2021年07月28日
船乗りの仕事。一等航海士
一等航海士
いっとうこうかいし
一航士
いっこうし
chief officer
チーフオフィサー
チョッサー
船長の指揮命令系統の補佐
ちょっとしたアクシデントから重大インシデントまで、時には具申や助言を含むため非常に重要な立場となる。業務上やむを得ない状況である場合には自らが判断を下す必要もある。
荷役貨物船体監視責任者
積荷や荷役作業員を含む積載に関する全ての責任を負うため事前に把握しておき、現認すべき事態を監視する役割を担う。乗降りする人員を含めて危険行動や汚損、積荷と船体構造物などの損壊防止、船体動揺など各舫(もやい)の張り具合調整(空船と荷船で変わる)、荷役装置や資材の扱いにまで及ぶ。何か起きた際には船長への報告、前後策対応も全般に担当。そして大抵は見ていない時に起きるのである。
作業管理責任者
船体の保守作業の計画を立案、実施する。
つまり船内にある凡ゆる情報と齟齬をまとめる役でもあり、実質的には全ての現場に関わる職級なので船長よりもその船舶の全てを精通して把握しているべき職である。ドックのオーダーなどもそれに基づいて打合せることとなる。余談だが一航士不在時に現場のわかっていない船長が重要な資材を撤去してしまうことがあり、そのために後々の作業に支障が出ることも。
天候海象変化に伴う計画と実施
風向や風力、積載量、船脚を勘案して離接岸時の注意点や手順など事前に周知徹底し、安全円滑に作業を進めるための準備をし、不測の事態にあっても臨機応変に冷静な心構えをして常に広く目配りする。錨泊や接岸停泊にはさらに潮汐などにも気を配る必要がある。
特に荒天準備などは海上に出て航海中に揺れる船上では手の打ちようがなくなるので出航までに全ての安全担保責任があり、できる限り万全の対策を講じておきたい。
食料清水衛生乗組員の健康にも気を配る
特に清水(せいすい:飲料水のこと)の残量や衛生管理は重要な要素であり、水回りの清潔度は何よりも優先的に管理する。
乗組員の異常にも敏感でありたい。著しい記憶力の低下や感情の起伏具合は体調との関わりが大きい。業務に差し支える程度ならば早期に船長、配乗担当に報告して交代人員配備など対応を促す必要もある。
消耗品や資材部品の在庫管理責任者
船内の清潔を保つための洗剤から生理現象用品や用具、保守整備用資材や工具、またその補修器具や用品、交換消耗品や部品類、荷役関連の資材や交換部品に至るまで多岐に渡り、船用品を発注することも担当する。
航海成就
商船航海士にとって第一義は、“顧客の大切な貨物を目的地の荷受人に届ける”ことであり、その為の航海術である。
日々精進してあらゆる手段を用いて見張り、躊躇うことの危険性を知り、できる限り早期に手を打つことにより災いから遠く離れる安全航海をするものである。
目先が利いて几帳面、負けじ魂。これぞ船乗りなのだそうな。
ことに及んで卑怯臆病。と揶揄される部分もあるが、逆に安全を確保する為ならそれもアリかもしれない。
少人数体制の船舶上で、全てを誰か任せで出来るわけはなく、常に気づくか気づかないかの差はあるものの、分担しつつ互いに気遣い鼓舞しあえる環境が理想的である。誰しもが忘れていたりミスをすることは当然有り、フォローし合う融和な関係を築ければサイツヨなのは言うまでもない。重大な不具合さえ起きなければ平和で気楽な毎日を過ごせることだろう。
但し、あたおかは相手しなくてヨシ!粛々とやるべきことをこなせば良い。

いっとうこうかいし
一航士
いっこうし
chief officer
チーフオフィサー
チョッサー
船長の指揮命令系統の補佐
ちょっとしたアクシデントから重大インシデントまで、時には具申や助言を含むため非常に重要な立場となる。業務上やむを得ない状況である場合には自らが判断を下す必要もある。
荷役貨物船体監視責任者
積荷や荷役作業員を含む積載に関する全ての責任を負うため事前に把握しておき、現認すべき事態を監視する役割を担う。乗降りする人員を含めて危険行動や汚損、積荷と船体構造物などの損壊防止、船体動揺など各舫(もやい)の張り具合調整(空船と荷船で変わる)、荷役装置や資材の扱いにまで及ぶ。何か起きた際には船長への報告、前後策対応も全般に担当。そして大抵は見ていない時に起きるのである。
作業管理責任者
船体の保守作業の計画を立案、実施する。
つまり船内にある凡ゆる情報と齟齬をまとめる役でもあり、実質的には全ての現場に関わる職級なので船長よりもその船舶の全てを精通して把握しているべき職である。ドックのオーダーなどもそれに基づいて打合せることとなる。余談だが一航士不在時に現場のわかっていない船長が重要な資材を撤去してしまうことがあり、そのために後々の作業に支障が出ることも。
天候海象変化に伴う計画と実施
風向や風力、積載量、船脚を勘案して離接岸時の注意点や手順など事前に周知徹底し、安全円滑に作業を進めるための準備をし、不測の事態にあっても臨機応変に冷静な心構えをして常に広く目配りする。錨泊や接岸停泊にはさらに潮汐などにも気を配る必要がある。
特に荒天準備などは海上に出て航海中に揺れる船上では手の打ちようがなくなるので出航までに全ての安全担保責任があり、できる限り万全の対策を講じておきたい。
食料清水衛生乗組員の健康にも気を配る
特に清水(せいすい:飲料水のこと)の残量や衛生管理は重要な要素であり、水回りの清潔度は何よりも優先的に管理する。
乗組員の異常にも敏感でありたい。著しい記憶力の低下や感情の起伏具合は体調との関わりが大きい。業務に差し支える程度ならば早期に船長、配乗担当に報告して交代人員配備など対応を促す必要もある。
消耗品や資材部品の在庫管理責任者
船内の清潔を保つための洗剤から生理現象用品や用具、保守整備用資材や工具、またその補修器具や用品、交換消耗品や部品類、荷役関連の資材や交換部品に至るまで多岐に渡り、船用品を発注することも担当する。
航海成就
商船航海士にとって第一義は、“顧客の大切な貨物を目的地の荷受人に届ける”ことであり、その為の航海術である。
日々精進してあらゆる手段を用いて見張り、躊躇うことの危険性を知り、できる限り早期に手を打つことにより災いから遠く離れる安全航海をするものである。
目先が利いて几帳面、負けじ魂。これぞ船乗りなのだそうな。
ことに及んで卑怯臆病。と揶揄される部分もあるが、逆に安全を確保する為ならそれもアリかもしれない。
少人数体制の船舶上で、全てを誰か任せで出来るわけはなく、常に気づくか気づかないかの差はあるものの、分担しつつ互いに気遣い鼓舞しあえる環境が理想的である。誰しもが忘れていたりミスをすることは当然有り、フォローし合う融和な関係を築ければサイツヨなのは言うまでもない。重大な不具合さえ起きなければ平和で気楽な毎日を過ごせることだろう。
但し、あたおかは相手しなくてヨシ!粛々とやるべきことをこなせば良い。

