2014年12月19日
船乗りの仕事。業務と福利
今回は少し、船乗りのメリットについて。
デメリットはこの内容の裏側を洞察して頂きたい。
通勤
1分(自宅から乗船地、港までは適宜で交通費全額支給だが乗ってしまえば部屋から現場まで階段のみ)
航海(基本。細かい規定は割愛)
甲板部三交代制(当直は各担当4時間2クール)
0-4 二航士
4-8 一航士
8-0 船長
機関部6時間二交代制(出航時間から。うち2時間は休憩)
※高度船舶導入船は2人で8時間勤務となり夜間は休憩
航海開始が例えば、14時出航ならば、
甲板部は0-4の当直者が16時までを担当。
機関部は14時からの6時間で交代となる。
※高度船舶導入の機関部は17時閉店。
※離接岸時は全員、錨泊作業は当直者及び船長。
作業(航海とは別に行うもの)
朝8時から昼3時くらいまで(最大としている。大抵昼までだが船による)
内容
維持、保守、その他全般(船体ペンキ塗り、ロープの手入れ、加工、清掃など)
残業手当
会社規定による。組合船などは8時間を超えて業務に携わる場合、残業手当が付く(らしい)
生活
冷暖房、BSテレビ、録画再生機完備完全個室。
光熱費不要。
消耗品支給(ティッシュ、石鹸、トイレットペーパー、シャンプーなど)
食事付き(各自食料金が支給され材料仕入れて作る。米や調味料は共同購入。または船舶調理師が作ってくれる)
嗜好品(タバコや酒は基本自己負担)
福利としてNET環境、Wi-Fiが設置されている船もある(皆んなで使うので必然的にトラフィック負荷が重くなる)
娯楽は各自持ち込みなど。基本的に各自室の設備を追加設置は自由。
休み(給料は支給される)
会社規定による(年間休日として3ヶ月/1ヶ月や2ヶ月/20日などで休暇中は基本給のみの会社もある。余りは翌年繰越で休める)
その他の休み
ひと月に1回から2回ほどの仮バースがあり、上陸して出かけることができる(上長によるが仮バース時に作業することもある)
※この休みは補償されていないため無い船は滅多にない。
病気、怪我
これは無いに越したことはないが、緊急を要する場合というのはどうしても発生するものだ。
乗船中の怪我は労災保険が適用される。
また、頭痛や風邪などは船内に備え付けの常備薬で対応できる。
脳卒中や心筋梗塞など重大な疾病の場合には、無線による医療助言を受けたり(現在では医療機関との電話で対応することになっている)緊急接岸して救急搬送することもある。
もっと可及的速やかに搬送する必要がある場合は保安庁のヘリを要請する。
緊急ではなく休暇中に治療出来る疾病や故障の場合、療養証明書を会社から発行してもらい治療することができる。船員保険により最大3ヶ月間、入院や手術に至るまで医療負担は全額補償される。
他にも資格取得の負担を会社が持って、取得手当が支給されることもある。
これらが手厚いと思う方もあれば、やっぱり家に帰れないのが痛いと考える方もあるだろう。
会社によって規定や捉え方も様々なので一部違うこともある。
その辺はよく話を聞いて確認されることをお勧めします。
2014年12月13日
船上生活。自分の常識他人の非常識。
自分は40歳の手前で一念発起して船乗りとなったのだが、早くも船員手帳には経歴が4つの船で記載されている。
と言っても、同じ会社内での転船履歴がほとんどで、新6級海技士の航海実習を含めると5つ目の船。
そしてもちろん各船の船長、機関長、船員はそれぞれであり、関わる人を含めると延べ数十人と出会い、同じ釜の飯を文字通り食べてきたわけである。
過去の記事にも書いたが、船の中で一緒に生活をするということはほぼ、自分というアイデンティティを曝け出して過ごすこと。
その個性がある程度船の中で認められコミュニティーとして成り立たなければ、快適な船上生活にならなくなる。
船に乗り始めは掃除が主な仕事として与えられ、他の仕事はその船でのやり方に沿って…もっと言えば、その船に乗るその他の人の好みに合わせてするのがセオリー。
仕事はさておき、生活となるとプライベートな個性が剥き出しとなるわけで、その他の全員から見られている。
いや、実際に監視されているわけではないが、言動などから人となりが見えてくるわけだ。
で、悪く言えば気にくわないと小言を言われたりする。
自分はさすがに余り言われることはない(いい歳ですからねぇ)のだが、何度か変な言いがかりをつけられたことがある。
朝それで良いって言ってたのに夕方ダメだやり直せとか(笑)
言ってくる人は一貫性の無いダブスタだったのだ。
気をつけないといけないのはこう言うダブルバインドに嵌められること。こういう事案が続くとこちらの思考を停止させられてしまう。
インパクトのある正反対の命令や、感情的な関わりで無意識にコントロールされていくことで気が病む。
対策としては、
なぁにそのうち免疫がつく。
ではなく、何もかもを真面目に聞き入れ過ぎずある程度スルーすること。そしてその案件を他の船内の誰かにも話して聞いてもらうこと。
船内にいないなら会社にでも。
それによって理解してくれる人があれば逃げ道が出来る。
船内の事案は船内で収めるのがベスト。
究極は船から降りるという選択もある。
しかし、くれぐれも無断で船から逃げ出して音信不通にならないように…。
※2014年11月に新人が無断で逃げ出して保安庁や警察沙汰になる行方不明騒ぎがあった。
船に乗ってすぐの新人は、先ず仕事を覚えることが一番。その姿勢による見られ方をする。下手は良いが雑はダメ。それだけですべてを否定される場合もある。
しかし!
