を作ってそれぞれで食べる場合もあるが、本船では各自自炊方式。
船乗りとして、海上勤務している間は以下の法律が定められている。
船員法 第八十条
船舶所有者は、船員の乗船中国土交通省令の定めるところにより、これに食料を支給しなければならない。
これは船員の特典の一つ。自分の会社では給料と別に食費が支給されるので、余程わけのわからない高級食材ばかり買わなければひもじい思いをすることはない。
中には使い込む人もいるわけだが…
※船によって、航行区域が平水に指定されていたり、その他の事由により船員法では無く労働基準法に当てはまる場合は適用されない。
幸い、自分は陸上で料理に関する仕事も経験があるので、食材を仕入れれば好きなものを作ることができる。
厨房もそれなりにしっかりした機器が揃っている。
気力次第では、お菓子作りも可能だ。
趣味の範囲での料理は、完成して美味しくできた時に胃袋の満足感と共にストレスの解消にもなる。
面倒な時はもっぱらレトルトに成り下がるわけではあるが…



船乗りとして、海上勤務している間は以下の法律が定められている。
船員法 第八十条
船舶所有者は、船員の乗船中国土交通省令の定めるところにより、これに食料を支給しなければならない。
これは船員の特典の一つ。自分の会社では給料と別に食費が支給されるので、余程わけのわからない高級食材ばかり買わなければひもじい思いをすることはない。
中には使い込む人もいるわけだが…
※船によって、航行区域が平水に指定されていたり、その他の事由により船員法では無く労働基準法に当てはまる場合は適用されない。
幸い、自分は陸上で料理に関する仕事も経験があるので、食材を仕入れれば好きなものを作ることができる。
厨房もそれなりにしっかりした機器が揃っている。
気力次第では、お菓子作りも可能だ。
趣味の範囲での料理は、完成して美味しくできた時に胃袋の満足感と共にストレスの解消にもなる。
面倒な時はもっぱらレトルトに成り下がるわけではあるが…



2013年10月22日
船上生活。自由時間?!
当直以外の時間の過ごし方は、もちろんそれぞれ趣味に講じたりすることもできる。
テレビを見るのが好きな人もいるし、当直に支障の出ない程度に酒と肴を楽しんだり、料理やお菓子を作ってみたり、インターネットで陸上との交流をしたり、航海中はあまりしないがアンカー中や荷役の合間で釣りをしたり。
船によっては、全国各地で接岸し、上陸して買い物をすることができる。一晩の泊まりなんてことになればパチンコに出かける人や盛り場で飲んで回ったり。出航直前まで帰ってこない人もいるとかいないとか。
各地で手に入るものや情報があり、楽しみ方は十人十色。
実際のところ、上陸有りきでの楽しみが最も大きいんですけどね。

テレビを見るのが好きな人もいるし、当直に支障の出ない程度に酒と肴を楽しんだり、料理やお菓子を作ってみたり、インターネットで陸上との交流をしたり、航海中はあまりしないがアンカー中や荷役の合間で釣りをしたり。
船によっては、全国各地で接岸し、上陸して買い物をすることができる。一晩の泊まりなんてことになればパチンコに出かける人や盛り場で飲んで回ったり。出航直前まで帰ってこない人もいるとかいないとか。
各地で手に入るものや情報があり、楽しみ方は十人十色。
実際のところ、上陸有りきでの楽しみが最も大きいんですけどね。

2013年09月02日
船乗りの仕事。勤務時間
基本的な船上勤務時間。
先ず一日を12時間毎に二つに区切る。そしてその12時間を3つに分けて各時間を担当者が航海する。
00時から04時は2航士でゼロヨンワッチ。
04時から08時は1航士でヨンパーワッチ。
08時から00時は船長でパーゼロワッチ。
以降はその時間を各担当者が受け持つ訳で、4時間仕事して8時間休憩を一日に2クール。休憩時間に自分の生活に関すること、例えば食事、風呂、洗濯などをする。
あくまで基本なので船によっては変則ワッチがあったり効率良く時間を使わないと寝る時間が無かったりする。接・離岸のスタンバイは全員でするし、荷役の積卸しも各部署で担当があるとその時間は仕事をしなければならないからだ。
自分の担当ワッチ時間と荷役時間がタイミング良く重なるとラッキーだが、ちょうど休憩時を跨ぐことになる場合も多々ある。特に1航士は長い一日となることが多い。
そして連日してそういう日が続く船もある。いや、むしろそういう日しかない船もある。
先ず一日を12時間毎に二つに区切る。そしてその12時間を3つに分けて各時間を担当者が航海する。
00時から04時は2航士でゼロヨンワッチ。
04時から08時は1航士でヨンパーワッチ。
08時から00時は船長でパーゼロワッチ。
以降はその時間を各担当者が受け持つ訳で、4時間仕事して8時間休憩を一日に2クール。休憩時間に自分の生活に関すること、例えば食事、風呂、洗濯などをする。
あくまで基本なので船によっては変則ワッチがあったり効率良く時間を使わないと寝る時間が無かったりする。接・離岸のスタンバイは全員でするし、荷役の積卸しも各部署で担当があるとその時間は仕事をしなければならないからだ。
自分の担当ワッチ時間と荷役時間がタイミング良く重なるとラッキーだが、ちょうど休憩時を跨ぐことになる場合も多々ある。特に1航士は長い一日となることが多い。
そして連日してそういう日が続く船もある。いや、むしろそういう日しかない船もある。