2016年09月06日
ドック入渠。検査・修理・改造・整備…
浮きドックへ入渠。

両舷からロープを取りレールに引かれて奥へ。


浮きドックに入りきった。


浮きドックのバラストを排出して船ごと浮かせる。

ここから覗きながら真っ直ぐに浮きドックに入れる様だ。

すっかり浮いて乾いてしまった状態。
※錨鎖点検と節ペイントし終わったところ

浮きドックの外壁を陸上から見たところ。

入渠直後のスラスター。
牡蠣が所々に付いている。


左右舷ビルジキール。

船底。※頭上に鉄の塊(船)

舵と螺旋羽型推進器

船底船尾から。

今回の主要工事箇所

びよ〜ん






塗装後の船底。

乾ドック。

乾ドックの水密壁。
※乾ドックは海水をポンプで排出する。少し海水が漏れて常に入ってくるのでポンプは作動しっぱなし。

ドック対岸から。

対岸へ渡してくれるフェリー

眺めながらちょっと喉を潤す一杯。

ドック飯。

出渠して翌日…もちろん積んでます(笑)
ドック入渠中は、普段できない作業をしたり、見られない所、触ることのない場所などの点検と整備が主となる。
通常、事前にオーダーを出しておき、同時に進捗する状況などを現場で確認しながら不具合なども改善する。
※艤装と補償の段階で改善しておかなければ、その後のドック改良は中々できない。(工務監督の決済次第)
本当に不具合があることは、何故かオーダーをカットしてしまい改善できなかったり…。
色々あったんですよ、ドック中(笑)
作業中は撮影できず(汗でビッショリなのでw)あんまり内容が無いですが、大枠だけで久々の更新です。
両舷からロープを取りレールに引かれて奥へ。
浮きドックに入りきった。
浮きドックのバラストを排出して船ごと浮かせる。
ここから覗きながら真っ直ぐに浮きドックに入れる様だ。
すっかり浮いて乾いてしまった状態。
※錨鎖点検と節ペイントし終わったところ
浮きドックの外壁を陸上から見たところ。
入渠直後のスラスター。
牡蠣が所々に付いている。
左右舷ビルジキール。
船底。※頭上に鉄の塊(船)
舵と螺旋羽型推進器
船底船尾から。
今回の主要工事箇所
びよ〜ん
塗装後の船底。
乾ドック。
乾ドックの水密壁。
※乾ドックは海水をポンプで排出する。少し海水が漏れて常に入ってくるのでポンプは作動しっぱなし。
ドック対岸から。
対岸へ渡してくれるフェリー
眺めながらちょっと喉を潤す一杯。
ドック飯。
出渠して翌日…もちろん積んでます(笑)
ドック入渠中は、普段できない作業をしたり、見られない所、触ることのない場所などの点検と整備が主となる。
通常、事前にオーダーを出しておき、同時に進捗する状況などを現場で確認しながら不具合なども改善する。
※艤装と補償の段階で改善しておかなければ、その後のドック改良は中々できない。(工務監督の決済次第)
本当に不具合があることは、何故かオーダーをカットしてしまい改善できなかったり…。
色々あったんですよ、ドック中(笑)
作業中は撮影できず(汗でビッショリなのでw)あんまり内容が無いですが、大枠だけで久々の更新です。
2016年04月18日
船乗りの仕事。気づき考え行動する〜入港接岸
ホーサーがしっかり手入れされていると、離接岸時や荷役中、破断の恐れは限りなく安心な範囲となる。
しかし、特に入港接岸時。荷役中。どんな時に傷つくのか。
接岸行程と共に少し詳しく解説する。
接岸バースのビットには番号が振られており、船の長さによって「1から8番に接岸」などと指定がある。
指定番号から、ヘッドラインが1、オモテ(船首)スプリングラインが3か4、トモ(船尾)スプリングラインが6か7、スターンラインが8など概ね事前に決まる。
船や船長の好みにも依るのだが、接岸位置に合わせて船の行き足が止まった状態で…
基本的な接岸
①オモテのスプリングラインから舫いを取る。
次に②ヘッドラインか又は、③トモスプリングライン。
※状況から判断し、タイミングもほぼ同時で取れる方から取る
④そしてスターンラインを取って、ブリッジからの指示にオモテとトモが息を合わせて(阿吽の呼吸)岸壁と平行にゆっくり接岸していく。
※ギュギュギュッと言わせない程度にウインドラスで巻き寄せていく。
基本的手順と注意点
①スプリングラインから取る
船の船首がスプリングのビットと横並び、通過したタイミングで、届く距離ならレッド(ヒービングライン:重りを付けた細いロープをホーサーに繋いである)を振り回して岸壁の綱取りに投げる。と、ここで
危険❶投てき位置に岸壁通行人(車両、障害物を含む)
危険❷スラスター(レッドロープやホーサーを海面上に漂わせない。圧流で流れたり、逆に吸い込まれて巻く)
何処の下にあるのか見て知っていると良い。


危険❸岸壁フェンダーの海面水深(海面と高さがほぼ同じか浮いた状態だと、ホーサーが潜り込み引っかかったり傷が付く原因)。写真ではフェンダーの下部が少し沈む程度に浸かっている。

危険❹フェンダーの船首側からか、フェンダー正面からホーサーをあげてビットにかけてもらう(トモ側から上げるとフェンダーにホーサーが引っかかりこれもまた傷が付く)

フェンダーに変な掛かり方をすると、ピース(半丸形の穴開いた金具)というフェンダー取付け時の金具がホーサーに傷をつける事もある。
などがあり、どれも要注意である。
②ヘッドラインを取る
オモテスプリングを取る(ビットにかける)段階で、綱取りに余裕があるならヘッドラインもレッドを投てきする。余裕無いなら③を待つなど臨機応変。
危険❶から❹'。❹'はトモ側(船に近い側)から
③トモスプリングを取る
オオトモ(最船尾角)からレッドを投てきする。
危険❶❸❹'
危険❺すぐ下にはプロペラがある(ホーサーを出し過ぎて海面上に漂わせない。最重要事項!巻いたらもう出航できない。緊急でダイバー手配)
④スターンラインを取る
接岸絃の反対側からホーサーを出す。
危険❶❸❹❺
これらはすべて、凪であれば順調に段取り通りの行程で、スムーズに接岸することができる。
特異な接岸
しかし当然ながら凪ばかりではない。
危険❻寄る風などは時間が無い(ホーサーも弛みやすい)
また、
危険❼船の行き足(前進、後進)が残っている場合もある。
ここでビットにホーサーが掛かった時、どのホーサーにはどんな作用があるか。

例えばオモテスプリング。行き足が前進で残っていた場合にホーサーを張らせると、船はその勢いのまま船首だけ一気に岸壁に寄って行く(岸壁に衝突!船首が損傷を受ける。岸壁側フェンダーの損傷は1000万円ほど掛かる)