受け身ばっかりではない。
こっちも「見ている」一人なのである。
ちゃーんと見てるぞ!(笑)
2014年12月03日
船乗りの仕事。そしてまた歴史は続いていく。
就航から一年が経ち、いろいろなことがありました。
新たに加わったメンバーと、転船していったメンバー。
しかし何とか大きな事故や怪我は無く、無事に現在に至る。
それぞれの一年だったと同時に、みんなでやってきた一年でもある。
世間では流行語大賞が発表されたが、本船でもマイノリティーながら
2014"みんなの流行語録集を発表します。
大賞
俺のことDisってんすか!
(二航士と機関長の会話より)
特別賞
孤独死待った無し…
(某氏が伴侶を切望するあまりの発言から)
2位
さばからん!
(不甲斐ない仕事ぶりに戦々恐々である様)
3位
大丈夫せんが。
(真顔で)
4位
良かってぇ!
(適当)
5位
せやろがい!
(お、おう)
6位
ダメよ〜!
(数年前からパクってました)
7位
あ、ホントだ!岸壁が歪んでるぅ…
(そんなヤツおらんやろ)
8位
気合い入れろ!!
(気合いと根性!!)
9位
何やってんだよ〜
(某岸壁綱取りより不甲斐ない…以下同文)
10位
ザンギ
(銀座をザギンと言うのを誤発言して)
ランク外
べんじょう
(えっ!?…便乗を誤読するなんてまさか)
んだんだんだんだ!
(何回言うねん)
以上になります。
チャンチャン♫

新たに加わったメンバーと、転船していったメンバー。
しかし何とか大きな事故や怪我は無く、無事に現在に至る。
それぞれの一年だったと同時に、みんなでやってきた一年でもある。
世間では流行語大賞が発表されたが、本船でもマイノリティーながら
2014"みんなの流行語録集を発表します。
大賞
俺のことDisってんすか!
(二航士と機関長の会話より)
特別賞
孤独死待った無し…
(某氏が伴侶を切望するあまりの発言から)
2位
さばからん!
(不甲斐ない仕事ぶりに戦々恐々である様)
3位
大丈夫せんが。
(真顔で)
4位
良かってぇ!
(適当)
5位
せやろがい!
(お、おう)
6位
ダメよ〜!
(数年前からパクってました)
7位
あ、ホントだ!岸壁が歪んでるぅ…
(そんなヤツおらんやろ)
8位
気合い入れろ!!
(気合いと根性!!)
9位
何やってんだよ〜
(某岸壁綱取りより不甲斐ない…以下同文)
10位
ザンギ
(銀座をザギンと言うのを誤発言して)
ランク外
べんじょう
(えっ!?…便乗を誤読するなんてまさか)
んだんだんだんだ!
