2015年08月13日
船乗りの仕事。気づき考え行動する〜係船ホーサー
船乗りの仕事 コンテナ船 内航船 Full Ver.
http://t.co/RR3pGajY43
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船乗りの仕事。第2弾-749型コンテナ船の一週間。荷役 船上生活 離着桟
http://t.co/yqvPkRfhy2
それなりに船乗りとしてのノウハウを身につけてきた今日この頃。少し具体的な内容をシリーズ化して書いてみたいと思う。
先ずは船が岸壁等に係船されていなければ乗船できない!ということで、係船ロープ(以下ホーサー)について。
コンテナ船の場合、なるべく岸壁に固定して船が離れたり前後に動揺しないようにガッチリと係船する。
弛みがほとんど無くてもどうしても動揺して、陸上のガントリークレーンなどがコンテナを積みにくくなってしまうからだ。
岸壁の係船ビットに対して、ホーサーが障害物に接触しない様に係船することも重要だ。

岸壁には車止めが海側の縁に設置されているので、この様に接触しているときにホーサーを巻き締めると車止めを損傷してしまう。(壊したら弁償うん十万円)

そして損傷させるほどの力が懸かるということはホーサーも当然痛む。
ホーサーは何千トンもの船の動揺により張ったり弛んだりを繰り返している。しかし少しの傷で破断の許容が著しく下がり、最悪は一瞬にして切れる。そして切れたホーサーは吹っ飛ぶこともあり人が当たれば即死となる。
そうならないために、接岸時の綱取りをしてくれる人にあらかじめ、なるべくスプライン部を(ツボと言うこともある)上げておいてもらうことで障害物に接触させない様にしておく。それができない場合は荷役の前に本船の船員で一旦弛ませて巻き締め直すなどして取り直すのだ。※荷役開始後では船が岸壁から離れることになり荷役作業員に危険を及ぼすのでやむを得ない場合は荷役を止める。

増しロープを取る時には、ホーサー同士が擦れないようにビットに掛ける。これ自体はそれほど重要視する必要は無いが、やはり動揺により長時間係船しておく場合には少しのことにも気を配る。ホーサーは一本毎に弛みと張りのタイミングが異なり、接触部を少しずつ傷ませてしまう。



大抵の船ではホーサーを傷めないために、必ず何かに接触する部分(ビット、フェアリーダー等)には擦れ止めを施しておく。毎回同じ位置に来るわけではないので極力長い範囲を頑丈なテープで巻き刺して、長持ちさせる様に工夫している。
ホーサーは係船中、特にウネリが入る港では注意が必要。
切れた場合には、船が離れて大きく動揺し、荷役中なら積荷が作業員に当たる他、挟まれてしまう危険が。
跳ね飛んだホーサーが綱取りや荷役作業員、また監視中の本船船員にも当たる危険がある。
しかし常日頃からホーサーを手当てしておけば、未然に防ぐことができる事故なのだ。
但し、船のサイズとホーサーの種類や新旧に大きく関わっているので、一つの例として頭の片隅に留めておいて損は無い。
と言うことで今回はここまで。
次回はそのホーサーの手当てについて更新します。
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船乗りの仕事。第2弾-749型コンテナ船の一週間。荷役 船上生活 離着桟
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それなりに船乗りとしてのノウハウを身につけてきた今日この頃。少し具体的な内容をシリーズ化して書いてみたいと思う。
先ずは船が岸壁等に係船されていなければ乗船できない!ということで、係船ロープ(以下ホーサー)について。
コンテナ船の場合、なるべく岸壁に固定して船が離れたり前後に動揺しないようにガッチリと係船する。
弛みがほとんど無くてもどうしても動揺して、陸上のガントリークレーンなどがコンテナを積みにくくなってしまうからだ。
岸壁の係船ビットに対して、ホーサーが障害物に接触しない様に係船することも重要だ。