スターンライン。接岸絃の反対側から巻き寄せるので、船を岸壁に寄せる力が一番強く船尾が一気に寄る。
後進行き足ならヘッドラインとトモスプリングが同様に作用する。
危険❼'船長によっては、結構な行き足なのに「スプリングで行き足停めて!」などと怖いことを言う方もある。
行き足の程度にもよるがそんな場合には、一旦張ったように見せてからホーサーをウインドラスで緩め、徐々に緩め方をゆっくりして行き足を停めていく。そうすれば岸壁への寄りは少しでもゆっくりになる。これが咄嗟にできる人はこれまで見てきた中で非常に少ない。
そしてそんなホーサーの使い方をすれば、傷むのも当然であるし、下手をすれば一瞬で切れて飛んでくる。
〈あくまで考察−その船長のやりかたを否定するものでは無い⁉︎否定してるか(笑)〉
※程度というのは、後進させると一軸右回りプロペラの船は右舷着けの場合船尾が離れてしまう(横圧力)のはわかった上で行き足の勢いが問題。岸壁に船首が衝突するリスクより離れたとしても停船すればスプリングを張ってスラスターで船首を蹴れば幾らか船尾が寄る(水圧を利用した「てこの原理」)など。
※岸壁まで十分な距離があるならまだ良いが、でも大体ホーサーで行き足を停める事がナンセンスだと思うのだが…。オモテのスプリングを取った段階では後進で停めてもトモがレッドを投げる前ならペラで巻く心配も無い。
※以前乗っていた船ではスプリングを張ったりした日には「オモテ張るな!このバカ!!」とどやされていた(笑)
無事に接岸すると最後に、
危険❽岸壁の車止めとホーサーの干渉具合を確認する
ホーサーが車止めの上に乗って張られていれば良いが、引っかかりがある場合には一旦緩めて掛け直してやればいい(車止め損傷数十万円)。その引っかかりでホーサーに傷が付き、荷役や波による船体動揺で切れる可能性がある。
そんな行程を経て接岸する訳だが、岸壁側の綱取りをしてくれる人と船側のホーサーを出す人との連携ができないと、スムーズにはいかなくなる。
特にフェンダー付近でホーサーをビットにかける場合、船とのホーサー角度から❸❹と❹'には船側の捌く全員で神経を使う。
とは言え、そんな事を気にもせず、ホーサーをダーーーッと出して漂わせ、フェンダーの下を潜らせてしまうなぁんにも考えてないボッサリした船員が多くいるのも事実である。マジで言いたい。このクソどもが!(©️笑)
常に変わる接岸
ホーサーを取る順番①〜④は後進接岸なら②ヘッドラインから取ったり、③トモスプリングから取る場合もあるし、風や潮流のため②や④スターンラインから取る場合もある。

