2016年03月20日
船乗りの仕事。気づき考え行動する〜ホーサー手入れ
船乗りの仕事 コンテナ船 内航船 Full Ver.
http://t.co/RR3pGajY43
船乗りの仕事。第2弾-749型コンテナ船の一週間。荷役 船上生活 離着桟
http://t.co/yqvPkRfhy2
ホーサーの手入れ。
毎日、離接岸を繰り返しているとどうしても擦れたり引っかかることによりホーサーが傷む。
ある程度までは意外と「持つ」が、港内にまでうねりが入るような岸壁に接岸するような時には、その傷んだところから切れる。
ホーサーの破断は重大事故に繋がる可能性が最も高く、日頃の点検を疎かにはできないものである。
今回は補強する擦れ止めのテープを巻いて手当てする。
※大体いつも同じ部位が擦れることになるので徐々に傷む

この部分を手当てしていく。(包帯)

依りに添って刺していく(1本目)

締まりきったホーサーの編み目にスパイキを突っ込んでこじ開けながら(2本目)

ほぼ隠れてきた(3本目)

完成(4本目)
傷を隠す視的効果も(綺麗に見える)あるが、補強するのが目的である。
傷からブチブチと破断するので破断防止と共に、障害物との接触による擦れを防止するという一石三鳥!
仕上げて安心!スッキリ見えて気分も良い!
本人の気分も含めると幾重にも重なる高効率な効果的作業となる。
それではまた次回。
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船乗りの仕事。第2弾-749型コンテナ船の一週間。荷役 船上生活 離着桟
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ホーサーの手入れ。
毎日、離接岸を繰り返しているとどうしても擦れたり引っかかることによりホーサーが傷む。
ある程度までは意外と「持つ」が、港内にまでうねりが入るような岸壁に接岸するような時には、その傷んだところから切れる。
ホーサーの破断は重大事故に繋がる可能性が最も高く、日頃の点検を疎かにはできないものである。
今回は補強する擦れ止めのテープを巻いて手当てする。
※大体いつも同じ部位が擦れることになるので徐々に傷む
この部分を手当てしていく。(包帯)
依りに添って刺していく(1本目)
締まりきったホーサーの編み目にスパイキを突っ込んでこじ開けながら(2本目)
ほぼ隠れてきた(3本目)
完成(4本目)
傷を隠す視的効果も(綺麗に見える)あるが、補強するのが目的である。
傷からブチブチと破断するので破断防止と共に、障害物との接触による擦れを防止するという一石三鳥!
仕上げて安心!スッキリ見えて気分も良い!
本人の気分も含めると幾重にも重なる高効率な効果的作業となる。
それではまた次回。
2016年03月18日
topic:船体構造物-フェアリーダー
船乗りの仕事 コンテナ船 内航船 Full Ver.
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船乗りの仕事。第2弾-749型コンテナ船の一週間。荷役 船上生活 離着桟
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錆打ちついでに分解して整備してみた。
ウインドラスでホーサーを巻き締める際、相当な力がかかっているところ。
分解の際には回転軸にクラック(ヒビ割れ)などが無いか念入りにチェックする。
今回は、錆打ちのための整備だったのでバラしたところから組立てする順に並べた。
フェアリーダーの回転ローラー部を外したところ。
錆打ちして
錆止め塗料とペンキで準備完了。

ローラー部を据え付ける。(重い)

大きなワッシャーを入れ

ナットを締める(デカい)
ナットの回り止めのロックネジ
※ナットと軸にそれぞれ半丸のネジが刻まれているのでナットを締めて合わせるとネジ穴になる。逆にこれを外さないとナットが取れない。
グリスアップ(回しながら50回ほど)
蓋を閉める(ネジ落とすなよ落とすなよ〜)
完成。クルックルやで!
※ローラー部の付け外しも重いのでロープなどでおらえて(縛って)おく方がよろしいかと存じます。また、ネジなどは片手を添えて落とさないようにされるのが()以下略
2016年02月17日
船乗りの仕事。鉄の塊は朽ちて
船乗りの仕事 コンテナ船 内航船 Full Ver.
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船乗りの仕事。第2弾-749型コンテナ船の一週間。荷役 船上生活 離着桟
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船の歴史
およそ一万年前、最初の船が作られたとされている。主要な船体構造には木材を用いており、木をくり抜いたり、組み合わせた小さな筏などで人や荷物を運んだのが始まりだ。
その後木造船は、長い時を経て世界を巡る旅をしながら進化して行き、遂に1818年イギリスにより記録上最初の鉄船が作られた。
現代の船舶
木造船、FRP(グラスファイバー樹脂)船、鋼船などが主流となり、大型化して沢山の貨物を運ぶ船には複雑な構造にも加工のし易い鋼材(鉄船とは区別されているらしい)を用いて作られている。
鋼材船の辛いところ
鉄船とは区別されているとは言え、鋼材も「鉄」なので、海水に浸かれば当然ながら錆びる訳で、だからと言ってステンレスで作ることはない。
※鉄に比べてステンレスは比重が重く総トン数に関わり加工法も違い価格も5倍ほど違い船価がトンデモなくなるためメリットが無い
錆び打ち作業
となれば、錆との闘いは船乗りの仕事ということになる。
ご周知のとおり鋼材船は金属がそのままむき出しにはなっておらず、ペンキで保護されている。新造船時に下地として錆止めが塗布された上にペンキで色を付けて仕上げられているのだ。
が!その下地やペンキが良い悪いは抜きとして、経年変化として鋼材はちゃんと錆びてくる。
放っておくとどんどん広がり、分厚い錆びの表面がペンキを浮かせてくる訳である。
例えば…


何年も放置していたのがハッキリわかるのがいささか恥ずかしいのだが、それはもう自分が来るまでの話。
ということで…
さぁて、やりまっせ〜!!
道具をよ〜い!