岸壁には車止めが海側の縁に設置されているので、この様に接触しているときにホーサーを巻き締めると車止めを損傷してしまう。(壊したら弁償うん十万円)
そして損傷させるほどの力が懸かるということはホーサーも当然痛む。
ホーサーは何千トンもの船の動揺により張ったり弛んだりを繰り返している。しかし少しの傷で破断の許容が著しく下がり、最悪は一瞬にして切れる。そして切れたホーサーは吹っ飛ぶこともあり人が当たれば即死となる。
そうならないために、接岸時の綱取りをしてくれる人にあらかじめ、なるべくスプライン部を(ツボと言うこともある)上げておいてもらうことで障害物に接触させない様にしておく。それができない場合は荷役の前に本船の船員で一旦弛ませて巻き締め直すなどして取り直すのだ。※荷役開始後では船が岸壁から離れることになり荷役作業員に危険を及ぼすのでやむを得ない場合は荷役を止める。
増しロープを取る時には、ホーサー同士が擦れないようにビットに掛ける。これ自体はそれほど重要視する必要は無いが、やはり動揺により長時間係船しておく場合には少しのことにも気を配る。ホーサーは一本毎に弛みと張りのタイミングが異なり、接触部を少しずつ傷ませてしまう。
大抵の船ではホーサーを傷めないために、必ず何かに接触する部分(ビット、フェアリーダー等)には擦れ止めを施しておく。毎回同じ位置に来るわけではないので極力長い範囲を頑丈なテープで巻き刺して、長持ちさせる様に工夫している。
ホーサーは係船中、特にウネリが入る港では注意が必要。
切れた場合には、船が離れて大きく動揺し、荷役中なら積荷が作業員に当たる他、挟まれてしまう危険が。
跳ね飛んだホーサーが綱取りや荷役作業員、また監視中の本船船員にも当たる危険がある。
しかし常日頃からホーサーを手当てしておけば、未然に防ぐことができる事故なのだ。
但し、船のサイズとホーサーの種類や新旧に大きく関わっているので、一つの例として頭の片隅に留めておいて損は無い。
と言うことで今回はここまで。
次回はそのホーサーの手当てについて更新します。
2015年07月16日
船乗りの仕事。船で稼ぐという事。
船乗りの仕事 コンテナ船 内航船 Full Ver.
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船乗りの仕事。第2弾-749型コンテナ船の一週間。荷役 船上生活 離着桟
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近頃、若い学生さんや陸上での社会人経験のある方から船員という職業についてのお問合せを頂くことがある。
動機は様々で、
海が好き!
船に乗りたい!
もう陸上の仕事では限界が…
ハローワークの職業訓練で言われたのですが…
などなど。
具体的には、
コンテナ船に乗りたいんですがどんなですか?
上陸することはできますか?
何日くらい乗ってるんですか?
休暇はどんなですか?
などがある。
夢と希望に満ち溢れてのお問合せである。
もちろん一番気になるところであろうし、実現したい大枠はそれで間違い無いことである。
自分の動機も似たもので、海が好きで船で職業として航海士になりたい!と長年思っていたことを叶えた訳である。
だがちょっと待ってほしい。
現実とのギャップは多少なりにも大きい誤差がある(笑)
今回は以前の記事船乗りの仕事。業務と福利とは逆のデメリットを書いてみたいと思う。
先ず、水産高校や海技大学卒業なら履歴を積めば免状に、社会人からは日本海洋技術専門学校の新6級海技士(航海)(機関←今年から始まった)短期取得講座で約1年あれば免状は取得できる。本人の努力次第で4級の学科資格までは取得可能だ。※自腹切ってであれば総額約80万〜100万円の諸費用が必要。
そして海運会社に就職し、履歴を付ける為に…ではなく、先ずは船員としての仕事を覚える為に船に乗るのだ。
ほぼ毎日帰れる船(タグ、バンカー、平水船など)は競争率が高い。
その他の商船は、現実として予定の休暇では帰れないことも多い。
数ヶ月、ずっと仕事。