船の状態や港の特色で、その都度臨機応変に対応できるように、常に状況把握しておくのが肝要だ。
その時の乗員の力量(対応力)によって、綱取りの人数や取り方が解っている人かどうか、違ったら直ぐに気付けて直させられるか否かで、接岸時間の短縮、ホーサーの傷みや事故は無くせるのである。
そういう人がいない場合…オモテからトモまで走り回って対応する必要も…
疲れるでホンマに。
補足余談 笑い話
仮バースや、休暇直前には、テンションが高くなって、変なことを言い出す凡ゆる立場の人がいる。
普段通りの流れを崩す様な、タイミングが違ったり、いつもと違うやり方を突然言い出したり、何の問題も無い部分をダメだと言い出したりする。※他のヨタ話に夢中で仕事をすっ飛ばしたりもある
そういう人に惑わされ、いつもと違うことをすると、概ね失敗に繋がる。余計な二度手間や三度手間、ひどい時は一旦船を離してやり直しになることがある。
なので「いつも通りにやるから大丈夫!」と強く促して黙らせるのが一番効果的である。
たまには仕方なく「うるさいだまれ!」と一喝してしまうことも必要だ。
嬉しいのは解るが、人の邪魔はすんな!クソどもが!!©️2回目使用
そんなこんなで、コンテナ船は今日も目一杯でシフト接岸して、寝不足な乗員の体力を蝕んでいます。
船乗りの仕事 コンテナ船 内航船 Full Ver.
http://t.co/RR3pGajY43
船乗りの仕事。第2弾-749型コンテナ船の一週間。荷役 船上生活 離着桟
http://t.co/yqvPkRfhy2
しかし、特に入港接岸時。荷役中。どんな時に傷つくのか。
接岸行程と共に少し詳しく解説する。
接岸バースのビットには番号が振られており、船の長さによって「1から8番に接岸」などと指定がある。
指定番号から、ヘッドラインが1、オモテ(船首)スプリングラインが3か4、トモ(船尾)スプリングラインが6か7、スターンラインが8など概ね事前に決まる。
船や船長の好みにも依るのだが、接岸位置に合わせて船の行き足が止まった状態で…
基本的な接岸
①オモテのスプリングラインから舫いを取る。
次に②ヘッドラインか又は、③トモスプリングライン。
※状況から判断し、タイミングもほぼ同時で取れる方から取る
④そしてスターンラインを取って、ブリッジからの指示にオモテとトモが息を合わせて(阿吽の呼吸)岸壁と平行にゆっくり接岸していく。
※ギュギュギュッと言わせない程度にウインドラスで巻き寄せていく。
基本的手順と注意点
①スプリングラインから取る
船の船首がスプリングのビットと横並び、通過したタイミングで、届く距離ならレッド(ヒービングライン:重りを付けた細いロープをホーサーに繋いである)を振り回して岸壁の綱取りに投げる。と、ここで
危険❶投てき位置に岸壁通行人(車両、障害物を含む)
危険❷スラスター(レッドロープやホーサーを海面上に漂わせない。圧流で流れたり、逆に吸い込まれて巻く)
何処の下にあるのか見て知っていると良い。
危険❸岸壁フェンダーの海面水深(海面と高さがほぼ同じか浮いた状態だと、ホーサーが潜り込み引っかかったり傷が付く原因)。写真ではフェンダーの下部が少し沈む程度に浸かっている。
危険❹フェンダーの船首側からか、フェンダー正面からホーサーをあげてビットにかけてもらう(トモ側から上げるとフェンダーにホーサーが引っかかりこれもまた傷が付く)
フェンダーに変な掛かり方をすると、ピース(半丸形の穴開いた金具)というフェンダー取付け時の金具がホーサーに傷をつける事もある。
などがあり、どれも要注意である。
②ヘッドラインを取る
オモテスプリングを取る(ビットにかける)段階で、綱取りに余裕があるならヘッドラインもレッドを投てきする。余裕無いなら③を待つなど臨機応変。
危険❶から❹'。❹'はトモ側(船に近い側)から
③トモスプリングを取る
オオトモ(最船尾角)からレッドを投てきする。
危険❶❸❹'
危険❺すぐ下にはプロペラがある(ホーサーを出し過ぎて海面上に漂わせない。最重要事項!巻いたらもう出航できない。緊急でダイバー手配)
④スターンラインを取る
接岸絃の反対側からホーサーを出す。
危険❶❸❹❺
これらはすべて、凪であれば順調に段取り通りの行程で、スムーズに接岸することができる。
特異な接岸
しかし当然ながら凪ばかりではない。
危険❻寄る風などは時間が無い(ホーサーも弛みやすい)
また、
危険❼船の行き足(前進、後進)が残っている場合もある。
ここでビットにホーサーが掛かった時、どのホーサーにはどんな作用があるか。
例えばオモテスプリング。行き足が前進で残っていた場合にホーサーを張らせると、船はその勢いのまま船首だけ一気に岸壁に寄って行く(岸壁に衝突!船首が損傷を受ける。岸壁側フェンダーの損傷は1000万円ほど掛かる)
スターンライン。接岸絃の反対側から巻き寄せるので、船を岸壁に寄せる力が一番強く船尾が一気に寄る。
後進行き足ならヘッドラインとトモスプリングが同様に作用する。
危険❼'船長によっては、結構な行き足なのに「スプリングで行き足停めて!」などと怖いことを言う方もある。
行き足の程度にもよるがそんな場合には、一旦張ったように見せてからホーサーをウインドラスで緩め、徐々に緩め方をゆっくりして行き足を停めていく。そうすれば岸壁への寄りは少しでもゆっくりになる。これが咄嗟にできる人はこれまで見てきた中で非常に少ない。
そしてそんなホーサーの使い方をすれば、傷むのも当然であるし、下手をすれば一瞬で切れて飛んでくる。
〈あくまで考察−その船長のやりかたを否定するものでは無い⁉︎否定してるか(笑)〉
※程度というのは、後進させると一軸右回りプロペラの船は右舷着けの場合船尾が離れてしまう(横圧力)のはわかった上で行き足の勢いが問題。岸壁に船首が衝突するリスクより離れたとしても停船すればスプリングを張ってスラスターで船首を蹴れば幾らか船尾が寄る(水圧を利用した「てこの原理」)など。
※岸壁まで十分な距離があるならまだ良いが、でも大体ホーサーで行き足を停める事がナンセンスだと思うのだが…。オモテのスプリングを取った段階では後進で停めてもトモがレッドを投げる前ならペラで巻く心配も無い。
※以前乗っていた船ではスプリングを張ったりした日には「オモテ張るな!このバカ!!」とどやされていた(笑)
無事に接岸すると最後に、
危険❽岸壁の車止めとホーサーの干渉具合を確認する
ホーサーが車止めの上に乗って張られていれば良いが、引っかかりがある場合には一旦緩めて掛け直してやればいい(車止め損傷数十万円)。その引っかかりでホーサーに傷が付き、荷役や波による船体動揺で切れる可能性がある。
そんな行程を経て接岸する訳だが、岸壁側の綱取りをしてくれる人と船側のホーサーを出す人との連携ができないと、スムーズにはいかなくなる。
特にフェンダー付近でホーサーをビットにかける場合、船とのホーサー角度から❸❹と❹'には船側の捌く全員で神経を使う。
とは言え、そんな事を気にもせず、ホーサーをダーーーッと出して漂わせ、フェンダーの下を潜らせてしまうなぁんにも考えてないボッサリした船員が多くいるのも事実である。マジで言いたい。このクソどもが!(©️笑)
常に変わる接岸
ホーサーを取る順番①〜④は後進接岸なら②ヘッドラインから取ったり、③トモスプリングから取る場合もあるし、風や潮流のため②や④スターンラインから取る場合もある。
船の状態や港の特色で、その都度臨機応変に対応できるように、常に状況把握しておくのが肝要だ。
その時の乗員の力量(対応力)によって、綱取りの人数や取り方が解っている人かどうか、違ったら直ぐに気付けて直させられるか否かで、接岸時間の短縮、ホーサーの傷みや事故は無くせるのである。
そういう人がいない場合…オモテからトモまで走り回って対応する必要も…
疲れるでホンマに。
補足余談 笑い話
仮バースや、休暇直前には、テンションが高くなって、変なことを言い出す凡ゆる立場の人がいる。
普段通りの流れを崩す様な、タイミングが違ったり、いつもと違うやり方を突然言い出したり、何の問題も無い部分をダメだと言い出したりする。※他のヨタ話に夢中で仕事をすっ飛ばしたりもある
そういう人に惑わされ、いつもと違うことをすると、概ね失敗に繋がる。余計な二度手間や三度手間、ひどい時は一旦船を離してやり直しになることがある。
なので「いつも通りにやるから大丈夫!」と強く促して黙らせるのが一番効果的である。
たまには仕方なく「うるさいだまれ!」と一喝してしまうことも必要だ。
嬉しいのは解るが、人の邪魔はすんな!クソどもが!!©️2回目使用
そんなこんなで、コンテナ船は今日も目一杯でシフト接岸して、寝不足な乗員の体力を蝕んでいます。
船乗りの仕事 コンテナ船 内航船 Full Ver.
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2016年04月06日
船乗りの仕事。新入り船員に告ぐ
いやいや、自分も偉そうなことを言えるほどまだ船乗りやって長くはないので、これまで感じたことをちょっと要約して列挙してみる。
海運会社によっては、新人研修でビジネスライクな人との接し方や基本的な挨拶の仕方、電話の受け答えなんかを習ったりするかもしれない。それとは別に船乗りとしての箇条書。
挨拶は基本。
朝起きて最初に会った相手には挨拶する。
上司、同僚はもちろん、港湾荷役関係者などにも「おはようございます」。
船橋に上がって入る時、「(安全航海)ありがとうございました!」と言って入る。
先ず最初の仕事は「掃除」
卒業校などの違いで、職員か部員で多少違うかもしれないが、「掃除」を仰せつかまつった際には…
船橋やトイレ、居住区、共同区画やレクルームなどの清掃を「仕事」として与えられる。つまりそれが給料をもらうための労働となる。ダラダラしたり手を抜くのはもう少し慣れてからにして、先ずは一生懸命に「掃除」をしてほしい。汗かくよ〜本気で掃除したら。
船橋に上がって当直
当直の際、挨拶して入った後には、先ず全ての確認。
いきなりレーダーや電子海図などを絶対に触らない。
周りをよく見て、天候、現在地、針路、エンジン回転数、同反航船や横切り船、漁船の有無などを確認する。特に風はウイングに出ないと実際にはわからない。
全て確認してから「交代します」と申し出て引き継ぎする。
当直の要は「海図」にあり
これは今時なら、電子海図がアナログな紙の海図に取って代わりつつある。が!紙の海図があるならその都度見て「浅瀬」「ブイ」「灯標」「目標物」「海苔や養殖漁具」の存在や見える景色と海図との整合性の確認を推奨する。
さらには船によって海図に重要な情報を書き込まれていたりもする。通報位置や燃料切り替え位置、変針点と針路、距離などなど。
作業は見て盗め。
いや、道具盗んでどうすんねん。ちゃうやんか…
細かく教えてくれる先輩なら良いが、年配者などで言葉も発せず黙々と作業を進めていく。初めは使い走りで仕方なし。使い走りしながらどこにどんな道具があるか、その作業には何が必要か、どんな風に使うか、進めていく手順などを覚えていく。
片付け方も、元の場所に、先ずは基本の片付け方をキチンと覚える。
疑問や不確かなことはその都度聞く。
当たり前田のクラッカー。
勘違いは誰でもあるがそのまま突っ走らない。
確実に一つ一つをこなして、間違わないように。
一度聞いたら忘れない。
一度言われたら忘れない。
注意されたら二度としない。※理不尽なのもあり(笑)
して良い失敗とダメな失敗がある。
新人船員の諸兄には上記を留意されたい。
気張って頑張り、船乗りを続け、また次に来る人に教えられる立場になって行ってもらいたい。
細か〜いことをいろいろ言われると思うけど、めげずに頑張りましょう。
追記
そうやって頑張ってくれる新人諸兄に対し、当たり前と目上からの目線でなく
「おつかれさん」
「ありがとう」
と労い、鼓舞して差し上げるほか、ちょっとした差し入れなんかを渡して一服させてやるのは、先輩の役目である。

