2015年04月20日
船乗りの仕事。眠れぬ航海〜其の五
一航海目では各ブッキングの連絡について早め早めに手を打ち、まだ慣れないので咄嗟で判断の必要がない様、準備してからにしていた。
不安があるとどうしてもせっかちなくらいに早めになる。関係各所にはそう思われたかもしれないが、遅れて慌てることになればミスに繋がる要因である。
増して、船長が休暇中。
事故や問題を起こすわけにはいかない。(ミッション最大のプレッシャー!)
平日のヤードで随時予定は決まっていき、ヤードから直接やオペレーターから、メールまたはFAXでブッキングは送られてくるのだ。
それは必ずしも自分のワッチ中だけに留まることはない。
しかも陸上のヤードやオペレーターは定時で上がってしまう。不具合が発生した場合、翌日では間に合わないこともあり一刻一秒を争うなんてこともある。
※平日の航海計画コースを航過時間帯ごとに陸岸に寄せて設定し通信電波の確保も必要。
そして、船内の皆が(一部無関心(笑))その進捗状況は気にしており、早めに把握したいところでもあるのだ。
そのため、乗船者全員と話す機会も増える。
次港がどこか。
到着時間と接岸時間の関係は。(機関の使い方、燃料消費、錨泊、錨地、仮バースなど)
どれくらいの荷役時間なのか。
本数は少ないのか多いのか。
内容物は。(オイル漏れなどの懸念)
固縛作業は要するか。
天候と離接岸の関係は。(風向きにより荷役中止の場合など)
バースの空き状況は。(荷役後にしばらく停泊できれば買い物などにも出かけられる)
それらの情報に基づいて、内部でも段取りを進めるので当然である。
一部は船長が最終的な決定をされるので予想の範囲を超えないで情報の開示をするのだが、みんなの思惑はそこで明らかになるわけだ。(笑)
コンテナ船の運航はこんな感じで日々繰り返し進んでいく。
眠れぬ航海編はここまで。
3週間目で船長が休暇明けに戻って来られたところで任を解かれた訳である。(ようやった!お疲れさん!しばらく解放してやる。わはは!!下がって良い)
なんとかやりきった〜!とホッとできたのだが、ちょっと面白くなってきたところでもあったり(笑)
この3週間で自分としてはたくさんのことを新たに学ぶことができ、非常に緊張感を持って有意義な、充実して仕事をする事ができた。そして怪我もなく、事故もなく、無事に航海する事が出来たのは、結果的にみんなの協力の下であった。(多謝)
が、実際には同時に甲板部の仕事もあったわけで。
その編はまた次回書いていこうと思っております。
後記−
プレッシャー半端無い、心臓バクバク、寿命縮んだ?
いや、それほどでも無くて結構楽しんでたところもあったり。
また少し奥に深まった船乗りの世界。
まだまだこれからっす!