船乗りの仕事。そんな奴おらへんやろ

大阪の海人

2014年09月11日 05:04

とある港にて新人君との会話

自分「スプリング巻き過ぎて岸壁引っ張られてもーたな。ほら、ゆがんでるやろ?」

新人君「あ!ほんとだ!!」

自分「…」

新人君「えっ?」

自分「えっ?」

新人君「/////」

自分「んなわけないやろ…」

新人君「やっちまった〜」

てなわけでやりとりを聞いていた皆で大爆笑。
震災被災地の岸壁だったので、真っ直ぐではなくちょうどスプリングビットの部分が大きく突き出して歪んでしまっていたのだ。
しかし中々良いボケかましてくれました(笑)

さて、このブログに来られる方の検索履歴で、「流し」というのが割とある。

今回は左舷付けでの係船をご紹介。
少し見にくいやもしれないが。



船首(オモテ)流しを3本とスプリング
流しは岸壁側から2本、海側から1本
流し3本の内、2本は増しロープとなる
オモテの流しは船首方向へ取る係船ロープである


オモテのスプリングをビットに舫った状態


船尾(トモ)同じく流し3本
船尾方向へ


トモのスプリング

それぞれのロープは、船の前後方向の動揺を抑えたり、岸壁に平行に密着させる為に舫うが、本数を増やしてうねりや強風による動揺を極力抑えるための増しロープを取るのだ。
積み荷の載貨状況や、潮の干満によって多少の調整が必要となる場合もある。
しかし決して岸壁が歪む程強くはない(笑)
でもヨットハーバーなんかの浮き桟橋ならへし折ってしまうと思うが…

増しロープは、接岸時に今後の天候などに応じて取っておく。いざその時になってからだともう手遅れ。後で足すのは一苦労な上、それまでにロープが切れてしまったりすると更に余計な仕事も増えることとなる。

明日の日本を考える。それが船乗りの仕事なのだ!

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