2015年08月13日
船乗りの仕事。気づき考え行動する〜係船ホーサー
船乗りの仕事 コンテナ船 内航船 Full Ver.
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船乗りの仕事。第2弾-749型コンテナ船の一週間。荷役 船上生活 離着桟
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それなりに船乗りとしてのノウハウを身につけてきた今日この頃。少し具体的な内容をシリーズ化して書いてみたいと思う。
先ずは船が岸壁等に係船されていなければ乗船できない!ということで、係船ロープ(以下ホーサー)について。
コンテナ船の場合、なるべく岸壁に固定して船が離れたり前後に動揺しないようにガッチリと係船する。
弛みがほとんど無くてもどうしても動揺して、陸上のガントリークレーンなどがコンテナを積みにくくなってしまうからだ。
岸壁の係船ビットに対して、ホーサーが障害物に接触しない様に係船することも重要だ。

岸壁には車止めが海側の縁に設置されているので、この様に接触しているときにホーサーを巻き締めると車止めを損傷してしまう。(壊したら弁償うん十万円)

そして損傷させるほどの力が懸かるということはホーサーも当然痛む。
ホーサーは何千トンもの船の動揺により張ったり弛んだりを繰り返している。しかし少しの傷で破断の許容が著しく下がり、最悪は一瞬にして切れる。そして切れたホーサーは吹っ飛ぶこともあり人が当たれば即死となる。
そうならないために、接岸時の綱取りをしてくれる人にあらかじめ、なるべくスプライン部を(ツボと言うこともある)上げておいてもらうことで障害物に接触させない様にしておく。それができない場合は荷役の前に本船の船員で一旦弛ませて巻き締め直すなどして取り直すのだ。※荷役開始後では船が岸壁から離れることになり荷役作業員に危険を及ぼすのでやむを得ない場合は荷役を止める。

増しロープを取る時には、ホーサー同士が擦れないようにビットに掛ける。これ自体はそれほど重要視する必要は無いが、やはり動揺により長時間係船しておく場合には少しのことにも気を配る。ホーサーは一本毎に弛みと張りのタイミングが異なり、接触部を少しずつ傷ませてしまう。



大抵の船ではホーサーを傷めないために、必ず何かに接触する部分(ビット、フェアリーダー等)には擦れ止めを施しておく。毎回同じ位置に来るわけではないので極力長い範囲を頑丈なテープで巻き刺して、長持ちさせる様に工夫している。
ホーサーは係船中、特にウネリが入る港では注意が必要。
切れた場合には、船が離れて大きく動揺し、荷役中なら積荷が作業員に当たる他、挟まれてしまう危険が。
跳ね飛んだホーサーが綱取りや荷役作業員、また監視中の本船船員にも当たる危険がある。
しかし常日頃からホーサーを手当てしておけば、未然に防ぐことができる事故なのだ。
但し、船のサイズとホーサーの種類や新旧に大きく関わっているので、一つの例として頭の片隅に留めておいて損は無い。
と言うことで今回はここまで。
次回はそのホーサーの手当てについて更新します。
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それなりに船乗りとしてのノウハウを身につけてきた今日この頃。少し具体的な内容をシリーズ化して書いてみたいと思う。
先ずは船が岸壁等に係船されていなければ乗船できない!ということで、係船ロープ(以下ホーサー)について。
コンテナ船の場合、なるべく岸壁に固定して船が離れたり前後に動揺しないようにガッチリと係船する。
弛みがほとんど無くてもどうしても動揺して、陸上のガントリークレーンなどがコンテナを積みにくくなってしまうからだ。
岸壁の係船ビットに対して、ホーサーが障害物に接触しない様に係船することも重要だ。
岸壁には車止めが海側の縁に設置されているので、この様に接触しているときにホーサーを巻き締めると車止めを損傷してしまう。(壊したら弁償うん十万円)
そして損傷させるほどの力が懸かるということはホーサーも当然痛む。
ホーサーは何千トンもの船の動揺により張ったり弛んだりを繰り返している。しかし少しの傷で破断の許容が著しく下がり、最悪は一瞬にして切れる。そして切れたホーサーは吹っ飛ぶこともあり人が当たれば即死となる。
そうならないために、接岸時の綱取りをしてくれる人にあらかじめ、なるべくスプライン部を(ツボと言うこともある)上げておいてもらうことで障害物に接触させない様にしておく。それができない場合は荷役の前に本船の船員で一旦弛ませて巻き締め直すなどして取り直すのだ。※荷役開始後では船が岸壁から離れることになり荷役作業員に危険を及ぼすのでやむを得ない場合は荷役を止める。
増しロープを取る時には、ホーサー同士が擦れないようにビットに掛ける。これ自体はそれほど重要視する必要は無いが、やはり動揺により長時間係船しておく場合には少しのことにも気を配る。ホーサーは一本毎に弛みと張りのタイミングが異なり、接触部を少しずつ傷ませてしまう。
大抵の船ではホーサーを傷めないために、必ず何かに接触する部分(ビット、フェアリーダー等)には擦れ止めを施しておく。毎回同じ位置に来るわけではないので極力長い範囲を頑丈なテープで巻き刺して、長持ちさせる様に工夫している。
ホーサーは係船中、特にウネリが入る港では注意が必要。
切れた場合には、船が離れて大きく動揺し、荷役中なら積荷が作業員に当たる他、挟まれてしまう危険が。
跳ね飛んだホーサーが綱取りや荷役作業員、また監視中の本船船員にも当たる危険がある。
しかし常日頃からホーサーを手当てしておけば、未然に防ぐことができる事故なのだ。
但し、船のサイズとホーサーの種類や新旧に大きく関わっているので、一つの例として頭の片隅に留めておいて損は無い。
と言うことで今回はここまで。
次回はそのホーサーの手当てについて更新します。