全てが仕事。24時間のうち8時間労働などではない。もうそれはあり得ない(断言!笑)※自分は最大36時間連続離着桟シフト荷役という目にあったことがあるが後半は電池切れだった(笑)
その中で船のことでは、
傷みがないか。
汚れていないか。
故障の前兆はないか。
天候は。
荒天準備。
あるべきものがそこにあるか。
消耗品の消費具合は。
壊れたら修理。
怪我はしないか。
書類は。
何か異常はないか。
生活では、
水は。
食料や調味料は。
洗剤は。
薬は。
ゴミは。
掃除や片付けは。
家電などの作動状態は。
同じ船の船員仲間とともに共同でそれらあらゆることを常時チェックして日々を過ごす。気になることはちゃんと共有して解決させるのが基本。

しかし皆んな仲良くしていられるなら良いが、気の合わない人もいる。何かにつけて難癖つけたり、偉そうに怒鳴ったりする様な害悪がいたり。
乗りたての頃は特に馴染むまで時間がかかる。そこに堪えられないといっても船の中。逃げられないのだ。揉めたりして辞めるかジッと堪えるかしかない。
中には接岸して上陸できるときにそのまま逃げて音信普通になる人もいる。
それをやると、どうなるか。
ちょっと脱線するがよく知っていてほしい。
船では、事件と事故の両方を疑って運行を止める。仲間たちは全員心配するし、警察、保安庁に連絡しダイバーが潜る。
船は取調べの間、バース使用料が加算され、その後の荷役にも影響する。荷役をキャンセルするとなるとその損害は数千万にも及ぶことがあり大迷惑をかける。当然、損害賠償としての請求が当人に出されることとなる。
大袈裟ではなく、運ぶ荷物が大きい為その分経費も大きい。トラック100台から数千台分を一回で運ぶのだから当然である。
これは事故を起こしても同じ。
そして内容によっては会社が信用問題となり契約を打ち切りにされることもあり得る。そうなるとお金の問題どころではない。
その為のチェック。チェックandチェック。その為の掃除。見張り。報連相。だから、一時も気を抜けないのが船乗りの仕事である。
そりゃね、人間だもの。
ずーっと全部は無理ですよ。もちろんね。
でも時々誰かが忘れても、大事なところは全員が個々に気配りして意思疎通してないとやらかしますよ。
それは何か、何で大事かってのを知れば気になって仕方なくなるんですよ(笑)
知れば知るほど、奥が深い船乗りの仕事である。
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近頃、若い学生さんや陸上での社会人経験のある方から船員という職業についてのお問合せを頂くことがある。
動機は様々で、
海が好き!
船に乗りたい!
もう陸上の仕事では限界が…
ハローワークの職業訓練で言われたのですが…
などなど。
具体的には、
コンテナ船に乗りたいんですがどんなですか?
上陸することはできますか?
何日くらい乗ってるんですか?
休暇はどんなですか?
などがある。
夢と希望に満ち溢れてのお問合せである。
もちろん一番気になるところであろうし、実現したい大枠はそれで間違い無いことである。
自分の動機も似たもので、海が好きで船で職業として航海士になりたい!と長年思っていたことを叶えた訳である。
だがちょっと待ってほしい。
現実とのギャップは多少なりにも大きい誤差がある(笑)
今回は以前の記事船乗りの仕事。業務と福利とは逆のデメリットを書いてみたいと思う。
先ず、水産高校や海技大学卒業なら履歴を積めば免状に、社会人からは日本海洋技術専門学校の新6級海技士(航海)(機関←今年から始まった)短期取得講座で約1年あれば免状は取得できる。本人の努力次第で4級の学科資格までは取得可能だ。※自腹切ってであれば総額約80万〜100万円の諸費用が必要。
そして海運会社に就職し、履歴を付ける為に…ではなく、先ずは船員としての仕事を覚える為に船に乗るのだ。
ほぼ毎日帰れる船(タグ、バンカー、平水船など)は競争率が高い。
その他の商船は、現実として予定の休暇では帰れないことも多い。
数ヶ月、ずっと仕事。
全てが仕事。24時間のうち8時間労働などではない。もうそれはあり得ない(断言!笑)※自分は最大36時間連続離着桟シフト荷役という目にあったことがあるが後半は電池切れだった(笑)
