時代の流れと共に自分もいい歳になっていくわけで。
陸上での仕事を長年にわたってやってきて船乗りになった自分ですが、最近時々感じることがある。
休暇になると、久しく会っていなかったサラリーマン時代の友人やお世話になった諸先輩方と会う機会を作る。
数年振りに再会すると皆んな環境や職場が変わっていたり、充実していたり草臥れていたり何よりも歳をとっている。
中には全く変わらないまま元気全開のオジさんもいるのだが。
そして時々聞こえてくる、関わった周りの人が病気で入院した話やまだ療養中の話。
あまり聞きたくないが、亡くなったという話。
そういう話を聞くたびに寂しく感じたり、残念な気持ちになる。
2月の自分の乗船前日に突然倒れ、亡くなった年配の船員も同様だ。
現場に居合わせた人によれば、
倒れる直前まで航海ワッチ中で、2人ワッチの相棒と会話を交わしていた。
突然静かになった直後にそのまま崩れて倒れた。
直ちに船長に緊急報告。
船長が着の身着のまま登橋、当直中の機関長と一機士にも連絡。
118緊急通報と同時にヘリ搬送要請。
電話による医療助言を受けながら懸命に人工蘇生術開始。
約一時間後、ヘリ到着。
AED装着しヘリ搬送。
しかし搬送先の病院でそのまま息を引き取られた。
自分の所属船では一番の年配者で、本当によく仕事をされる大先輩だった。
まだ船乗りになって日の浅い自分も色々とアドバイスをもらったり、その仕事ぶりを見て学んだ。
パチンコが大好きで若い船員達と繰り出して出かけ、また割と強かったようだ。
若い船員達と飲みにも出かけ、船内でも一緒に本当に楽しそうに仕事をされていた。
思えばいつもニコニコしておられたのが印象的で、部屋から漏れるテレビの音が今でも聞こえてきそうなのである。
まだまだ聞きたいことや教えてもらいこともたくさんだった。
何よりあまりに突然のことで残念でならない。
でもいつかはそんな日が来る。
周りの誰かもそうだが自分もである。
その時に悔いのないように精一杯生きよう。
やり尽くしておかないとな。
健康に気をつけないと。
病気もだが船上の仕事である限り怪我も気をつけなければ。
誰かに怪我をさせるわけにもいかない。
というようなことを時々考えるのだ。
若い時はそんなこと気にもしなかったが、現実に関わった周りの人たちから感じさせられる。
改めて
お悔み申し上げ御冥福をお祈りします。