(何回言うねん)
以上になります。
チャンチャン♫
2014年12月01日
船乗りの仕事。※
船乗りは一年のうち、凡そ9ヶ月を船で過ごす。2カ月の乗船期間と3週間の休暇を巡りながら一年の季節が過ぎていく。
自分は乗っている間、定期航路を一週間のスケジュールでこなしていく船である。
毎週、基本の港は同じなため、代わり映えが無く、景色も天候で変わる以外は四季の彩りがあるくらいで正直なところ飽きてくる(笑)
そして、コンテナ船の場合、悪天候やよっぽどスケジュールの空きができない限り仮バースというイベントも少ない。
休暇が明けて、元気いっぱいになって乗船しても、ひと月もすると疲れが溜まってくる。それを過ぎると惰性となり、次の休暇が待ち遠しくなるのはもう、言わずもがなである。
乗船中、停泊して一晩を過ごすことがある。若い頃なら悦び勇んで街にでも繰り出して行くのであろうが、乗船期間も半ばを過ぎるとその気力も削がれてしまう(笑)
同乗の若人達は流石!正に悦び勇んで降りていく。時々、それに付いて行くのだが、出ると不思議と元気になるのはデフォルトである。しかし!翌日が…辛たん(笑)
そんなこんなでオッさんになったなぁ〜と、そんなところでも感じる40歳。もうすぐ41なのだが、年々衰えを体とともに気力でも感じる今日この頃である。
※但し、休暇中を除く。(超絶元気)
2014年10月29日
船上生活。休暇も終わりの切替。
船乗りの最大のメリットであるまとまった休暇。
自分の会社(船)では3週間の休暇が原則で動静の日程がちょうど合う。
休暇の間は派手に遊んで散財し、また乗船中は大人しくして次の休暇に備えてエネルギー(お金とか諸々)を貯めておく。
今回はあまり遠出はせずに、身体のリフレッシュを主にして過ごしたが、仲間の船乗りとの交流を大阪ですることができた。
同時期に休暇になる仲間と事前に連絡を取り合って日程を調整。各々の情報交換し合う貴重な時間である。
そんなこんなで過ごしながら休暇の終わりが近づいてまた乗船となるわけだが、同乗の仲間にある程度先に船内の情報をもらって気持ちの切り替えをしておく。
半年前や前回の休暇の乗船前はかなり気が張っていたが、今回は色々と心の余裕ができたこともあり割とスムーズに乗り込むことができた。
いつも通り。確実に。
船乗りの仕事とはその繰り返しである。
その中に新たな試みや既知以外の対応として応用していくのである。
でも。それはそれ。
乗船したら、既に次の休暇を考えて楽しみで仕方ないのが本音ですわね(笑)
予定が決まっているとモチベーションも上がるってもんです。
そこの切替はもう。言わなくてもわかります(笑)

自分の会社(船)では3週間の休暇が原則で動静の日程がちょうど合う。
休暇の間は派手に遊んで散財し、また乗船中は大人しくして次の休暇に備えてエネルギー(お金とか諸々)を貯めておく。
今回はあまり遠出はせずに、身体のリフレッシュを主にして過ごしたが、仲間の船乗りとの交流を大阪ですることができた。
同時期に休暇になる仲間と事前に連絡を取り合って日程を調整。各々の情報交換し合う貴重な時間である。
そんなこんなで過ごしながら休暇の終わりが近づいてまた乗船となるわけだが、同乗の仲間にある程度先に船内の情報をもらって気持ちの切り替えをしておく。
半年前や前回の休暇の乗船前はかなり気が張っていたが、今回は色々と心の余裕ができたこともあり割とスムーズに乗り込むことができた。
いつも通り。確実に。
船乗りの仕事とはその繰り返しである。
その中に新たな試みや既知以外の対応として応用していくのである。
でも。それはそれ。
乗船したら、既に次の休暇を考えて楽しみで仕方ないのが本音ですわね(笑)
予定が決まっているとモチベーションも上がるってもんです。
そこの切替はもう。言わなくてもわかります(笑)

2014年09月30日
船乗りの休暇。立つ鳥はフン塗れにして行く←

2か月と少しの乗船を終えて、今日晴れて休暇と相成りました。
休暇前は、長い生活に少しずつ着替えだの食料だの物が増えて、片付けに追われる(某提督氏はまさにこれw)と言う人も多いが、自分の場合は、2時間くらいで綺麗になる。
以前はもっと持ち物が少なく、立つ鳥跡を濁さずの如く、下船する時には季節毎の乗船になるのもあってすべて持ち帰っていた。そのため船長から「辞める気か?」なんて要らぬ心配をさせたことも(笑)