その中で船のことでは、
傷みがないか。
汚れていないか。
故障の前兆はないか。
天候は。
荒天準備。
あるべきものがそこにあるか。
消耗品の消費具合は。
壊れたら修理。
怪我はしないか。
書類は。
何か異常はないか。
生活では、
水は。
食料や調味料は。
洗剤は。
薬は。
ゴミは。
掃除や片付けは。
家電などの作動状態は。
同じ船の船員仲間とともに共同でそれらあらゆることを常時チェックして日々を過ごす。気になることはちゃんと共有して解決させるのが基本。
しかし皆んな仲良くしていられるなら良いが、気の合わない人もいる。何かにつけて難癖つけたり、偉そうに怒鳴ったりする様な害悪がいたり。
乗りたての頃は特に馴染むまで時間がかかる。そこに堪えられないといっても船の中。逃げられないのだ。揉めたりして辞めるかジッと堪えるかしかない。
中には接岸して上陸できるときにそのまま逃げて音信普通になる人もいる。
それをやると、どうなるか。
ちょっと脱線するがよく知っていてほしい。
船では、事件と事故の両方を疑って運行を止める。仲間たちは全員心配するし、警察、保安庁に連絡しダイバーが潜る。
船は取調べの間、バース使用料が加算され、その後の荷役にも影響する。荷役をキャンセルするとなるとその損害は数千万にも及ぶことがあり大迷惑をかける。当然、損害賠償としての請求が当人に出されることとなる。
大袈裟ではなく、運ぶ荷物が大きい為その分経費も大きい。トラック100台から数千台分を一回で運ぶのだから当然である。
これは事故を起こしても同じ。
そして内容によっては会社が信用問題となり契約を打ち切りにされることもあり得る。そうなるとお金の問題どころではない。
その為のチェック。チェックandチェック。その為の掃除。見張り。報連相。だから、一時も気を抜けないのが船乗りの仕事である。
そりゃね、人間だもの。
ずーっと全部は無理ですよ。もちろんね。
でも時々誰かが忘れても、大事なところは全員が個々に気配りして意思疎通してないとやらかしますよ。
それは何か、何で大事かってのを知れば気になって仕方なくなるんですよ(笑)
知れば知るほど、奥が深い船乗りの仕事である。
2015年07月12日
船乗りの仕事。船が替われば。
船乗りの仕事 コンテナ船 内航船 Full Ver.
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人員不足ということで普段の船から別の船に転船してやっと慣れてきた今日この頃である。
航路が違えば、地域ごとの漁船などの特色も違う。加えて船上では当直体制や生活リズム、作業の進め方や遣り方、方針や意識の違いなどもありこれはこれで非常に有意義で勉強になった。
身近なことでは先ず食事があるが、久々に自分で作るのは結構楽しかったが、食材調達の段取りをもう忘れていて、買い忘れてあー…となることも連発(笑)
船体は年季の入った錆がガッツリでもう何を何処から攻めれば良いやら(笑)。乗船中はあまり天候に恵まれず、それほど進まなかったのが残念だが、それでもチャンスとあれば錆打ちも目一杯やりもうお腹いっぱい(笑)
7年目の船である故、故障もあらゆるところに出てきていて、船内放送のアンプからパソコン、ネット回線、エアコン、FAX、バラストの電磁弁にまで及ぶ。
間も無くドックで全て交換修理の予定ではあるが、これじゃ商売にならねぇよとは船長談(笑)
道具の手配など便利なモノや資材の情報も教えてもらうことが出来、それも収穫だった。
あと数日で下船。
休暇後には元の船に戻ってまた新たな目線で仕事ができるように、ノウハウを少し自分の中で整理しておかねば。
そして、どの船にも同じ様な悩みを抱えているのだ!というのもよくわかった…
それと何より、IT化についていけてないことも(笑)
転船先でのまとめ動画も編集中で、相変わらずのワンパターンであるが、近日中に公開予定である。
2015年06月27日
船乗りの仕事。試される船乗り3年目
船乗りの仕事 コンテナ船 内航船 Full Ver.