パワーファイター
※電動タガネ、バリバリ、鉄砲など人により呼び名が違う

グラインダー(カップワイヤー装着)
ケレンハンマー※カンカンハンマー
保護メガネ※飛んできて危ない
粉塵保護マスク※吸い込んだら身体壊す

なかなか手強い錆び…
厚い錆びで一回り小さく(笑)
気にせずしっかり下の表面まで叩き出す!


振動で手が痺れて来る頃、やっと正体を現した表面。ここまではパワーファイターのみで叩き出した。
※錆び破片を水で流したフェアリーダー

時間に余裕があれば、カップワイヤーでさらに表面を研磨して錆止め塗料を塗る。
…のだが、そんなに慌ててやることでも無い。本体表面まで叩き出しておけば、多少海水に浸かって錆びが浮いても「粉」程度。
カップワイヤー以降の作業はまた後日に改めて。今回した所のやり残しが無いか点検してからでも何の問題も無いのである。
というより、写真はこれだけだが範囲はもっと広くやっているので要するに、飽きた(笑)
ハッキリ言って、「趣味」みたいな仕事であり、自分が乗る船はキレイにしときたいって人がやることなんで、それで何の利益も生み出す訳ではなく、手当がつく訳でもなく…経費を遣うだけでもある(笑)
但し、リセールで売船する時には多少色が付くのかもね。ワシには関係あらへんけどな!
はは!
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船の歴史
およそ一万年前、最初の船が作られたとされている。主要な船体構造には木材を用いており、木をくり抜いたり、組み合わせた小さな筏などで人や荷物を運んだのが始まりだ。
その後木造船は、長い時を経て世界を巡る旅をしながら進化して行き、遂に1818年イギリスにより記録上最初の鉄船が作られた。
現代の船舶
木造船、FRP(グラスファイバー樹脂)船、鋼船などが主流となり、大型化して沢山の貨物を運ぶ船には複雑な構造にも加工のし易い鋼材(鉄船とは区別されているらしい)を用いて作られている。
鋼材船の辛いところ
鉄船とは区別されているとは言え、鋼材も「鉄」なので、海水に浸かれば当然ながら錆びる訳で、だからと言ってステンレスで作ることはない。
※鉄に比べてステンレスは比重が重く総トン数に関わり加工法も違い価格も5倍ほど違い船価がトンデモなくなるためメリットが無い
錆び打ち作業
となれば、錆との闘いは船乗りの仕事ということになる。
ご周知のとおり鋼材船は金属がそのままむき出しにはなっておらず、ペンキで保護されている。新造船時に下地として錆止めが塗布された上にペンキで色を付けて仕上げられているのだ。
が!その下地やペンキが良い悪いは抜きとして、経年変化として鋼材はちゃんと錆びてくる。
放っておくとどんどん広がり、分厚い錆びの表面がペンキを浮かせてくる訳である。
例えば…
何年も放置していたのがハッキリわかるのがいささか恥ずかしいのだが、それはもう自分が来るまでの話。
ということで…
さぁて、やりまっせ〜!!
道具をよ〜い!
パワーファイター
※電動タガネ、バリバリ、鉄砲など人により呼び名が違う
グラインダー(カップワイヤー装着)
ケレンハンマー※カンカンハンマー
保護メガネ※飛んできて危ない
粉塵保護マスク※吸い込んだら身体壊す
なかなか手強い錆び…
厚い錆びで一回り小さく(笑)
気にせずしっかり下の表面まで叩き出す!
振動で手が痺れて来る頃、やっと正体を現した表面。ここまではパワーファイターのみで叩き出した。
※錆び破片を水で流したフェアリーダー
時間に余裕があれば、カップワイヤーでさらに表面を研磨して錆止め塗料を塗る。
…のだが、そんなに慌ててやることでも無い。本体表面まで叩き出しておけば、多少海水に浸かって錆びが浮いても「粉」程度。
カップワイヤー以降の作業はまた後日に改めて。今回した所のやり残しが無いか点検してからでも何の問題も無いのである。
というより、写真はこれだけだが範囲はもっと広くやっているので要するに、飽きた(笑)
ハッキリ言って、「趣味」みたいな仕事であり、自分が乗る船はキレイにしときたいって人がやることなんで、それで何の利益も生み出す訳ではなく、手当がつく訳でもなく…経費を遣うだけでもある(笑)
但し、リセールで売船する時には多少色が付くのかもね。ワシには関係あらへんけどな!
はは!
2016年02月06日
船乗りの仕事。今後に活かす業界情報のまとめ
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今回の休暇中に知りえた情報源は、
尾道の新6級海技士取得講座の同期生達。
個人での海員組合員としての相談窓口。
その他、友人伝いや偶然的に知り合う船乗りの仲間。である。
第一にみんな口を揃えて言うことは、人手不足。
これはもう、物流業界全体のと言うよりも、日本国内における社会問題の一端である。
特に土方、馬方、船方などと言われ、昨今ではIT土方なんて揶揄される造語まであるくらいの底辺民の象徴となる職である。にも関わらず人手不足。そして高齢化。
つまり引く手数多である。
船乗りにとって人手不足ということは、過酷な労働環境の中で休みが取れ難くなるわけで、休暇を一巡させるため派遣船員を迎える必要が出てくる。
新たな人が加わると言うのは手がかかる上に、気を回すという意味で気疲れもする。
先ず、期間限定なため任せて仕事を進めることはない。
結局、負担が増えて疲弊することとなり危険にも繋がるのである。
次にはやはり、給与待遇面。
一言に貨物船と言っても、その扱う積荷による船種は数多ある。
タンカー、RORO、コンテナ、ばら積み、鋼材、ガット、などが大まかにあり細かくはもっと色々な積荷に応じた専用船も多数存在する。もちろん貨物船以外にも様々ある。
船種による船自体のサイズ、雇用船員の頭数、資格の有無、定期航路か否か、職級など様々な要件で給与の高低も会社または雇用側の考え方次第。高低については貰う側の価値観による各自の感想もあるわけだ。
