船乗りの仕事。業務と福利

大阪の海人

2014年12月19日 05:17



今回は少し、船乗りのメリットについて。
デメリットはこの内容の裏側を洞察して頂きたい。

通勤
1分(自宅から乗船地、港までは適宜で交通費全額支給だが乗ってしまえば部屋から現場まで階段のみ)

航海(基本。細かい規定は割愛)
甲板部三交代制(当直は各担当4時間2クール)
0-4 二航士
4-8 一航士
8-0 船長
機関部6時間二交代制(出航時間から。うち2時間は休憩)
※高度船舶導入船は2人で8時間勤務となり夜間は休憩
航海開始が例えば、14時出航ならば、
甲板部は0-4の当直者が16時までを担当。
機関部は14時からの6時間で交代となる。
※高度船舶導入の機関部は17時閉店。
※離接岸時は全員、錨泊作業は当直者及び船長。

作業(航海とは別に行うもの)
朝8時から昼3時くらいまで(最大としている。大抵昼までだが船による)
内容
維持、保守、その他全般(船体ペンキ塗り、ロープの手入れ、加工、清掃など)

残業手当
会社規定による。組合船などは8時間を超えて業務に携わる場合、残業手当が付く(らしい)

生活
冷暖房、BSテレビ、録画再生機完備完全個室。
光熱費不要。
消耗品支給(ティッシュ、石鹸、トイレットペーパー、シャンプーなど)
食事付き(各自食料金が支給され材料仕入れて作る。米や調味料は共同購入。または船舶調理師が作ってくれる)
嗜好品(タバコや酒は基本自己負担)
福利としてNET環境、Wi-Fiが設置されている船もある(皆んなで使うので必然的にトラフィック負荷が重くなる)
娯楽は各自持ち込みなど。基本的に各自室の設備を追加設置は自由。

休み(給料は支給される)
会社規定による(年間休日として3ヶ月/1ヶ月や2ヶ月/20日などで休暇中は基本給のみの会社もある。余りは翌年繰越で休める)
その他の休み
ひと月に1回から2回ほどの仮バースがあり、上陸して出かけることができる(上長によるが仮バース時に作業することもある)
※この休みは補償されていないため無い船は滅多にない。

病気、怪我
これは無いに越したことはないが、緊急を要する場合というのはどうしても発生するものだ。
乗船中の怪我は労災保険が適用される。
また、頭痛や風邪などは船内に備え付けの常備薬で対応できる。
脳卒中や心筋梗塞など重大な疾病の場合には、無線による医療助言を受けたり(現在では医療機関との電話で対応することになっている)緊急接岸して救急搬送することもある。
もっと可及的速やかに搬送する必要がある場合は保安庁のヘリを要請する。
緊急ではなく休暇中に治療出来る疾病や故障の場合、療養証明書を会社から発行してもらい治療することができる。船員保険により最大3ヶ月間、入院や手術に至るまで医療負担は全額補償される。

他にも資格取得の負担を会社が持って、取得手当が支給されることもある。

これらが手厚いと思う方もあれば、やっぱり家に帰れないのが痛いと考える方もあるだろう。

会社によって規定や捉え方も様々なので一部違うこともある。
その辺はよく話を聞いて確認されることをお勧めします。


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