まぁその心配をよそに「思い当たる節があるのか?」と言う疑問もありながら、単に荷物が少ないだけだったのだが。
実際、何か緊急で誰かが部屋を使うことになっても良いように増えた荷物を詰め込んでおくだけだ。結局のところ何時の間にか増えに増えて箱5つにまでなってしまったが(笑)
しかし、羽根を休めに群れで襲来して来る海鳥。立つ鳥はフン塗れにして行くのが現実である。
ちょっと飛び立ってからしろと。少しガマンしてからやれと。注意したい。言ってやりたい。誰が洗い流してるかと。何なら小一時間ほど問い詰めてやりたい(笑)
何はともあれ、今回の休暇はノープラン。3週間何をして過ごしましょうかね〜。
2014年07月31日
船乗りの仕事。イチカラヒャクマデ
休暇が終わるころ、乗船の指示が電話で通知される。
乗船したら、その日から滞りなく運行に携わるわけで、仕事として集中して熟す必要がある。
休みボケしていると、それこそ危険や意思の疎通が図れずに運行に支障を来たす原因にもなりうる。
船に関して、一から百まで全てとまでは全く届きはしないが、分かる範囲、学んだことを応用し、常に次の仕事を考えておくことでスムーズに進捗させて行く。
ひと乗船ごとに経験値アップしているのは、ある程度自己分析できるが、自分の船についての全てを把握できるところまではまだまだ遠すぎる。
足りない部分は先輩方が補ってくれ、まだまだやな〜と自覚することが毎日あるが、いつか一人前の船乗りと認めてもらえる様に精進するのみである。
ある先輩の一言で
チョッサーっちゅうんは一から百まで全部わかってないとな〜
と。
船長の右腕である立場であれば当然そうなるんで、人も船も全てと言う意味になるんやろな〜。
しかし、あんまり先のこと考えると気が遠くなりそうなんで、目先の運行プラスちょっと先くらいを今はしっかりやるのが自分のできること。先輩の一言は心に留めてひとつひとつ進めていきたい今日この頃です。

乗船したら、その日から滞りなく運行に携わるわけで、仕事として集中して熟す必要がある。
休みボケしていると、それこそ危険や意思の疎通が図れずに運行に支障を来たす原因にもなりうる。
船に関して、一から百まで全てとまでは全く届きはしないが、分かる範囲、学んだことを応用し、常に次の仕事を考えておくことでスムーズに進捗させて行く。
ひと乗船ごとに経験値アップしているのは、ある程度自己分析できるが、自分の船についての全てを把握できるところまではまだまだ遠すぎる。
足りない部分は先輩方が補ってくれ、まだまだやな〜と自覚することが毎日あるが、いつか一人前の船乗りと認めてもらえる様に精進するのみである。
ある先輩の一言で
チョッサーっちゅうんは一から百まで全部わかってないとな〜
と。
船長の右腕である立場であれば当然そうなるんで、人も船も全てと言う意味になるんやろな〜。
しかし、あんまり先のこと考えると気が遠くなりそうなんで、目先の運行プラスちょっと先くらいを今はしっかりやるのが自分のできること。先輩の一言は心に留めてひとつひとつ進めていきたい今日この頃です。

2014年06月22日
船乗りの仕事。なめたらあかん。
船乗りになるためには、先ず資格取得が必須である。
航海術、法規、運用、機関、電気などがそれであるが、資格を取るための学習であって実務での内容には乏しい。
実際に一年生船員は、全居住区内の清掃から始まり、船によっては米や調味料などの食料管理、洗剤や食器など生活用具を含む在庫の管理、当直、作業全般に関わって非常に多忙になる。
早く要領をつかんで憶えてしまえば簡単なルーティーンであるが、変則的で不規則な環境で流動的に熟さねばならない。
これらによる効果は、きめ細かく気遣うことを培うという大義名分だ。
修行中の身であると言っても、全般に関わる中で、作業中の危険というとこれは即いのちに関わることが多い。
死なずとも重傷を負うと思って間違いない。
しかし気を張っていれば予測は可能なことばかりである。
主にデッキでの仕事で重要なところを少しだけ抽出すると以下がある。
入出港時、係船時に使用するロープ(ホーサー)は破断しそれが当たると人の身体は簡単に叩き潰され吹き飛ぶ。
延長線上は特に必要以上に近寄らないこと。マメにロープの擦れや傷を点検し見つけたら直ぐに手当てする。
追記:ホーサードラムを作動中停止中に関わらず、甲板上にコイルされているホーサーの中に足を入れない。繰り出しや巻き込み時、足に巻きつき引き込まれ死亡事故が発生している!