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船乗りになって二年が過ぎ、いつでも実戦という環境の中、それでも寛大な仲間達に支えられて練度を上げる日々が続いている。
丁度船長から、「そろそろ他の船でまた新たな視点で仕事して精度を高めるような経験を積まなあかんな〜」という内容の話をされていた矢先。
昨今の船員不足の影響でか、思し召しなのか他船からの緊急乗船の依頼が来たのだった。
本船からは何人か候補船員がいるのだが、皆んな順番で既に応援に行った後だった。
自分の番になっていた上、先述の船長との話もタイミングと合ったことから出陣することに。
この二年身についた船乗りの視点で、以前乗った船への応援である。不安もあるが自分自身の成長を確認することもできると意気揚々と乗船した。
当時は気づくことすら無かったことが、乗ってみて色々と目につく。
仕事の進め方も仕切る人でこんなに違うのかというのもさらに良くわかる。
但し、応援であるため余り出過ぎた行動も取れ無い。その船によってやり方や方向性ってのがあるわけだ。
航海のリズムや生活に慣れながらもうしばらく様子を見つつ、少しでも役に立てればと思う今日この頃である。
せやけどアンタ、それは無駄な仕事やな〜
今まで気づいてもなかったんかい!
なんて思うこともグッと我慢して精進!精進!!

↑転船のためバース内を守衛さんに送迎してもらった
http://t.co/RR3pGajY43
船乗りになって二年が過ぎ、いつでも実戦という環境の中、それでも寛大な仲間達に支えられて練度を上げる日々が続いている。
丁度船長から、「そろそろ他の船でまた新たな視点で仕事して精度を高めるような経験を積まなあかんな〜」という内容の話をされていた矢先。
昨今の船員不足の影響でか、思し召しなのか他船からの緊急乗船の依頼が来たのだった。
本船からは何人か候補船員がいるのだが、皆んな順番で既に応援に行った後だった。
自分の番になっていた上、先述の船長との話もタイミングと合ったことから出陣することに。
この二年身についた船乗りの視点で、以前乗った船への応援である。不安もあるが自分自身の成長を確認することもできると意気揚々と乗船した。
当時は気づくことすら無かったことが、乗ってみて色々と目につく。
仕事の進め方も仕切る人でこんなに違うのかというのもさらに良くわかる。
但し、応援であるため余り出過ぎた行動も取れ無い。その船によってやり方や方向性ってのがあるわけだ。
航海のリズムや生活に慣れながらもうしばらく様子を見つつ、少しでも役に立てればと思う今日この頃である。
せやけどアンタ、それは無駄な仕事やな〜
今まで気づいてもなかったんかい!
なんて思うこともグッと我慢して精進!精進!!
↑転船のためバース内を守衛さんに送迎してもらった
2015年04月08日
船乗りの仕事。えぇんちゃうの!
40歳間近から船乗りになって意識高くグダグダ書きなぐりしているのがこちらのブログです。
ブログの内容はさておき、船乗りの仕事でコンテナ船の約一週間を動きのあるところだけ抽出して圧縮したものがこちらになります。
船乗りの仕事 コンテナ船 内航船 Full Ver.
http://t.co/RR3pGajY43
近々に自分達の船はドックインとなる。
新造からの運行で、紆余曲折を経て何とか今の状態までたどり着き、概ねの全体的な決まりや方法の可否をつけて来た。
今回のドックは補償ドックと言って、その運行の妨げや不具合な状態を変更したり、修理改善する必要性の優先順位で様々な作業をする。
特に危険な作業状態であるものに関しては、最優先で考え改良する。
「こんなんやりにくいやろ?アカンやん」
「こないした方がえぇんちゃうの?」
「そんなんやってもらわなアカンのちゃうん?」
せやろがい!
という強力な後押しのある打ち合わせも終わり、現実的な日程と工程を詰めながら自分達もそれに備えて準備する。
※打ち合わせ段階では工程に入っているが、時間切れで届かず終わるかもしれない作業なんかもあるらしい。
しかし伝えておかなければならないことは船長と共に自分達もしっかりドックへ伝えた。
と、言いながら自分は残念ながら、打ち合わせ段階(内容の決定)までで一旦休暇となり、ドック中に再び参戦(乗船)となる。
ドック開け、苦労していたアレがどうなるか今から楽しみである。

ブログの内容はさておき、船乗りの仕事でコンテナ船の約一週間を動きのあるところだけ抽出して圧縮したものがこちらになります。
船乗りの仕事 コンテナ船 内航船 Full Ver.