大阪人は現在船乗り3年になろうとする時点で、職級は二航士。年収500万。月手取り35万。年間休日は実質100日といったところ。
船乗りになったばかりの頃は年収360万。たった3年で約150万上がった。
陸上での年収が約400万前後だったことを考えると、安定して少しは落ち着ける様になってきたところだ。乗船中、船員法では食費が出ることで約+40万あるので陸上勤務時よりは凡そ150万収入が増えた計算だ。
そしてこれは、船乗りの世界なので職人給。年齢は関係無い。
できる様になれば勝手に上がっていく。もっと早く船乗りになりたかったなぁ(笑)
最後に、待遇面として乗りたい船。
大阪人は元々の志望していた船種としてタグがあった。できればほぼ毎日帰ることができる船ということでの志望動機。
ま、その志望は免状が甲機両要という壁で最初の段階に打ち砕かれたものの、縁に恵まれ今の会社でコンテナ船ばかりに乗っているわけだ。
その中で、少数精鋭の船もあればもう皆んなが諦めた緩い船もあり、でもそれを経て自分がやるべきことは何か、どうしておく必要があるかなどの基本は学んだ。
コンテナ船ばかりであるが、少し大きい船も経験したことでその志望としての広がりは自分の中で拡張された。基本は全て応用なので、知識は基本から学ぶことが肝要。
そして船員生活をする中で出会う人達によって、自分に足りないものが浮き出され、今後においてどうするべきかを考えるキッカケとなっている。
履歴は船員手帳に記載されることから、職級の経験も明らかになる。この記載内容はある意味デタラメでもあるので、その履歴の職級が付く以上の実力がある方が望ましい。
まとめ
人手不足については今後、若い方も興味を示していたり、大阪人と同年代の世代も多く転職編入してきている。あとは船乗りってどんな仕事かを鋭意拡販し、島国日本の知られざる動脈をさらに活性化させられればと思う次第。高齢化に伴うポストの空洞化もチャンス。
給与面などは業界の活性化により、升が大きくなれば良いのだが内需外需ともこれだけは爆発的な増加は不可能。ならば職人の世界でもあり職級を上げることと、クライアントとの信頼関係による傭船増加くらいしか無い。安全は全ての作業に優先されるべきで、安全第一。ご安航を祈る。
大阪人はこの先、出来るだけ大きな船に乗ってみたい。バラ積みの経験もしたい。
必要なものは、最低3級の資格。一航士ないし船長代行の履歴または履歴はなくとも同等の知識と実力。応用力を養う経験。年齢が40代なのでのんびりしている余裕は無いという結論である。
あと3年以内で針路を最終的かつ確実な方向へ向ける。その間に業界及び会社の変化も見極めて準備を進める。※辞めるとは言ってない
船乗りで押し通す予定!笑
2016年01月15日
船乗りの仕事。息切れ燃え尽きそうなとき
船乗りの仕事 コンテナ船 内航船 Full Ver.
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船乗りの仕事。第2弾-749型コンテナ船の一週間。荷役 船上生活 離着桟
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歳も歳ということもあって、また船長や機関長、または周りの仲間に支えられて、突っ走って色々急ごしらえにやってきた船乗りの仕事。
何度も繰り返し言うが、一度で理屈を全て理解できるほど甘い仕事では無い。
でも常に本番で、練習だからという扱いを受けることも無く、緊張感を持ってアレもコレもと何よりも安全に気を配る。
そんな仕事ではあるが、やはりある程度覚えてできる様になると余裕も出てきてさらには、少し頭打ち的な、てっぺんに辿り着いた様な錯覚に陥る。
錯覚に本人が気付いていて、更にモチベーションを上げて維持できるならそれは素晴らしいことだが、自分はそれほど意識を高く維持するのは難しい…と言うより無理(笑)
そんなこんなで、次にどんな仕事ができれば良いのか?という壁にぶち当たり、それが内心で燻りに変わりつつあった。現状で満足してはいけないことは承知のうえでモチベーションが停滞していた。
職務としてはもう二航士になってしまい、もうコレはできない、アレは知らないなんてことも通用しなくなってからの今回の転船。知らなくても応用できないとという段階である。
転船先の船ではもちろんまだまだ知らないこともたくさんあり、それは知ったかぶりなどせずもちろんいちから教えてもらい、現場で処理しながら確実にモノにしていく姿勢は示す。
しかしそこは40代、要領で熟す作法を心得ている!
これまでやってきたことは、船に関しては基本が共通していて、全て応用が効く。
この船ではこういう事があるからここは気をつけておけば良いんやなぁ。ここは構造的にこんな風にしてるのか。と直ぐに理解できるほどにはなったな〜と実感している。
そのおかげで、先回りして動けるのでかなり仕事が捗るし、後回しにできることとのメリハリもつけて楽に要領を使える様になっているのである。
実はかなり息切れして限界みたいなものを感じていたので、心機一転して他の船に来たのはタイミングも良かったと感じている。
瀬戸内が怖いと思ってた部分と、自分の実力を確認して足りないものを見極めるのに今はまた、充実して打ち込める様になった。
新たな仕事の部分をなるだけ楽しみながら熟す、という面倒な壁を乗り越えて、また少し船乗りとして深めたいと思う毎日になった。
まぁこんな対応ができる会社の環境は、望もうと望むまいとに関わらず、
焦っても何も得せぇへん。ぼちぼち行こやぁ。
と気持ちの切り替え(開き直り)ができる良いところなのである。
あとは休暇がだいたい予定通り回ること…
2015年12月23日
船乗りの仕事。潮流転流順中逆西