ウインドラス(油圧式、電動式巻き取り機)は何かの拍子に手足が巻き込まれたりした場合停止できなければ圧死することがある。
レバー操作は十分注意すること。クラッチの状態やブレーキを確実に確認する。
貨物、ロープ、道具などで手足を挟んで断裂することがある。
動くものの隙間などに安易に手足を入れないこと。船が揺れて、重みで傾いて、何かの拍子に動く場合がある。
他にも不慮の事態が起こり得ると常に予測ができれば、何が危険か、どこは危ないか、どんな時にどうすればいいかと気を配れるようになる。
そんなこと言ってたら仕事にならない。という先輩も中にはいるが、自分の身を守れるのは自分しかいない。
逆らってそれは危険だからできないというのではなくて、対策や措置を施して安全に作業、運航できるよう、常に気を張って仕事に励むしかない。
それが身についてくると、危険な行動をとる他人にも目が行くようになり、いつもと違う違和感を感じ取れるようになる。
ホンマ、なめたらあかん。しかしそのうち第六感まで感じられるようになるかも?
航海術、法規、運用、機関、電気などがそれであるが、資格を取るための学習であって実務での内容には乏しい。
実際に一年生船員は、全居住区内の清掃から始まり、船によっては米や調味料などの食料管理、洗剤や食器など生活用具を含む在庫の管理、当直、作業全般に関わって非常に多忙になる。
早く要領をつかんで憶えてしまえば簡単なルーティーンであるが、変則的で不規則な環境で流動的に熟さねばならない。
これらによる効果は、きめ細かく気遣うことを培うという大義名分だ。
修行中の身であると言っても、全般に関わる中で、作業中の危険というとこれは即いのちに関わることが多い。
死なずとも重傷を負うと思って間違いない。
しかし気を張っていれば予測は可能なことばかりである。
主にデッキでの仕事で重要なところを少しだけ抽出すると以下がある。
入出港時、係船時に使用するロープ(ホーサー)は破断しそれが当たると人の身体は簡単に叩き潰され吹き飛ぶ。
延長線上は特に必要以上に近寄らないこと。マメにロープの擦れや傷を点検し見つけたら直ぐに手当てする。
追記:ホーサードラムを作動中停止中に関わらず、甲板上にコイルされているホーサーの中に足を入れない。繰り出しや巻き込み時、足に巻きつき引き込まれ死亡事故が発生している!
ウインドラス(油圧式、電動式巻き取り機)は何かの拍子に手足が巻き込まれたりした場合停止できなければ圧死することがある。
レバー操作は十分注意すること。クラッチの状態やブレーキを確実に確認する。
貨物、ロープ、道具などで手足を挟んで断裂することがある。
動くものの隙間などに安易に手足を入れないこと。船が揺れて、重みで傾いて、何かの拍子に動く場合がある。
他にも不慮の事態が起こり得ると常に予測ができれば、何が危険か、どこは危ないか、どんな時にどうすればいいかと気を配れるようになる。
そんなこと言ってたら仕事にならない。という先輩も中にはいるが、自分の身を守れるのは自分しかいない。
逆らってそれは危険だからできないというのではなくて、対策や措置を施して安全に作業、運航できるよう、常に気を張って仕事に励むしかない。
それが身についてくると、危険な行動をとる他人にも目が行くようになり、いつもと違う違和感を感じ取れるようになる。
ホンマ、なめたらあかん。しかしそのうち第六感まで感じられるようになるかも?

