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船内の規律というか、細かい決まり事というのは、それぞれの船による。
キッチリ縦割りの船もあれば、和気藹々の船もある。この二つのパターンで仕事は大きく変わる。

そして、甲板(航海士の担当)作業の直接的な監督職員が誰かによって、やり方がいちいち変わる(笑)

「この船では」から始まる標準化されていない船舶運用の慣行例の幾つかをご紹介します。

例えば、アンカーの扱いで航海中のクラッチを入れるか入れないか。入れる方が良いと思うのだが…。諸説あって人による。
ホールドハッチの開閉。クレーンなどが積荷を吊って頭上通過している時に出るか待つか。待たないと重大事故の元やん。陸上では下手すれば出入り禁止処分なるレベル。人による(笑)
甲板の保守作業。ペンキ塗りやグリスアップなど少人数船では二等または三等航海士が、一等航海士に確認をしながら作業を進めていく。内容はさておき、丁寧で綺麗に仕上げる人もいれば、ただ早くやっつけ仕事な人、思い付きで彼方此方中途半端の人もいるし、ハナから作業嫌いで無関心な人などがいる。
こういう作業で一番理想的だったのは、できる限り時間と範囲を決めて、頭数が揃うタイミングで一気にチームで進めていくことだ。メリハリつけて確認し合いながら、担当を割り振ることで効率が良くイイ仕事ができ予定より早く終わる。
和気藹々とした船では皆が声を出し合って、確認もフォローもお互い様でスムーズ。

陸上も海上も、まぁ人それぞれで色々なのは変わらないことですね。そして同じく残念ながら現場の上司は選べない(笑)
しかし、いつか上に立つのは間違いない。その時、どんなやり方が良いのかは今学んでおく修行の身。

自分の常識、他人の非常識がまかり通る標準化途上の業界である。


船乗りの仕事。非標準のハテナ


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Posted by 大阪の海人  at 11:39 │Comments(4)仕事

この記事へのコメント
私は航海中、クラッチ入れる派ですね。
もっとも、直ぐに抜けるように遊びは作って入れています。
というか、既に癖になっています。

時に、アンカーを打った時に、クラッチを入れる船もあります。
抜くのが常識だと思うのですが、それをわざわざ入れている船も
あるのです。

『この船の常識』という言葉は納得できますが
『船の常識』と言う人もいます。船の常識なんてその船それぞれだし
確かに人によっても違いがあります。

今の船は14000トンもあるのだが定員10名。
固まって作業することはまず殆どない。
ゆえにそれぞれが各々出来ることをするということです。

現在サードが自分の役回りを出来ずに、殆ど誰かから命令されないと
動けないので、キャプテンもワッチに入り
荷役中がボースンが2人分をこなし、かなりみんな激怒しています^^;
実質9名で動かしている状態。

俺も早く休暇に行きたいです。

今日4カ月と1週間乗船した一等航海士が降りて新しいチョフサーが
きました。初めて乗るチョフサーです。
Posted by 皐月 at 2013年11月25日 19:58
皐月さん、コメントありがとうございます。

航海中アンカーのクラッチについては何故かいろいろ説がありますね。
錨鎖を巻ききった上で整鎖ロックをかけ、錨鎖を弛ませてブレーキを締め、その後クラッチを抜く…というやり方も在る様です。
しかしクラッチを抜いていると、何かの拍子にブレーキが緩みアンカーレッコされて全ての錨鎖が繰り出されてしまった場合、その水深によっては油圧式ウインドラスで巻き揚げ不能となるのでは?
他にもガッチリ巻き揚げて整鎖ロックがかからないままクラッチも巻き上げたままブレーキガッチリというのもありました。

作業については、今それやっちゃう?ってシーンもあったり、リードタイムが読めてなくてトンデモなく段取り狂わされたり、チョッサー格が三人で口々に別の指示をして…あー、もうやめときます(笑)

色々ありますね(笑)
Posted by 大阪の海人大阪の海人 at 2013年11月25日 23:32
色々な知識は持っている方が良いに決まってるから
良い一党航海士や船長は必ず知識の引き出しが多い方が
良い。
よそから来る人とか色んな知識を持っている人とかに
色々教えてもらいながら
将来人の上に立った時にその知識の引き出しを開けて
下さい。

色々な船に乗っていると、その引き出しが多い人ほど
やはり人間として出来ていると思います。
頑なに一つのやり方しか覚えてこない人は、人間の器が小さい人が
多いですね。

俺も色々色んな人から知識を授けてもらいながら、自分でも
色々調べて勉強しています。
Posted by 皐月 at 2013年11月27日 20:23
皐月さん
仰る通りですね。多角的な知識を持っている人は素直な気持ちで色々な人の「常識」を吸収できる人なんだと思います。
修行中の身では、いきなり多角化される(一つの作業に色んな人からそれぞれ違うやり方で教えられる)とそれを嫌う人がいるのも難しいですが(笑)

そういう意味でこのブログでは書きなぐりして、更にツッコミを入れていただき素直さを身につけたいと考えている次第です。
Posted by 大阪の海人大阪の海人 at 2013年11月27日 22:23
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