船乗りの仕事 コンテナ船 内航船 Full Ver.
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船乗りの仕事。第2弾-749型コンテナ船の一週間。荷役 船上生活 離着桟
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海運会社によっては、新人研修でビジネスライクな人との接し方や基本的な挨拶の仕方、電話の受け答えなんかを習ったりするかもしれない。それとは別に船乗りとしての箇条書。
挨拶は基本。
朝起きて最初に会った相手には挨拶する。
上司、同僚はもちろん、港湾荷役関係者などにも「おはようございます」。
船橋に上がって入る時、「(安全航海)ありがとうございました!」と言って入る。
先ず最初の仕事は「掃除」
卒業校などの違いで、職員か部員で多少違うかもしれないが、「掃除」を仰せつかまつった際には…
船橋やトイレ、居住区、共同区画やレクルームなどの清掃を「仕事」として与えられる。つまりそれが給料をもらうための労働となる。ダラダラしたり手を抜くのはもう少し慣れてからにして、先ずは一生懸命に「掃除」をしてほしい。汗かくよ〜本気で掃除したら。
船橋に上がって当直
当直の際、挨拶して入った後には、先ず全ての確認。
いきなりレーダーや電子海図などを絶対に触らない。
周りをよく見て、天候、現在地、針路、エンジン回転数、同反航船や横切り船、漁船の有無などを確認する。特に風はウイングに出ないと実際にはわからない。
全て確認してから「交代します」と申し出て引き継ぎする。
当直の要は「海図」にあり
これは今時なら、電子海図がアナログな紙の海図に取って代わりつつある。が!紙の海図があるならその都度見て「浅瀬」「ブイ」「灯標」「目標物」「海苔や養殖漁具」の存在や見える景色と海図との整合性の確認を推奨する。
さらには船によって海図に重要な情報を書き込まれていたりもする。通報位置や燃料切り替え位置、変針点と針路、距離などなど。
作業は見て盗め。
いや、道具盗んでどうすんねん。ちゃうやんか…
細かく教えてくれる先輩なら良いが、年配者などで言葉も発せず黙々と作業を進めていく。初めは使い走りで仕方なし。使い走りしながらどこにどんな道具があるか、その作業には何が必要か、どんな風に使うか、進めていく手順などを覚えていく。
片付け方も、元の場所に、先ずは基本の片付け方をキチンと覚える。
疑問や不確かなことはその都度聞く。
当たり前田のクラッカー。
勘違いは誰でもあるがそのまま突っ走らない。
確実に一つ一つをこなして、間違わないように。
一度聞いたら忘れない。
一度言われたら忘れない。
注意されたら二度としない。※理不尽なのもあり(笑)
して良い失敗とダメな失敗がある。
新人船員の諸兄には上記を留意されたい。
気張って頑張り、船乗りを続け、また次に来る人に教えられる立場になって行ってもらいたい。
細か〜いことをいろいろ言われると思うけど、めげずに頑張りましょう。
追記
そうやって頑張ってくれる新人諸兄に対し、当たり前と目上からの目線でなく
「おつかれさん」
「ありがとう」
と労い、鼓舞して差し上げるほか、ちょっとした差し入れなんかを渡して一服させてやるのは、先輩の役目である。
船乗りの仕事 コンテナ船 内航船 Full Ver.
http://t.co/RR3pGajY43
船乗りの仕事。第2弾-749型コンテナ船の一週間。荷役 船上生活 離着桟
http://t.co/yqvPkRfhy2
2016年03月20日
船乗りの仕事。気づき考え行動する〜ホーサー手入れ
船乗りの仕事 コンテナ船 内航船 Full Ver.
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船乗りの仕事。第2弾-749型コンテナ船の一週間。荷役 船上生活 離着桟
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ホーサーの手入れ。
毎日、離接岸を繰り返しているとどうしても擦れたり引っかかることによりホーサーが傷む。
ある程度までは意外と「持つ」が、港内にまでうねりが入るような岸壁に接岸するような時には、その傷んだところから切れる。
ホーサーの破断は重大事故に繋がる可能性が最も高く、日頃の点検を疎かにはできないものである。
今回は補強する擦れ止めのテープを巻いて手当てする。
※大体いつも同じ部位が擦れることになるので徐々に傷む

この部分を手当てしていく。(包帯)

依りに添って刺していく(1本目)

締まりきったホーサーの編み目にスパイキを突っ込んでこじ開けながら(2本目)

ほぼ隠れてきた(3本目)

