船乗りの仕事。できるかできないか
船乗りを職として自分も1年が過ぎた。
実に内容の濃い、良いこともしんどいことも咄嗟の出来事も豊富な1年。
しかしこの船乗りという仕事。
真面目にやっても簡単になんでもできるようになるものでは無い。
ケースバイケースの処理がそれほど頻繁にないために、ひと航海毎に一度か二度ずつしか学べないからだ。
手元の作業の一つでロープワークがあるが、これだけは時間を作って自分で練習できる。が、それ以外は練習ができる緩い世界では無い。
やりながら手順を確認して確実に身体に覚えさせるのにしても、いつでも真剣勝負の本番である。
寛大に認めて、意味や要領良く熟す方法を近道で教えてくれた船長や上司には本当に感謝である。
中には黙って仕事を見せることで自分で学べというスタンスの人もあれば、ただ人を貶したり、自分の思い通りにすることだけに拘る人もあり、先ずは結局のところ人間同士の関係に終始対応に追われる日々もあった。
大の大人が乗り合わせる船の世界だが、仕事はチームワークが重要なファクターとなる。
そのチームワークがこなし切れるかどうかは、もちろん理解力も必要で、そのポジションでの臨機応変な対応は個々の力量も計られる。
ただ言われるオーダーを熟す立場から一段高く、言われる前にそこへ辿り着く。
そうできなければ、大袈裟ではなく、大事に至ることもある。
表面上の見える仕事から、意味のある仕事にするためには、視野を広く眺め、自分で分析して先に気づくことが肝要だ。
効率、時間、設備、トラブル、人。
優先順位と何よりも、船の運行。
しかし精度を高めるためにはまだまだ時間がかかりそうだ。
関連記事