2015年04月15日
船乗りの仕事。眠れぬ航海〜其の二

コンテナ船において船長の仕事は、「積み付けプラン作成」の部分がある。※全てではなく無い船もある
コンテナ船はハッチの上に貨物をどれだけ積むかで積載TEU量(※船ごとの積み付け配置枠は何列何段と決まっている)は大きく変わる。と、同時に船体のクセや積み位置によって航海時の船の状態が決まるのである。
積み付けプラン作成とは、コンテナの載貨配置はもちろん、GMという船体の重心位置とメタセンタとの距離(単位は㎝。又は1.56Mなど。原理はメトロノーム)で、浮力、復原力に関わる数値を出し、天候との兼ね合いでバラスト(主に船首船尾喫水のトリムや左右の傾きヒールを調整する海水を注入するタンク)により船体の喫水を載貨重量に合わせて船のアシを決めるところまでだ。
内航コンテナ船では最適なGMは船体横幅(ビームという)の約10%程度とされていて、船ごとに同じ貨物であっても積み付け方次第で数値は違うものとなる。※調べたところGM最大値はビームの約4%
このGM値。航海時の船の動揺と非常に大きく関わっている。ボトムヘビーとなれば値が大きくなり復原力が強く働くため横揺れが早く少しの波でもゴロゴロ(ローリング)する。そうなると部屋は滅茶滅茶(笑)
何より貨物が船体に負荷をかけてしまうことにもなるのだ。その為に貨物は全て固縛(ラッシング)しておくわけである。
船長が休暇を取るにはその仕事をこの船に合わせて最適な状態を熟知している者がしなければならない。
ある程度のことは以前からその仕事に少し関わっていたこともあり、何と自分に白羽の矢が立った。いやいやそんな!熟知なんてしてませんよ!!…とはもう言えない状況。(やっと察した)
仕上げに約1ヶ月の猶予(船長の休暇まで)があり、その間に船長から猛特訓!
※操船だけはそう簡単に行かないので他の船から応援で別の船長が来られることに
いや、もう泣きそう。
だって重責過ぎるじゃあーりませんか?(出典:チャーリー浜)
其の三へ続く。