完成(4本目)
傷を隠す視的効果も(綺麗に見える)あるが、補強するのが目的である。
傷からブチブチと破断するので破断防止と共に、障害物との接触による擦れを防止するという一石三鳥!
仕上げて安心!スッキリ見えて気分も良い!
本人の気分も含めると幾重にも重なる高効率な効果的作業となる。
それではまた次回。
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ホーサーの手入れ。
毎日、離接岸を繰り返しているとどうしても擦れたり引っかかることによりホーサーが傷む。
ある程度までは意外と「持つ」が、港内にまでうねりが入るような岸壁に接岸するような時には、その傷んだところから切れる。
ホーサーの破断は重大事故に繋がる可能性が最も高く、日頃の点検を疎かにはできないものである。
今回は補強する擦れ止めのテープを巻いて手当てする。
※大体いつも同じ部位が擦れることになるので徐々に傷む
この部分を手当てしていく。(包帯)
依りに添って刺していく(1本目)
締まりきったホーサーの編み目にスパイキを突っ込んでこじ開けながら(2本目)
ほぼ隠れてきた(3本目)
完成(4本目)
傷を隠す視的効果も(綺麗に見える)あるが、補強するのが目的である。
傷からブチブチと破断するので破断防止と共に、障害物との接触による擦れを防止するという一石三鳥!
仕上げて安心!スッキリ見えて気分も良い!
本人の気分も含めると幾重にも重なる高効率な効果的作業となる。
それではまた次回。
2016年02月17日
船乗りの仕事。鉄の塊は朽ちて
船乗りの仕事 コンテナ船 内航船 Full Ver.
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船乗りの仕事。第2弾-749型コンテナ船の一週間。荷役 船上生活 離着桟
http://t.co/yqvPkRfhy2
船の歴史
およそ一万年前、最初の船が作られたとされている。主要な船体構造には木材を用いており、木をくり抜いたり、組み合わせた小さな筏などで人や荷物を運んだのが始まりだ。
その後木造船は、長い時を経て世界を巡る旅をしながら進化して行き、遂に1818年イギリスにより記録上最初の鉄船が作られた。
現代の船舶
木造船、FRP(グラスファイバー樹脂)船、鋼船などが主流となり、大型化して沢山の貨物を運ぶ船には複雑な構造にも加工のし易い鋼材(鉄船とは区別されているらしい)を用いて作られている。
鋼材船の辛いところ
鉄船とは区別されているとは言え、鋼材も「鉄」なので、海水に浸かれば当然ながら錆びる訳で、だからと言ってステンレスで作ることはない。
※鉄に比べてステンレスは比重が重く総トン数に関わり加工法も違い価格も5倍ほど違い船価がトンデモなくなるためメリットが無い
錆び打ち作業
となれば、錆との闘いは船乗りの仕事ということになる。
ご周知のとおり鋼材船は金属がそのままむき出しにはなっておらず、ペンキで保護されている。新造船時に下地として錆止めが塗布された上にペンキで色を付けて仕上げられているのだ。
が!その下地やペンキが良い悪いは抜きとして、経年変化として鋼材はちゃんと錆びてくる。
放っておくとどんどん広がり、分厚い錆びの表面がペンキを浮かせてくる訳である。
例えば…


何年も放置していたのがハッキリわかるのがいささか恥ずかしいのだが、それはもう自分が来るまでの話。
ということで…
さぁて、やりまっせ〜!!
道具をよ〜い!

パワーファイター
※電動タガネ、バリバリ、鉄砲など人により呼び名が違う

グラインダー(カップワイヤー装着)
ケレンハンマー※カンカンハンマー
保護メガネ※飛んできて危ない
粉塵保護マスク※吸い込んだら身体壊す

なかなか手強い錆び…
厚い錆びで一回り小さく(笑)
気にせずしっかり下の表面まで叩き出す!


振動で手が痺れて来る頃、やっと正体を現した表面。ここまではパワーファイターのみで叩き出した。
※錆び破片を水で流したフェアリーダー

時間に余裕があれば、カップワイヤーでさらに表面を研磨して錆止め塗料を塗る。
…のだが、そんなに慌ててやることでも無い。本体表面まで叩き出しておけば、多少海水に浸かって錆びが浮いても「粉」程度。
カップワイヤー以降の作業はまた後日に改めて。今回した所のやり残しが無いか点検してからでも何の問題も無いのである。
というより、写真はこれだけだが範囲はもっと広くやっているので要するに、飽きた(笑)
ハッキリ言って、「趣味」みたいな仕事であり、自分が乗る船はキレイにしときたいって人がやることなんで、それで何の利益も生み出す訳ではなく、手当がつく訳でもなく…経費を遣うだけでもある(笑)
但し、リセールで売船する時には多少色が付くのかもね。ワシには関係あらへんけどな!
はは!
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船の歴史
およそ一万年前、最初の船が作られたとされている。主要な船体構造には木材を用いており、木をくり抜いたり、組み合わせた小さな筏などで人や荷物を運んだのが始まりだ。
その後木造船は、長い時を経て世界を巡る旅をしながら進化して行き、遂に1818年イギリスにより記録上最初の鉄船が作られた。
現代の船舶
木造船、FRP(グラスファイバー樹脂)船、鋼船などが主流となり、大型化して沢山の貨物を運ぶ船には複雑な構造にも加工のし易い鋼材(鉄船とは区別されているらしい)を用いて作られている。
鋼材船の辛いところ
鉄船とは区別されているとは言え、鋼材も「鉄」なので、海水に浸かれば当然ながら錆びる訳で、だからと言ってステンレスで作ることはない。
※鉄に比べてステンレスは比重が重く総トン数に関わり加工法も違い価格も5倍ほど違い船価がトンデモなくなるためメリットが無い
錆び打ち作業
となれば、錆との闘いは船乗りの仕事ということになる。
ご周知のとおり鋼材船は金属がそのままむき出しにはなっておらず、ペンキで保護されている。新造船時に下地として錆止めが塗布された上にペンキで色を付けて仕上げられているのだ。
が!その下地やペンキが良い悪いは抜きとして、経年変化として鋼材はちゃんと錆びてくる。
放っておくとどんどん広がり、分厚い錆びの表面がペンキを浮かせてくる訳である。
例えば…
何年も放置していたのがハッキリわかるのがいささか恥ずかしいのだが、それはもう自分が来るまでの話。
ということで…
さぁて、やりまっせ〜!!
道具をよ〜い!
パワーファイター
※電動タガネ、バリバリ、鉄砲など人により呼び名が違う
グラインダー(カップワイヤー装着)
ケレンハンマー※カンカンハンマー
保護メガネ※飛んできて危ない
粉塵保護マスク※吸い込んだら身体壊す
なかなか手強い錆び…
厚い錆びで一回り小さく(笑)
気にせずしっかり下の表面まで叩き出す!
振動で手が痺れて来る頃、やっと正体を現した表面。ここまではパワーファイターのみで叩き出した。
※錆び破片を水で流したフェアリーダー
時間に余裕があれば、カップワイヤーでさらに表面を研磨して錆止め塗料を塗る。
…のだが、そんなに慌ててやることでも無い。本体表面まで叩き出しておけば、多少海水に浸かって錆びが浮いても「粉」程度。
カップワイヤー以降の作業はまた後日に改めて。今回した所のやり残しが無いか点検してからでも何の問題も無いのである。
というより、写真はこれだけだが範囲はもっと広くやっているので要するに、飽きた(笑)
ハッキリ言って、「趣味」みたいな仕事であり、自分が乗る船はキレイにしときたいって人がやることなんで、それで何の利益も生み出す訳ではなく、手当がつく訳でもなく…経費を遣うだけでもある(笑)
但し、リセールで売船する時には多少色が付くのかもね。ワシには関係あらへんけどな!
はは!
2016年01月15日
船乗りの仕事。息切れ燃え尽きそうなとき
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歳も歳ということもあって、また船長や機関長、または周りの仲間に支えられて、突っ走って色々急ごしらえにやってきた船乗りの仕事。
何度も繰り返し言うが、一度で理屈を全て理解できるほど甘い仕事では無い。
でも常に本番で、練習だからという扱いを受けることも無く、緊張感を持ってアレもコレもと何よりも安全に気を配る。
そんな仕事ではあるが、やはりある程度覚えてできる様になると余裕も出てきてさらには、少し頭打ち的な、てっぺんに辿り着いた様な錯覚に陥る。
錯覚に本人が気付いていて、更にモチベーションを上げて維持できるならそれは素晴らしいことだが、自分はそれほど意識を高く維持するのは難しい…と言うより無理(笑)
そんなこんなで、次にどんな仕事ができれば良いのか?という壁にぶち当たり、それが内心で燻りに変わりつつあった。現状で満足してはいけないことは承知のうえでモチベーションが停滞していた。
職務としてはもう二航士になってしまい、もうコレはできない、アレは知らないなんてことも通用しなくなってからの今回の転船。知らなくても応用できないとという段階である。
転船先の船ではもちろんまだまだ知らないこともたくさんあり、それは知ったかぶりなどせずもちろんいちから教えてもらい、現場で処理しながら確実にモノにしていく姿勢は示す。
しかしそこは40代、要領で熟す作法を心得ている!
これまでやってきたことは、船に関しては基本が共通していて、全て応用が効く。
この船ではこういう事があるからここは気をつけておけば良いんやなぁ。ここは構造的にこんな風にしてるのか。と直ぐに理解できるほどにはなったな〜と実感している。
そのおかげで、先回りして動けるのでかなり仕事が捗るし、後回しにできることとのメリハリもつけて楽に要領を使える様になっているのである。
実はかなり息切れして限界みたいなものを感じていたので、心機一転して他の船に来たのはタイミングも良かったと感じている。
瀬戸内が怖いと思ってた部分と、自分の実力を確認して足りないものを見極めるのに今はまた、充実して打ち込める様になった。
新たな仕事の部分をなるだけ楽しみながら熟す、という面倒な壁を乗り越えて、また少し船乗りとして深めたいと思う毎日になった。
まぁこんな対応ができる会社の環境は、望もうと望むまいとに関わらず、
焦っても何も得せぇへん。ぼちぼち行こやぁ。
と気持ちの切り替え(開き直り)ができる良いところなのである。
あとは休暇がだいたい予定通り回ること…
2015年12月23日
船乗りの仕事。潮流転流順中逆西