船乗りの仕事 コンテナ船 内航船 Full Ver.
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船乗りの仕事。第2弾-749型コンテナ船の一週間。荷役 船上生活 離着桟
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ついに念願?!悲願?叶ってというべきか瀬戸内の船に転船してきたわけだが、神戸から関門辺りの港を転々と寄りながらこれがまた中々の強行軍である。
しかしまぁ、内航船乗りにとって瀬戸内の一人ワッチができるかというところは、非常に重要なファクターである。
特に明石、備讃瀬戸の東北南、来島、関門に至る主要航路とその特色は、浅瀬の存在、干満に関わる潮流、季節ごとの漁船や漁具の種類を含めて、東北や日本海、東京湾や伊勢湾に比して最も賑やかな海域となる。
さて、先ずは。
航路の優先航行順位として、各種船舶間の航法が定められ細かいところは省略するが主に、
①200m以上の巨大船
喫水と水深との関係で航路を離れる(逸れる)ことが困難なため
②漁船
何せ生活が懸かっているため航路内外関わらず魚がいるところに縦横無尽。季節ごと、漁具ごとの特徴がある
③その他の船
機関を用いて航行する動力船
となる。
巨大船にはエスコートボートというタグや水先船が途中(入港バース手前の航路内など)で合流して他の船舶への警戒業務に当たり、
航行関係性によってVHFで呼び出して協力を呼びかけたりする。
備讃瀬戸の各航路内では備讃マーチスからの情報が随時あり、漁船の集中しているエリアなどが警戒されていて、付近航行の船舶に直接呼びかけたりもしてくれる。
特殊な航法
来島海峡については、連れ潮(風で言うところの追い風)は中水道を通り、逆潮(同じく向かい風)では西水道を通るという特殊な航法(順中逆西と言う)となり、潮流を通航時刻に合わせて事前に調べておき、転流時刻1時間前ごろには位置通報ラインから来島マーチスに確認して通るというなんともややこしい難所となっている。
※AIS搭載船は転流時のみ位置通報確認が必要で、タンカー、巨大船などは他にも規定有り。
※風で例を挙げたが、潮の流れであり、実際の風が向かい風や追い風でも関係無いので御注意を。
潮流や転流というのは、潮の満ち引きと関係していて、瀬戸内は狭い水道になっているために満潮時に向けて、又は干潮時に向けて流れ込んだり流れ出る時に潮の流れが起きる。
一番早く流れている時を最強(MAX)として潮汐表にその時刻が書かれていて、流れ出る時と入る時とのちょうど合間が転流時刻(slack)となる。いやいやしかし自然ってスゴイな〜(笑)
今は乗ったばかりなので、そんな全てが物珍しく、ほー!へー!などと思いながら調べたり見たりしながら航海しているが、そんなことも当たり前になった時、やっと一人前になれるのかなと少しワクワクしながら楽しく過ごしている。
本当は滅茶苦茶、瀬戸内に来るのにビビってたのは内緒の話です。(笑)
2015年11月29日
船乗りの仕事。転船転船アンド転船
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8月のある日、次のスキルアップのための転船先が大方決まり、1年半ほど乗って慣れた船を離れることになった。
休暇を取る前に、一旦転船してからとのことだったので、早目に部屋の片付けを始めたのだが…。
さすがに1年半も過ごすと、荷物が増えていて夏物冬物の服から生活用品、娯楽品に至るまで110サイズの段ボールが6個!
北海道航路だったのと、部屋が多くて広いこともあり、完全に自室となっていたので持ち帰らず、特に冬のインナーとアウターがかさ張ってしまった。
転船先で必要なものを仕分けて会社へ送り、後は自宅へ。
と、そこまでは良かったのだが。
さぁ明後日は転船!という時になって"待った"がかかった。
他の船で船長が休暇を取れないために代行が必要となり、先に本船の代行がそっちへ応援に行くことになったのだ。
…まぁ、仕方ないね。ということでそのまま休暇を取るまで残留し、休暇明けの転船となった。
そして休暇中。
そろそろ乗船時期となり準備を始めたその日!
「ちょっと緊急で別の船へ応援行ってください。今日行けますか?」
との電話が。
乗船するだけの準備なら直ぐに出来るので承諾したら、
「じゃ、すぐ向かってもらえますか」
てな訳で、縁が無いのかただの人員不足か未だに転船予定の船には辿り着けていない。
冬支度の作業着、他の荷物はもうとっくの前、9月の始めには送っているのに(笑)
年末に転船予定だがどうなることやら。。。