2014年04月30日
船乗りの仕事。できるかできないか
船乗りを職として自分も1年が過ぎた。
実に内容の濃い、良いこともしんどいことも咄嗟の出来事も豊富な1年。
しかしこの船乗りという仕事。
真面目にやっても簡単になんでもできるようになるものでは無い。
ケースバイケースの処理がそれほど頻繁にないために、ひと航海毎に一度か二度ずつしか学べないからだ。
手元の作業の一つでロープワークがあるが、これだけは時間を作って自分で練習できる。が、それ以外は練習ができる緩い世界では無い。
やりながら手順を確認して確実に身体に覚えさせるのにしても、いつでも真剣勝負の本番である。
寛大に認めて、意味や要領良く熟す方法を近道で教えてくれた船長や上司には本当に感謝である。
中には黙って仕事を見せることで自分で学べというスタンスの人もあれば、ただ人を貶したり、自分の思い通りにすることだけに拘る人もあり、先ずは結局のところ人間同士の関係に終始対応に追われる日々もあった。
大の大人が乗り合わせる船の世界だが、仕事はチームワークが重要なファクターとなる。
そのチームワークがこなし切れるかどうかは、もちろん理解力も必要で、そのポジションでの臨機応変な対応は個々の力量も計られる。
ただ言われるオーダーを熟す立場から一段高く、言われる前にそこへ辿り着く。
そうできなければ、大袈裟ではなく、大事に至ることもある。
表面上の見える仕事から、意味のある仕事にするためには、視野を広く眺め、自分で分析して先に気づくことが肝要だ。
効率、時間、設備、トラブル、人。
優先順位と何よりも、船の運行。
しかし精度を高めるためにはまだまだ時間がかかりそうだ。

実に内容の濃い、良いこともしんどいことも咄嗟の出来事も豊富な1年。
しかしこの船乗りという仕事。
真面目にやっても簡単になんでもできるようになるものでは無い。
ケースバイケースの処理がそれほど頻繁にないために、ひと航海毎に一度か二度ずつしか学べないからだ。
手元の作業の一つでロープワークがあるが、これだけは時間を作って自分で練習できる。が、それ以外は練習ができる緩い世界では無い。
やりながら手順を確認して確実に身体に覚えさせるのにしても、いつでも真剣勝負の本番である。
寛大に認めて、意味や要領良く熟す方法を近道で教えてくれた船長や上司には本当に感謝である。
中には黙って仕事を見せることで自分で学べというスタンスの人もあれば、ただ人を貶したり、自分の思い通りにすることだけに拘る人もあり、先ずは結局のところ人間同士の関係に終始対応に追われる日々もあった。
大の大人が乗り合わせる船の世界だが、仕事はチームワークが重要なファクターとなる。
そのチームワークがこなし切れるかどうかは、もちろん理解力も必要で、そのポジションでの臨機応変な対応は個々の力量も計られる。
ただ言われるオーダーを熟す立場から一段高く、言われる前にそこへ辿り着く。
そうできなければ、大袈裟ではなく、大事に至ることもある。
表面上の見える仕事から、意味のある仕事にするためには、視野を広く眺め、自分で分析して先に気づくことが肝要だ。
効率、時間、設備、トラブル、人。
優先順位と何よりも、船の運行。
しかし精度を高めるためにはまだまだ時間がかかりそうだ。

2014年04月13日
船乗りの仕事。腹いっぱい食えよ!
多分に漏れず、自分の会社にも新入社員が入ってきた。
ピカピカの社会人1年生の純粋培養となる船員が船に乗ってきたわけである。
学校を出てきて最初に乗る船であり、教育される諸先輩方。
緊張と不安を胸いっぱい抱えて大きな荷物と大きなガタイで乗り込んできた。
それぞれの船員とサロンで自己紹介を終え、船長からの一言。
メシは腹いっぱい食えよ!
実際にはその一言で終わったわけではないが(笑)
しかしインパクトのある、そして一番わかりやすく大事なことである。
とにかく初めは厳しい指導もあるだろうが、メシは必ず食べられる。
自分たちの乗る船には司厨長がおり、毎日3食の献立がちゃんと日替わりで出てくる。
全員同じメニューで11人。
米は一応食べ放題!!
でも自分のような40代以上の中年は食べ切れない量なのだ。(笑)
(食べようと思えば食べられるけど運動不足で慢性的に肥る!)
若い衆に半分おすそ分けなんかをしながら毎日美味しく頂いています。
今日の夕飯は何かなぁ?(笑)


ピカピカの社会人1年生の純粋培養となる船員が船に乗ってきたわけである。
学校を出てきて最初に乗る船であり、教育される諸先輩方。
緊張と不安を胸いっぱい抱えて大きな荷物と大きなガタイで乗り込んできた。
それぞれの船員とサロンで自己紹介を終え、船長からの一言。
メシは腹いっぱい食えよ!
実際にはその一言で終わったわけではないが(笑)
しかしインパクトのある、そして一番わかりやすく大事なことである。
とにかく初めは厳しい指導もあるだろうが、メシは必ず食べられる。
自分たちの乗る船には司厨長がおり、毎日3食の献立がちゃんと日替わりで出てくる。
全員同じメニューで11人。
米は一応食べ放題!!
でも自分のような40代以上の中年は食べ切れない量なのだ。(笑)
(食べようと思えば食べられるけど運動不足で慢性的に肥る!)
若い衆に半分おすそ分けなんかをしながら毎日美味しく頂いています。
今日の夕飯は何かなぁ?(笑)