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船乗りの仕事。第2弾-749型コンテナ船の一週間。荷役 船上生活 離着桟
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ついに念願?!悲願?叶ってというべきか瀬戸内の船に転船してきたわけだが、神戸から関門辺りの港を転々と寄りながらこれがまた中々の強行軍である。
しかしまぁ、内航船乗りにとって瀬戸内の一人ワッチができるかというところは、非常に重要なファクターである。
特に明石、備讃瀬戸の東北南、来島、関門に至る主要航路とその特色は、浅瀬の存在、干満に関わる潮流、季節ごとの漁船や漁具の種類を含めて、東北や日本海、東京湾や伊勢湾に比して最も賑やかな海域となる。
さて、先ずは。
航路の優先航行順位として、各種船舶間の航法が定められ細かいところは省略するが主に、
①200m以上の巨大船
喫水と水深との関係で航路を離れる(逸れる)ことが困難なため
②漁船
何せ生活が懸かっているため航路内外関わらず魚がいるところに縦横無尽。季節ごと、漁具ごとの特徴がある
③その他の船
機関を用いて航行する動力船
となる。
巨大船にはエスコートボートというタグや水先船が途中(入港バース手前の航路内など)で合流して他の船舶への警戒業務に当たり、
航行関係性によってVHFで呼び出して協力を呼びかけたりする。
備讃瀬戸の各航路内では備讃マーチスからの情報が随時あり、漁船の集中しているエリアなどが警戒されていて、付近航行の船舶に直接呼びかけたりもしてくれる。
特殊な航法
来島海峡については、連れ潮(風で言うところの追い風)は中水道を通り、逆潮(同じく向かい風)では西水道を通るという特殊な航法(順中逆西と言う)となり、潮流を通航時刻に合わせて事前に調べておき、転流時刻1時間前ごろには位置通報ラインから来島マーチスに確認して通るというなんともややこしい難所となっている。
※AIS搭載船は転流時のみ位置通報確認が必要で、タンカー、巨大船などは他にも規定有り。
※風で例を挙げたが、潮の流れであり、実際の風が向かい風や追い風でも関係無いので御注意を。
潮流や転流というのは、潮の満ち引きと関係していて、瀬戸内は狭い水道になっているために満潮時に向けて、又は干潮時に向けて流れ込んだり流れ出る時に潮の流れが起きる。
一番早く流れている時を最強(MAX)として潮汐表にその時刻が書かれていて、流れ出る時と入る時とのちょうど合間が転流時刻(slack)となる。いやいやしかし自然ってスゴイな〜(笑)
今は乗ったばかりなので、そんな全てが物珍しく、ほー!へー!などと思いながら調べたり見たりしながら航海しているが、そんなことも当たり前になった時、やっと一人前になれるのかなと少しワクワクしながら楽しく過ごしている。
本当は滅茶苦茶、瀬戸内に来るのにビビってたのは内緒の話です。(笑)
2015年11月29日
船乗りの仕事。転船転船アンド転船
船乗りの仕事 コンテナ船 内航船 Full Ver.
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船乗りの仕事。第2弾-749型コンテナ船の一週間。荷役 船上生活 離着桟
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8月のある日、次のスキルアップのための転船先が大方決まり、1年半ほど乗って慣れた船を離れることになった。
休暇を取る前に、一旦転船してからとのことだったので、早目に部屋の片付けを始めたのだが…。
さすがに1年半も過ごすと、荷物が増えていて夏物冬物の服から生活用品、娯楽品に至るまで110サイズの段ボールが6個!
北海道航路だったのと、部屋が多くて広いこともあり、完全に自室となっていたので持ち帰らず、特に冬のインナーとアウターがかさ張ってしまった。
転船先で必要なものを仕分けて会社へ送り、後は自宅へ。
と、そこまでは良かったのだが。
さぁ明後日は転船!という時になって"待った"がかかった。
他の船で船長が休暇を取れないために代行が必要となり、先に本船の代行がそっちへ応援に行くことになったのだ。
…まぁ、仕方ないね。ということでそのまま休暇を取るまで残留し、休暇明けの転船となった。
そして休暇中。
そろそろ乗船時期となり準備を始めたその日!
「ちょっと緊急で別の船へ応援行ってください。今日行けますか?」
との電話が。
乗船するだけの準備なら直ぐに出来るので承諾したら、
「じゃ、すぐ向かってもらえますか」
てな訳で、縁が無いのかただの人員不足か未だに転船予定の船には辿り着けていない。
冬支度の作業着、他の荷物はもうとっくの前、9月の始めには送っているのに(笑)
年末に転船予定だがどうなることやら。。。