空から見た世界有数の難所来島海峡。
これを通れなきゃ商売になんねぇ!
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8月のある日、次のスキルアップのための転船先が大方決まり、1年半ほど乗って慣れた船を離れることになった。
休暇を取る前に、一旦転船してからとのことだったので、早目に部屋の片付けを始めたのだが…。
さすがに1年半も過ごすと、荷物が増えていて夏物冬物の服から生活用品、娯楽品に至るまで110サイズの段ボールが6個!
北海道航路だったのと、部屋が多くて広いこともあり、完全に自室となっていたので持ち帰らず、特に冬のインナーとアウターがかさ張ってしまった。
転船先で必要なものを仕分けて会社へ送り、後は自宅へ。
と、そこまでは良かったのだが。
さぁ明後日は転船!という時になって"待った"がかかった。
他の船で船長が休暇を取れないために代行が必要となり、先に本船の代行がそっちへ応援に行くことになったのだ。
…まぁ、仕方ないね。ということでそのまま休暇を取るまで残留し、休暇明けの転船となった。
そして休暇中。
そろそろ乗船時期となり準備を始めたその日!
「ちょっと緊急で別の船へ応援行ってください。今日行けますか?」
との電話が。
乗船するだけの準備なら直ぐに出来るので承諾したら、
「じゃ、すぐ向かってもらえますか」
てな訳で、縁が無いのかただの人員不足か未だに転船予定の船には辿り着けていない。
冬支度の作業着、他の荷物はもうとっくの前、9月の始めには送っているのに(笑)
年末に転船予定だがどうなることやら。。。
空から見た世界有数の難所来島海峡。
これを通れなきゃ商売になんねぇ!
2015年10月19日
船乗りの仕事。世代交代。
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昨今の船員不足は、現実として世代の分布が高齢化の逆ピラミッドとなっている。
定年を過ぎてもまだ需要は絶えずあり、隠居するより仕事している方が退屈しないなんて言いながら、船員生活を続けるおじさん達。
その裏で運輸局の船員課には二次元化されたイマドキなキャラクターが「船員になろう!」と啓発ポスターが掲示されているほど若年層の育成は危急を要している。
事実、商船では二次元ファンには最高の環境を作ることも出来るようだ。某船員によれば個室で光熱費不要というだけで、メリットが充分だそうだ。
話を戻して高齢化。
何よりも懸念事項は、もう引退間近な高齢層がいつまでも退かずにそのポジション、ポストにしがみつく。何故なのか?
大手の船社などは年功序列がため、またはキッチリと段階を踏んでからの職位チェンジとなるため、ある程度は仕方のないところであるかもしれない。
しかし小さな内航船の少人数制で、誰もが何でもやらなきゃって環境の中ではもちろん各自に責任も付きまとう。
立場や発言力の強い者がいい加減にしたり、あれこれ理由を付けて下の誰かに責任をなすりつける様な者もいるのだ。
流石に入ったばかりの新人にイキナリ、お前がチョッサー(C/O)をやれ!
と言われても何が何だか訳も分からない。
しかし長年それを熟してきた熟練の年長者がしっかりとバックアップしてノウハウを叩き込めば、1年から2年でやる気があるならば若年層はある程度習熟する。
もちろん、誰も彼もがそんな高い意識で仕事に向き合ってはいない。しかしできる様になりたい!と思っている人は勝手に努力してどんどん吸収していく。数年のアドバンテージなどあっと言う間に追いつかれてしまう。
50代〜60代の船員の皆さんにお願いしたいのは、スムーズに世代交代をする為、若い世代に任せてやらせる。でもちゃんとそれを見ててやる。間違えたらまた教える。何でそうするかという意味までを教えればそこからまた若いなりの発想で変えていくところもあるわけで。
「もうあんたら若いもんが作っていく時代や」そういう太っ腹な貫禄を期待したいところである。
それが上手くいっている船では20代の船長というのも生まれてきている。
船長という職についてはこれまた仕事だけではなく全くの別物で、人柄や乗員総てに応じながらという大役もあるしその発言や決定は絶対。逆に決めて言うならその言葉の責任も負うこととなる。中途半端な指示は乗員みんなが困るからだ。
しかしそれまでの努力が認められ、乗員を含む周りからも推薦されてそうなるのだろう。
自分はまだそれとは程遠い下々の船員である。少しでも上の負担を軽くできればと任されるように精進あるのみである。
それがしかし仕事を覚える近道で、将来自分がその立場になった時、皮肉にもこういうやり方はせんとこって勉強もできるのだ!

