2015年04月18日
船乗りの仕事。眠れぬ航海〜其の四
いざ出航!となったわけだが、お墨付きは頂いたものの本当にこれで良いのかと不安でいっぱいだった。
出してみると少し左舷に傾いている。当時風も右舷から吹いておりその影響もあった。
幸い、自分は出航ワッチだったので船橋で傾きを見ながらバラストを少し右舷に張って調整し直す。
ワッチが終わり次のワッチ員と交代。
やっと終わりひと休みだと部屋に戻るが…何か気になってうつらうつらするばかりで眠れない(笑)
日が変わって朝方、何となく右舷に傾いている様な…。
気のせい?風吹いてる?どうした?予報じゃそろそろ左舷に風が回るはず。だからか?
気になって早めに船橋へ。
なぜか右舷のバラストタンクが一つ半分くらい入っている。出航時に調整した時には1/4くらいだったのでワッチ員に聞くと、代行の船長が上がってきて傾きが気になると何故か右舷に傾けてしまったらしい。
うーん。意図がわからない。好みが右舷ヒールなのかな?などと悶々としながらしばらく様子見。
次第に天気予報通り風は回って左舷から吹いて来た。右舷側への傾きはさらに少し大きくなる。
これ、ものすごく気になることなんですよね〜。
次のワッチ中、機関長から右舷に傾いとるねぇと言われ事の次第を説明した。しかしこのままではやはりみんな気になるばかり。
船長代行にお伺いするか。
大阪人「船長、少し傾きが気になるので直して良いですか?」
船長代行「おお、昨日まだちょっと左舷に傾きあったからバラスト足したんや。えらい傾いたな。直しといて〜」
なんだ好みとか関係無いやん。足すにしても足し過ぎですわ船長〜
ってことでバラストを抜いて水平に。
そんなこんなでやっとの思いで次港に到着。
その間ももちろん次のさらに次の積み付け予定データ(ブッキング)が容赦無く送られてくる。そしてプランを決めていかなければならない。
つまり、積む前に次港での予定に合わせて積み付けを考えなければ積めなくなる場合もあるのだ。
本当に眠れないですよ。
しかも変更も直前まで有り得るため確定するまでは気になって仕方ないのである。
しかし先ずは一航海を無事こなしたことで少し自信が付いた。そして次はもう少し早めに動きを取るべきだと一つ勉強になった。
よっしゃ今度はもうちょい上手いことやろう。
其の五へ続く