空から見た世界有数の難所来島海峡。
これを通れなきゃ商売になんねぇ!
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船乗りの仕事。第2弾-749型コンテナ船の一週間。荷役 船上生活 離着桟
http://t.co/yqvPkRfhy2
8月のある日、次のスキルアップのための転船先が大方決まり、1年半ほど乗って慣れた船を離れることになった。
休暇を取る前に、一旦転船してからとのことだったので、早目に部屋の片付けを始めたのだが…。
さすがに1年半も過ごすと、荷物が増えていて夏物冬物の服から生活用品、娯楽品に至るまで110サイズの段ボールが6個!
北海道航路だったのと、部屋が多くて広いこともあり、完全に自室となっていたので持ち帰らず、特に冬のインナーとアウターがかさ張ってしまった。
転船先で必要なものを仕分けて会社へ送り、後は自宅へ。
と、そこまでは良かったのだが。
さぁ明後日は転船!という時になって"待った"がかかった。
他の船で船長が休暇を取れないために代行が必要となり、先に本船の代行がそっちへ応援に行くことになったのだ。
…まぁ、仕方ないね。ということでそのまま休暇を取るまで残留し、休暇明けの転船となった。
そして休暇中。
そろそろ乗船時期となり準備を始めたその日!
「ちょっと緊急で別の船へ応援行ってください。今日行けますか?」
との電話が。
乗船するだけの準備なら直ぐに出来るので承諾したら、
「じゃ、すぐ向かってもらえますか」
てな訳で、縁が無いのかただの人員不足か未だに転船予定の船には辿り着けていない。
冬支度の作業着、他の荷物はもうとっくの前、9月の始めには送っているのに(笑)
年末に転船予定だがどうなることやら。。。
空から見た世界有数の難所来島海峡。
これを通れなきゃ商売になんねぇ!
2015年10月19日
船乗りの仕事。世代交代。
船乗りの仕事 コンテナ船 内航船 Full Ver.
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船乗りの仕事。第2弾-749型コンテナ船の一週間。荷役 船上生活 離着桟
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昨今の船員不足は、現実として世代の分布が高齢化の逆ピラミッドとなっている。
定年を過ぎてもまだ需要は絶えずあり、隠居するより仕事している方が退屈しないなんて言いながら、船員生活を続けるおじさん達。
その裏で運輸局の船員課には二次元化されたイマドキなキャラクターが「船員になろう!」と啓発ポスターが掲示されているほど若年層の育成は危急を要している。
事実、商船では二次元ファンには最高の環境を作ることも出来るようだ。某船員によれば個室で光熱費不要というだけで、メリットが充分だそうだ。
話を戻して高齢化。
何よりも懸念事項は、もう引退間近な高齢層がいつまでも退かずにそのポジション、ポストにしがみつく。何故なのか?
大手の船社などは年功序列がため、またはキッチリと段階を踏んでからの職位チェンジとなるため、ある程度は仕方のないところであるかもしれない。
しかし小さな内航船の少人数制で、誰もが何でもやらなきゃって環境の中ではもちろん各自に責任も付きまとう。
立場や発言力の強い者がいい加減にしたり、あれこれ理由を付けて下の誰かに責任をなすりつける様な者もいるのだ。
流石に入ったばかりの新人にイキナリ、お前がチョッサー(C/O)をやれ!
と言われても何が何だか訳も分からない。
しかし長年それを熟してきた熟練の年長者がしっかりとバックアップしてノウハウを叩き込めば、1年から2年でやる気があるならば若年層はある程度習熟する。
もちろん、誰も彼もがそんな高い意識で仕事に向き合ってはいない。しかしできる様になりたい!と思っている人は勝手に努力してどんどん吸収していく。数年のアドバンテージなどあっと言う間に追いつかれてしまう。
50代〜60代の船員の皆さんにお願いしたいのは、スムーズに世代交代をする為、若い世代に任せてやらせる。でもちゃんとそれを見ててやる。間違えたらまた教える。何でそうするかという意味までを教えればそこからまた若いなりの発想で変えていくところもあるわけで。
「もうあんたら若いもんが作っていく時代や」そういう太っ腹な貫禄を期待したいところである。
それが上手くいっている船では20代の船長というのも生まれてきている。
船長という職についてはこれまた仕事だけではなく全くの別物で、人柄や乗員総てに応じながらという大役もあるしその発言や決定は絶対。逆に決めて言うならその言葉の責任も負うこととなる。中途半端な指示は乗員みんなが困るからだ。
しかしそれまでの努力が認められ、乗員を含む周りからも推薦されてそうなるのだろう。
自分はまだそれとは程遠い下々の船員である。少しでも上の負担を軽くできればと任されるように精進あるのみである。
それがしかし仕事を覚える近道で、将来自分がその立場になった時、皮肉にもこういうやり方はせんとこって勉強もできるのだ!

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船乗りの仕事。第2弾-749型コンテナ船の一週間。荷役 船上生活 離着桟
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昨今の船員不足は、現実として世代の分布が高齢化の逆ピラミッドとなっている。
定年を過ぎてもまだ需要は絶えずあり、隠居するより仕事している方が退屈しないなんて言いながら、船員生活を続けるおじさん達。
その裏で運輸局の船員課には二次元化されたイマドキなキャラクターが「船員になろう!」と啓発ポスターが掲示されているほど若年層の育成は危急を要している。
事実、商船では二次元ファンには最高の環境を作ることも出来るようだ。某船員によれば個室で光熱費不要というだけで、メリットが充分だそうだ。
話を戻して高齢化。
何よりも懸念事項は、もう引退間近な高齢層がいつまでも退かずにそのポジション、ポストにしがみつく。何故なのか?
大手の船社などは年功序列がため、またはキッチリと段階を踏んでからの職位チェンジとなるため、ある程度は仕方のないところであるかもしれない。
しかし小さな内航船の少人数制で、誰もが何でもやらなきゃって環境の中ではもちろん各自に責任も付きまとう。
立場や発言力の強い者がいい加減にしたり、あれこれ理由を付けて下の誰かに責任をなすりつける様な者もいるのだ。
流石に入ったばかりの新人にイキナリ、お前がチョッサー(C/O)をやれ!
と言われても何が何だか訳も分からない。
しかし長年それを熟してきた熟練の年長者がしっかりとバックアップしてノウハウを叩き込めば、1年から2年でやる気があるならば若年層はある程度習熟する。
もちろん、誰も彼もがそんな高い意識で仕事に向き合ってはいない。しかしできる様になりたい!と思っている人は勝手に努力してどんどん吸収していく。数年のアドバンテージなどあっと言う間に追いつかれてしまう。
50代〜60代の船員の皆さんにお願いしたいのは、スムーズに世代交代をする為、若い世代に任せてやらせる。でもちゃんとそれを見ててやる。間違えたらまた教える。何でそうするかという意味までを教えればそこからまた若いなりの発想で変えていくところもあるわけで。
「もうあんたら若いもんが作っていく時代や」そういう太っ腹な貫禄を期待したいところである。
それが上手くいっている船では20代の船長というのも生まれてきている。
船長という職についてはこれまた仕事だけではなく全くの別物で、人柄や乗員総てに応じながらという大役もあるしその発言や決定は絶対。逆に決めて言うならその言葉の責任も負うこととなる。中途半端な指示は乗員みんなが困るからだ。
しかしそれまでの努力が認められ、乗員を含む周りからも推薦されてそうなるのだろう。
自分はまだそれとは程遠い下々の船員である。少しでも上の負担を軽くできればと任されるように精進あるのみである。
それがしかし仕事を覚える近道で、将来自分がその立場になった時、皮肉にもこういうやり方はせんとこって勉強もできるのだ!