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昨今の船員不足は、現実として世代の分布が高齢化の逆ピラミッドとなっている。
定年を過ぎてもまだ需要は絶えずあり、隠居するより仕事している方が退屈しないなんて言いながら、船員生活を続けるおじさん達。
その裏で運輸局の船員課には二次元化されたイマドキなキャラクターが「船員になろう!」と啓発ポスターが掲示されているほど若年層の育成は危急を要している。
事実、商船では二次元ファンには最高の環境を作ることも出来るようだ。某船員によれば個室で光熱費不要というだけで、メリットが充分だそうだ。
話を戻して高齢化。
何よりも懸念事項は、もう引退間近な高齢層がいつまでも退かずにそのポジション、ポストにしがみつく。何故なのか?
大手の船社などは年功序列がため、またはキッチリと段階を踏んでからの職位チェンジとなるため、ある程度は仕方のないところであるかもしれない。
しかし小さな内航船の少人数制で、誰もが何でもやらなきゃって環境の中ではもちろん各自に責任も付きまとう。
立場や発言力の強い者がいい加減にしたり、あれこれ理由を付けて下の誰かに責任をなすりつける様な者もいるのだ。
流石に入ったばかりの新人にイキナリ、お前がチョッサー(C/O)をやれ!
と言われても何が何だか訳も分からない。
しかし長年それを熟してきた熟練の年長者がしっかりとバックアップしてノウハウを叩き込めば、1年から2年でやる気があるならば若年層はある程度習熟する。
もちろん、誰も彼もがそんな高い意識で仕事に向き合ってはいない。しかしできる様になりたい!と思っている人は勝手に努力してどんどん吸収していく。数年のアドバンテージなどあっと言う間に追いつかれてしまう。
50代〜60代の船員の皆さんにお願いしたいのは、スムーズに世代交代をする為、若い世代に任せてやらせる。でもちゃんとそれを見ててやる。間違えたらまた教える。何でそうするかという意味までを教えればそこからまた若いなりの発想で変えていくところもあるわけで。
「もうあんたら若いもんが作っていく時代や」そういう太っ腹な貫禄を期待したいところである。
それが上手くいっている船では20代の船長というのも生まれてきている。
船長という職についてはこれまた仕事だけではなく全くの別物で、人柄や乗員総てに応じながらという大役もあるしその発言や決定は絶対。逆に決めて言うならその言葉の責任も負うこととなる。中途半端な指示は乗員みんなが困るからだ。
しかしそれまでの努力が認められ、乗員を含む周りからも推薦されてそうなるのだろう。
自分はまだそれとは程遠い下々の船員である。少しでも上の負担を軽くできればと任されるように精進あるのみである。
それがしかし仕事を覚える近道で、将来自分がその立場になった時、皮肉にもこういうやり方はせんとこって勉強もできるのだ!
2015年08月26日
船乗りの仕事。物流業界の前と後ろ
船乗りの仕事 コンテナ船 内航船 Full Ver.
http://t.co/RR3pGajY43
船乗りの仕事。第2弾-749型コンテナ船の一週間。荷役 船上生活 離着桟
http://t.co/yqvPkRfhy2
今や国産よりも海外で企画生産、OEM生産する方がコストは桁違いに抑えられ、利益率の高い商品を高価な材料を使って作るモノ作りとして常識的である。
誰が言ったのか「客は水と仕様変更はタダだと思っている」という言葉に現されるのだが、生産管理担当者はリードタイムに頭を抱えながらもバイヤー(デザイナーや中間業者、商社)からの希望(命令)に沿った品質で且つコストに抑えられるように、少ロットの生産をコントロールしながら日々奮闘されている。
十分余裕のある時期に決定、契約された大量製品ならば良いが、特に少ロット生産の商品は中々順調なことばかりではない。生産ラインが動き出してからの仕様変更などは呆れるほどにザラにある。(笑)
国内の販売時期はあらゆる方面へのタイアップなどがあり、リードタイムはズラせない!と言いながらも細々したコダワリをブン投げてくる(命令)のだ。
生産国によっては、旧正月、国慶節、気候や工員確保の不安定な時期などもあり、その時期が絡むと大幅な遅れが発生することがある。
小さく軽いものなら航空便という手があるが、使えばその物流コストは壮絶に跳ね上がる。
概ね世間一般に輸入と言えば"SHIP"である。
ここからは少しうろ覚え。
国内外の拠点から乙仲さんが工場から港渡し、輸出入通関、さらには検品などを担当し、例えばどのコンテナに何をどれだけで税が幾らです(円建てまたはドル建て)という風に積み込んだ船(または積む予定VESSEL〜)の情報と共にinvoice書類を作成して知らせてきてくれる。
当該国に混乱や気象の変化が無ければ、ある程度予定通りに(この時点で生産管理担当者は若干さばを読んでいることが多い)輸出通関されてshippingとなるわけだ。
※お金の流れは取引形態により、対会社や対銀行によるL/Cなど契約タイミングで遣り取りする。
輸出された商品を積んだコンテナは巨大な船(母船)でおよそ20ktの速度で数日から数週間をかけて日本国内へと運ばれる。
そういった母船は先ず国内の指定港に入港し、輸入通関されてから更に各地の港へ内航船により(或いは直接トレーラーで)ばら撒かれていく。
よくバイヤーさんは工場出荷=納期の様に考えておられ、検品を含む物流の物理的なリードタイムを読み違える。(笑)
じゃあAIR飛ばしますか?でもその物流コストは出して下さいよ!と言って通じるバイヤーさんはほぼいない。散々仕様変更して納期が変わる旨を伝えていてもだ。
※一部、タイアップに合わせて店頭に幾つかだけ用意してと言って条件を飲むバイヤーもいる。
そうなると乙仲さんに生産管理担当者は、納期(通関、shippingなど)を詰めることを依頼するが…変わるわけもなく。
何度も通関日程を聞いてくる担当者いませんか?その裏側には鯖読みが外れて追い詰められたそんな遣り取りがあるのです(笑)
何より、仕様変更は物流コストも含めてタダじゃないってことである。
だから「上がった時が納期だ!」なんて言いたくなるのだ(笑)