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近々に自分達の船はドックインとなる。
新造からの運行で、紆余曲折を経て何とか今の状態までたどり着き、概ねの全体的な決まりや方法の可否をつけて来た。
今回のドックは補償ドックと言って、その運行の妨げや不具合な状態を変更したり、修理改善する必要性の優先順位で様々な作業をする。
特に危険な作業状態であるものに関しては、最優先で考え改良する。
「こんなんやりにくいやろ?アカンやん」
「こないした方がえぇんちゃうの?」
「そんなんやってもらわなアカンのちゃうん?」
せやろがい!
という強力な後押しのある打ち合わせも終わり、現実的な日程と工程を詰めながら自分達もそれに備えて準備する。
※打ち合わせ段階では工程に入っているが、時間切れで届かず終わるかもしれない作業なんかもあるらしい。
しかし伝えておかなければならないことは船長と共に自分達もしっかりドックへ伝えた。
と、言いながら自分は残念ながら、打ち合わせ段階(内容の決定)までで一旦休暇となり、ドック中に再び参戦(乗船)となる。
ドック開け、苦労していたアレがどうなるか今から楽しみである。
2015年03月15日
船乗りの仕事。いつも通りに。
自分も船乗りになって3年目となった。
これまで何度も書いてきているが、船内のバランスは船機長によるところが大きい。
その中で仕事をする前提のもと、それぞれの役割が決まるわけだ。
船を運行するに口を出されることは当然である。
しかしそれを円滑にするには、
先ずいつも通りか。
任意の事情の何をどうしておくか。
現状把握確認できているか。
対処方法を知っているか。
その経緯と対策。
何処まで報告するか。
改めるべき事象はあるか。
を出来る限り詳細に理解している必要がある。
加えて、対外的にも関わる場合には、そのタイミングを図ることからその伝達記録方法、相互の内容確認をすることによって、ミスの防止を含む状況報告を上長、又は直接船長に伝える必要がある。
過去に起きたトラブルなどをしっかり把握していれば、そのポイントは要注意との認識で事前に調べてみることに繋がる。
直ちに対応するべきことか、他にするべきことなど優先順位もハッキリとしてくるのだ。
その把握や伝達が稚拙な状態だと任せられることはない。
この辺りは何処の世界の仕事も同様だ。
そして意外に重要なこととして下々の船員は
何処まで気が効くか。
序でに順を追って点検したり、スマートな流れで仕事を進める意識である。
これだけはそう言う意識を常に働かせていないと目が向かないことであり、また、臨機応変な対応を迫られる際には基本をしっかり知らないとそこへ辿り着かない。
兵法に
「整然と規律のとれた軍隊は、士気が高いから攻撃してはならない」
とある(原文とは少し違う)そうだが、仕事も同じ。
整然と仕上がった状態を維持することは見栄えも良く、仲間達とも良い関係を維持しやすいし何より気分が良い。
現実に「できる職人は散らかさない」というのは散々実際に見て来た。
中には自分なりに整理されていて本人だけが解読可能なロジックでする人もいるわけだが(笑)
「各自精鋭で自己判断するが全員で共有できる整然」が今後の課題である。
いつも通りを維持し続ける難しさ。
先ずは士気を高めなくては。
一番難儀な課題…(笑)
2015年02月20日
船乗りの仕事。一週間をぎゅーっと詰め込みました
container vessel working − weekly − short var
初の動画編集。作ってみた。
※ほぼ、素の映像でコッソリ撮ってたのだが、だんだんみんなノリノリな状態になった(笑)
http://t.co/XwjkL1vPdE
船乗りの仕事 コンテナ船 内航船 Full Ver.
完成しました。
http://t.co/RR3pGajY43
若い船員たちの活躍している様子をご覧ください。
初の動画編集。作ってみた。
※ほぼ、素の映像でコッソリ撮ってたのだが、だんだんみんなノリノリな状態になった(笑)
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船乗りの仕事 コンテナ船 内航船 Full Ver.