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船乗りの仕事。第2弾-749型コンテナ船の一週間。荷役 船上生活 離着桟
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今や国産よりも海外で企画生産、OEM生産する方がコストは桁違いに抑えられ、利益率の高い商品を高価な材料を使って作るモノ作りとして常識的である。
誰が言ったのか「客は水と仕様変更はタダだと思っている」という言葉に現されるのだが、生産管理担当者はリードタイムに頭を抱えながらもバイヤー(デザイナーや中間業者、商社)からの希望(命令)に沿った品質で且つコストに抑えられるように、少ロットの生産をコントロールしながら日々奮闘されている。
十分余裕のある時期に決定、契約された大量製品ならば良いが、特に少ロット生産の商品は中々順調なことばかりではない。生産ラインが動き出してからの仕様変更などは呆れるほどにザラにある。(笑)
国内の販売時期はあらゆる方面へのタイアップなどがあり、リードタイムはズラせない!と言いながらも細々したコダワリをブン投げてくる(命令)のだ。
生産国によっては、旧正月、国慶節、気候や工員確保の不安定な時期などもあり、その時期が絡むと大幅な遅れが発生することがある。
小さく軽いものなら航空便という手があるが、使えばその物流コストは壮絶に跳ね上がる。
概ね世間一般に輸入と言えば"SHIP"である。
ここからは少しうろ覚え。
国内外の拠点から乙仲さんが工場から港渡し、輸出入通関、さらには検品などを担当し、例えばどのコンテナに何をどれだけで税が幾らです(円建てまたはドル建て)という風に積み込んだ船(または積む予定VESSEL〜)の情報と共にinvoice書類を作成して知らせてきてくれる。
当該国に混乱や気象の変化が無ければ、ある程度予定通りに(この時点で生産管理担当者は若干さばを読んでいることが多い)輸出通関されてshippingとなるわけだ。
※お金の流れは取引形態により、対会社や対銀行によるL/Cなど契約タイミングで遣り取りする。
輸出された商品を積んだコンテナは巨大な船(母船)でおよそ20ktの速度で数日から数週間をかけて日本国内へと運ばれる。
そういった母船は先ず国内の指定港に入港し、輸入通関されてから更に各地の港へ内航船により(或いは直接トレーラーで)ばら撒かれていく。
よくバイヤーさんは工場出荷=納期の様に考えておられ、検品を含む物流の物理的なリードタイムを読み違える。(笑)
じゃあAIR飛ばしますか?でもその物流コストは出して下さいよ!と言って通じるバイヤーさんはほぼいない。散々仕様変更して納期が変わる旨を伝えていてもだ。
※一部、タイアップに合わせて店頭に幾つかだけ用意してと言って条件を飲むバイヤーもいる。
そうなると乙仲さんに生産管理担当者は、納期(通関、shippingなど)を詰めることを依頼するが…変わるわけもなく。
何度も通関日程を聞いてくる担当者いませんか?その裏側には鯖読みが外れて追い詰められたそんな遣り取りがあるのです(笑)
何より、仕様変更は物流コストも含めてタダじゃないってことである。
だから「上がった時が納期だ!」なんて言いたくなるのだ(笑)
2015年08月13日
船乗りの仕事。気づき考え行動する〜係船ホーサー
船乗りの仕事 コンテナ船 内航船 Full Ver.
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NEW!↓
船乗りの仕事。第2弾-749型コンテナ船の一週間。荷役 船上生活 離着桟
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それなりに船乗りとしてのノウハウを身につけてきた今日この頃。少し具体的な内容をシリーズ化して書いてみたいと思う。
先ずは船が岸壁等に係船されていなければ乗船できない!ということで、係船ロープ(以下ホーサー)について。
コンテナ船の場合、なるべく岸壁に固定して船が離れたり前後に動揺しないようにガッチリと係船する。
弛みがほとんど無くてもどうしても動揺して、陸上のガントリークレーンなどがコンテナを積みにくくなってしまうからだ。
岸壁の係船ビットに対して、ホーサーが障害物に接触しない様に係船することも重要だ。

岸壁には車止めが海側の縁に設置されているので、この様に接触しているときにホーサーを巻き締めると車止めを損傷してしまう。(壊したら弁償うん十万円)

そして損傷させるほどの力が懸かるということはホーサーも当然痛む。
ホーサーは何千トンもの船の動揺により張ったり弛んだりを繰り返している。しかし少しの傷で破断の許容が著しく下がり、最悪は一瞬にして切れる。そして切れたホーサーは吹っ飛ぶこともあり人が当たれば即死となる。
そうならないために、接岸時の綱取りをしてくれる人にあらかじめ、なるべくスプライン部を(ツボと言うこともある)上げておいてもらうことで障害物に接触させない様にしておく。それができない場合は荷役の前に本船の船員で一旦弛ませて巻き締め直すなどして取り直すのだ。※荷役開始後では船が岸壁から離れることになり荷役作業員に危険を及ぼすのでやむを得ない場合は荷役を止める。

増しロープを取る時には、ホーサー同士が擦れないようにビットに掛ける。これ自体はそれほど重要視する必要は無いが、やはり動揺により長時間係船しておく場合には少しのことにも気を配る。ホーサーは一本毎に弛みと張りのタイミングが異なり、接触部を少しずつ傷ませてしまう。



大抵の船ではホーサーを傷めないために、必ず何かに接触する部分(ビット、フェアリーダー等)には擦れ止めを施しておく。毎回同じ位置に来るわけではないので極力長い範囲を頑丈なテープで巻き刺して、長持ちさせる様に工夫している。
ホーサーは係船中、特にウネリが入る港では注意が必要。
切れた場合には、船が離れて大きく動揺し、荷役中なら積荷が作業員に当たる他、挟まれてしまう危険が。
跳ね飛んだホーサーが綱取りや荷役作業員、また監視中の本船船員にも当たる危険がある。
しかし常日頃からホーサーを手当てしておけば、未然に防ぐことができる事故なのだ。
但し、船のサイズとホーサーの種類や新旧に大きく関わっているので、一つの例として頭の片隅に留めておいて損は無い。
と言うことで今回はここまで。
次回はそのホーサーの手当てについて更新します。
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それなりに船乗りとしてのノウハウを身につけてきた今日この頃。少し具体的な内容をシリーズ化して書いてみたいと思う。
先ずは船が岸壁等に係船されていなければ乗船できない!ということで、係船ロープ(以下ホーサー)について。
コンテナ船の場合、なるべく岸壁に固定して船が離れたり前後に動揺しないようにガッチリと係船する。
弛みがほとんど無くてもどうしても動揺して、陸上のガントリークレーンなどがコンテナを積みにくくなってしまうからだ。
岸壁の係船ビットに対して、ホーサーが障害物に接触しない様に係船することも重要だ。
岸壁には車止めが海側の縁に設置されているので、この様に接触しているときにホーサーを巻き締めると車止めを損傷してしまう。(壊したら弁償うん十万円)
そして損傷させるほどの力が懸かるということはホーサーも当然痛む。
ホーサーは何千トンもの船の動揺により張ったり弛んだりを繰り返している。しかし少しの傷で破断の許容が著しく下がり、最悪は一瞬にして切れる。そして切れたホーサーは吹っ飛ぶこともあり人が当たれば即死となる。
そうならないために、接岸時の綱取りをしてくれる人にあらかじめ、なるべくスプライン部を(ツボと言うこともある)上げておいてもらうことで障害物に接触させない様にしておく。それができない場合は荷役の前に本船の船員で一旦弛ませて巻き締め直すなどして取り直すのだ。※荷役開始後では船が岸壁から離れることになり荷役作業員に危険を及ぼすのでやむを得ない場合は荷役を止める。
増しロープを取る時には、ホーサー同士が擦れないようにビットに掛ける。これ自体はそれほど重要視する必要は無いが、やはり動揺により長時間係船しておく場合には少しのことにも気を配る。ホーサーは一本毎に弛みと張りのタイミングが異なり、接触部を少しずつ傷ませてしまう。
大抵の船ではホーサーを傷めないために、必ず何かに接触する部分(ビット、フェアリーダー等)には擦れ止めを施しておく。毎回同じ位置に来るわけではないので極力長い範囲を頑丈なテープで巻き刺して、長持ちさせる様に工夫している。
ホーサーは係船中、特にウネリが入る港では注意が必要。
切れた場合には、船が離れて大きく動揺し、荷役中なら積荷が作業員に当たる他、挟まれてしまう危険が。
跳ね飛んだホーサーが綱取りや荷役作業員、また監視中の本船船員にも当たる危険がある。
しかし常日頃からホーサーを手当てしておけば、未然に防ぐことができる事故なのだ。
但し、船のサイズとホーサーの種類や新旧に大きく関わっているので、一つの例として頭の片隅に留めておいて損は無い。
と言うことで今回はここまで。
次回はそのホーサーの手当てについて更新します。