完成しました。
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若い船員たちの活躍している様子をご覧ください。
2015年02月11日
船乗りの仕事。基本と新たなステージへ
今回の休暇は、自分の健康を顧りみてまた元気に乗船するという大義があった。
身体が資本という大前提は、船上で仕事をするためには最重要課題である。
加えてこの休暇中に、所属船内での重要な人事的変化があることが決まっていた。
そのため、乗船すればその分担を再構築して改めて安全に航海できるようにする必要があった。
人は慣れると気が抜けて、分かっていることなんかは手順を省略していくものである。
気が抜けついでに、ぼーっと結構重要なこともすっぽかしてしまう。
船上に於いては、そんな状態では咄嗟の事態に対応できなくなる。
係留ロープの状態
道具の状態
船体の状態
海図を見ること
航海計器の状態
他の船舶の動向と自船の状態
書類の整備
他にも上げればキリがないが、どれを取っても最低限の基本に基づいて確認が必要なことである。
休暇明けには特に、まだ仕事モードに体が切り替わりきらず動きも鈍る。
なので一つ一つを丁寧に確認しながらしっかりと全体を把握する必要がある。
自分は休暇明けに横浜で乗船予定だった。
船員手帳の健康診断の期限が次の乗船中に切れるため、健診を受けるためホテルを取って1日早く現地に向かう途中の新幹線の中。
気持ちを仕事モードに切り替えるためいろいろチェックする内容を考えていた。
そんな所に船長からの電話が鳴った。
船長「○○さんが亡くなった」
自分「え?!」
船長「今朝、ワッチ中に倒れて云々〜」
話を聞きながら暫く理解に時間がかかった。
船長「悪いけど今日健診終わったら乗ってくれ」
自分「は…はい、了解しました。急いで向かいます」
そこからはもう、とにかく急いで(と言ってもまだ新幹線の中。新幹線があんなに遅く感じたことは無い)健診を受けタクシーで港へ向かう。
ちょうど同時に会社から部長も船に到着。
ある程度の内容を聞き、しかしその日にも荷役があったので早速その準備に取り掛かる。
自分は現場にはいなかったので動揺はまだ少なく、その日の予定を確認して段取りを決めていく。
仕事はそんなことがあったからといって失敗を大目にみてはくれない。逆に言えばいつも通りに進め仕事を滞らせるわけにはいかない。
そんなこんなでその日は少しバタつきながらも、何とか熟しきることができた。
しかし時間が経つごとにいろいろとこみ上げてきて…
亡くなられた方には心からお悔みとともに、御冥福を御祈りします。
2015年01月02日
船乗りの仕事。俺らの船は空を飛ぶ。
怒涛の如し一年が過ぎ、振り返れば本当にいろいろなことがあり、今となってはみんなで酒の肴にして笑って話せる。
力み過ぎて砕けた奥歯。
体が大き過ぎて制服のサイズが足りず留められないボタン。
接岸が不甲斐無い仕事ぶりで険悪なムードとなってとばっちりだった初乗船。
酔って変なテンションになりビンタし合う2人。
どれだけ怒られてもめげない(through力!)鋼の心臓を持つ勇者。
巨人(1.8m級)を見上げ慄く勇者。
停泊シフト綱引きで力尽きた40代。
連続シフト荷役で力尽きた40代。
若い集とはしゃぎ過ぎて体力の衰えを再確認できて力尽きた40代。
接岸停泊中に吹雪いて真夜中に船が離れて大慌てしたこと。
大雪で接岸作業中甲板が凍結しみんな転げ回って大変だったこと。
ケアラシで見えない岸壁。
届かないレット。
そのせいで届くまで車から出てこない綱取り。
仮バースでのパチンコ大勝ち武勇伝。(勝った話しは大きい)
披露できなかった余興。
に至るまで、他にもまだまだ様々なことがあった。
その一つ一つの積み重ねは、基本の熟し方として経験となり次の礎となる。(ならないものも(笑))
それを目の当たりにして皆んながガンバって、それぞれの成長があった。(確信)
そんな内容の濃い一年を過ごせた。
2015年は、どんな伝説が生まれるのか。
年末、どんな風に皆んなで笑えるのか。
これはハッキリ言えるが、船・機長の器の大きさは船員の成長を加速させる。
そこから先は、要領と応用するセンスの世界。
頭打ちで限界を知るのも認めるのも大事なこと。
怪我無くいつも通り。
変化に備えて知っておく基本。
皆んな見てる。一緒にやる。
船乗りってこんな仕事です。
2015年01月01日
謹賀新年。2015年。始まりました。

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m